表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/34

12話 王子

ブックマークの登録ありがとうございます。

 王子は俺に向かい剣を突き付け、騎士達に俺を拘束するように命令する。

「その狼藉者を捕まえろ!! 殺しても構わんぞ!!」

 王子様がそう言うので、俺は一番近い騎士に近付き、騎士の一人の首を絞める。

「な!? いつの間に!! その手を放せ!!」

「何を言ってるんだ? お前は今、俺を殺せと命令したじゃないか。殺す命令をしたのに殺される覚悟はないのか?」

 俺がそう聞くと、王子は顔を真っ赤にしている。

「それなのにお前は騎士を離せと言う。何か? 俺に無抵抗で殺されろとでも言うのか? それがお前の言う正義なのか?」

 王子様は正義という言葉を使っていないが、この国が正義という言葉が好きな事を知っている。恐らくはマシューから、俺が悪とでも聞いているのだろう。

 俺がここまで言うと、王子様に少しの迷いが見えているようだ。さて、一番聞きたかった事を聞こうか?

「なぁ、王子様。俺は国から指名手配されているわけだが、俺の罪とは何だ?」

 王子様は、俺を睨みつけ、何かの紙を読みだす。

「貴様にはいくつかの罪状がある。まず一つはメディア嬢に対する婦女暴行罪!! 次の罪は、勇者マシュー殿に対する暴行罪!! 更に聖女シリ様に対する侮辱罪!! 最後に魔導士クリス嬢の誘拐罪!!」

 要するに、マシューのパーティに対する何かってわけだ。アホらしい。

「私が誘拐されたって何?」

 無表情のクリスが首を傾げながら、俺の腕に抱きついてくる。なんでこいつがここにいるんだ? こいつは村でのんびりしている筈なんだが。

「王子。私は別に誘拐されてない。マシューの目線が気持ち悪かったし、私はエルヴァンと一緒が良いからマシューの所から自らの意志で出て来ただけ」

 王子はクリスの言葉に少し混乱しているようだ。

「おい。クリス。お前は関係ない。引っ込んでろ」

 俺がクリスの腕を強く引っ張ると、クリスは黙って俺の後ろに隠れる。

「そうか!! クリス嬢はお前に操られているのだな。魔物を使役するような奴だ。そのくらいは可能な筈だ!!」

「は?」

 王子は自分の推理が正しいと言わんばかりに、胸を張っている。ちょっと待て。こいつってこんな性格だったのか? 俺がマシューの所にいる時には、一国の王たる威厳を持つ国王の血を引く、立派な王子だった筈だ。

 俺が、呆れながらも王子を見ていると、クリスが不思議そうに「どうしたの?」と聞いてくる。

 俺はクリスに王子の事を聞く、と「エルヴァンは真面目過ぎたから、マシューや王子の本質が見れなかったの。今は、前と違って、ちゃんと人の事を見れている」と真顔で言われた。


少しでも面白いや続きが気になるという方がいれば幸いです。

よろしければ、ブックマークの登録、評価をよろしくお願いします。


『クジ引きで選ばれた勇者』もよろしくお願いします。

https://ncode.syosetu.com/n2043en/


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ