0話 プロローグ
新連載です。
少し短いです。
『お前は役に立たない! お荷物が!!』『あんた気持ち悪いのよ!! あんたなんかよりも勇者様の方が!!』『あんたなんかの婚約者だった事が恥だわ!!』『貴方みたいな屑とパーティだと思うだけで、気が滅入ってしまいます』『私達は愛し合っているのです。貴方は気持ちが悪いのですよ』『死ねよ!!』『お前なんか勘当だ!!』『この恥さらしめ!!』『お前はもう俺達に必要ない!! クビだ!!』
「ま、待ってくれよ……。マシュー!! 俺達、親友だろう!? メディア!! 俺はお前の事が!! シリ―、クリス!! 俺達………………」
ピチョン……。
「うぅ……」
頬に何かが落ちてきた事で、俺は目を覚ます。
「こ、ここは?」
うぅ……。体が痛い……。何があった? みんなは?
俺は、少しずつ落ち着いていく。どうしてこうなった? そもそもここはどこだ?
俺は、エルヴァン。親友で勇者のマシュー、恋人で僧侶のメディア、聖女シリ―、魔導士クリスの五人で魔王を倒すための旅をしていた。
そして……。うぅ。頭が痛い。
思い出した。
メディアがマシューと……それで俺が問い詰めたら、俺が裏切り者扱いされ、パーティをクビになったんだ。
傷心の俺は、故郷に帰った。
しかし、故郷でもマシューとメディアが先回りして俺の悪評を広めていたらしく、俺は故郷からも追い出され、王国からも指名手配されていた。
「ははは……。ここまでされりゃ、もう生きていても仕方ないもんな。いっそ、自殺でもしようと思って、ここまで来たんだよな」
俺は、地元の奴もこないと言われる、呪いの洞くつで自殺しようとここに足を踏み入れ、地獄の大穴に身を投げたんだ。
俺は上を見上げる。遠いところに光が見える。
「あの位置から飛び降りたのに生きているのか。はは。神様も酷い事をするもんだ。死ぬときくらい、苦しまずに死にたかったんだけどな」
俺は、その場に立ち上がり、周りを見る。洞窟は先に続いている。
「ここを進んでみるかな……。まぁ、歩いてりゃそのうち死ぬだろ。しかし、この高さから落ちて、骨の一本も折れてないのには驚いたけどな」
このまま進めば、魔物もいるかもしれない。そこで魔物の餌になるのも悪くないな……。
俺は、光魔法片手に洞窟の奥へと足を進めた。
少しでも面白いや続きが気になると思っていただければ幸いです。
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今日はもう1話か2話投稿しようと思っています。
他に『クジ引きで選ばれた勇者』を連載中です。そっちもどうぞよろしくお願いします。
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