先制攻撃って有用だよね
リオンに促されるまま来てみたはいいけど。
「薄々予想はしてたけどさ…」
魔王の家まで和風建築なのはどうなの?いや、この街並みの中にいきなりあるってのも困るんだけど。
ほら、なんか崖の上とか山の上に建つ大型の洋風の城で、上空には雲が立ち込めてて、蝙蝠が巣食ってるみたいな。
これ、平安時代の寝殿造りだよな…。教科書でしか見たことなかったけど、まさかこんな状況でお目にかかることになるとは…。
「ほんとにここに魔王様が住んでるわけ?」
「そうだよー?今は一人暮らしだねー」
なぜ家族構成まで把握しているのか…。
魔王が寝殿造りで一人暮らしか。どんな生活を送ってるのかが非常に気になるところである。
「一人暮らしってことは普通は本殿とかで生活してるのかな?」
一応「お邪魔しまーす」とか言って待ってみたけどなんの応答もなかったので、慎重に本殿(?)がある方向へ進んでみる。
これで不法侵入とかいちゃもんつけられて殺されたら嫌だな…。まぁ、やってることはその通りなんだが。殺されるにしろまともな理由で殺されたいものである。「魔王に挑んだ勇者は力及ばず散った…」みたいなのが語り継がれて欲しい。じゃないと浮かばれない。
本殿あたりのふすまを開けてみる。
そこにいたのは魔王というイメージにはあてはまらない人だった。壮年のように見えるが、どうせ見た目通りの年齢じゃない。
白髪で短髪、余計に膨らんでいないが体を覆う筋肉。くつろいでいるようだが、どういった状況でも対応できるようになっているようだ。
「…ようこそ、俺が魔王だ」
魔王様が口を開く。
「そして死ね」
極大魔術が俺の視界を覆う。
「いやああぁぁぁあーー!!?」
全力でステッド・ファストを多重発動する。
よくある展開だけども!せめて話くらい聞いてくれよ!このままじゃほんとに浮かばれない人になっちゃう!
「お、生き残ったか。資格はあるようだな」
お、じゃねーよ!!なんでいきなり殺されかけなきゃいけないわけ!?勇者とかにするのはわかるよ?殺しに来てるんだから先制攻撃は間違ってないよ?でも俺に対して問答無用で攻撃してくるのはおかしいだろうが!?
ってかよく生きてたな俺!あれを耐えきるってほんとに頑張ったよ!?よく見えなかったけどたぶん雷が落ちてきたんだよな。
「やばいぃぃぃーー!!」
どのくらいHPが残ったのかと気になり、へそを押してステータス・ウィンドウを開くが、見た瞬間にもHPが減り続けていた。
ってかMPマイナス表示なんだけども!?MPがマイナスになるとその補填にHPを充てるってことか?折角生き残ったのにこのままじゃそのまま死んじゃう!
あわあわしてるとリオンが回復魔術をかけてくれた。リジェネ効果でHPの減少速度とちょうど釣り合っているようで、HPの減少が止まる。
危なかった…。
「ちょっと!リブレになにしてんのパパ!!」
ぱぱぁ!?




