女の子の秘密って両極端だよね
リオンの偽装によって肌が黒くなった俺は前回とは違ったルートで町に入る。
さすがに同じところから入ったらいくら肌の違和感がなくなってても気づかれるだろうしな。ごろつきも相当な数いたし。
「すみませーん、ちょっとお尋ねしたいんですけど…」
人のよさそうな人を見かけては声をかけてみるが、
「他の世界に行く方法ってなにかないんですかね?」
「他の世界?馬鹿言っちゃいけないよ。そんなのあるわけがないじゃないか。あったとしても魔王様が滅ぼしてしまわれるさ。あんた、頭大丈夫かい?」
すっかり変人扱いである。これだけは言いたい。他の世界があっても魔王様が滅ぼすとか言ってるやつらよりはましだわ!
しっかし、どういうことだ?リオンは俺がなんの説明をしなくとも他の世界から来たことを受け入れていたのに。地域によって偏りがあるのか?
「なんでこの辺りの人は知らないんだ?」
「んー、なんでだろー?お姉さん的には常識って感じだったんだけどー…」
「ここはリオンが住んでいたところからは遠いか?」
「んー?そうだねー。転移が使えなかったら来る気にはならないくらいには遠いかなー」
感覚的すぎる。結局どのくらいなんだよ。
「…ん?」
どこからか視線を感じる…。
「なぁリオン、どこかから見られてるって感じしないか?」
そう言うと、リオンはきょろきょろするが、
「えー?お姉さんにはわかんないけどー」
「そうか…。なら俺の勘違いかな…」
にしてもこの嫌な感じはな…。
「着いたよー」
「あぁ、ありがとう」
結局気持ち悪かったのでリオンに頼んで他の街に転移してもらった。あのままあそこにとどまってもロクな情報は手に入りそうになかったしな。
「さっきよりは家に近くてー、大きめの街にしといたよー」
「助かる」
その方が情報がある可能性も高いだろう。
ただ、なんでまたここも盆地にあるんだ?
「とりあえず行ってみるか。リオン、また偽装頼むわ」
「うーん、それはいいんだけどー。今回お姉さんは自分に偽装かけて見えないようにしとくからそこんところよろしくねー」
なにゆえ?
「女の子には色んな秘密があるんだよー」
釈然としない…。
ついてきてはくれるようなので街に着くまでは俺は虚空にしゃべりかけてるキチ〇イのようになってしまう。絶対話しかけたくないタイプのやつになってるな今…。
「いや、どうせまた和風な街だってのは予想してたけどさ」
今度は城下町じゃなくて何?でかいお寺みたいなのあるな…。ってことは門前町?なんでこんなに日本文化が浸透してるんだよ…。
「んーと、口振り的に弟君が前に住んでたところと似てるわけー?」
「いや、似てるってわけでもないんだけど…」
なぜなら全て日本家屋である。そんなのいくら日本でも数えるほどしか現存していないだろう。家電も存在しないしな。
「見たことあるっていうか、知ってるっていうかな」
「ふーん、そうなんだー」
興味なっ!




