「森」あって「蟲」あるのに「林」あっても虫2つのやつないよね
森ででくわしたエネミーにどう活路を見出すのか…!
たったったったっ。 ドドドドドド。
「なぁレイン。この森の生物はだいたいあんなサイズなのか?」
たったったったっ。 ドドドドドド。
「そうですねー。どの生き物の子供でも私たちの身長は超えてますね」
たったったったっ。 ドドドドドドッ。
「そうかー。そりゃ簡単に食料調達ができないわけだ」
たったったったっ。 ドドドドドドッ!
「そんなこと言ってる場合ですか! もう追いつかれますよ! 即死ですよ!」
うん、やばいね。
「まあ、任せろって」
いきなり死んでたらあの世でレインのご両親になにを言われることやら。最悪あの世でもっかい死ぬな。
くるっ。
振り向きざまに
「ディレクト・シフト」
単純な相手の攻撃を少しずらす魔法だ。レベルと熟練度の兼ね合いから相手の攻撃を自分から外すまでに至らないという欠陥品な魔法だが、突進中の大きな相手の足の1本にでも当たれば、
グイッ
足がもつれてこけることになる。
「はぁ~。よくこんなこと思いつきますね~。普通逃げられるかどうか考えますよ。やっぱどこかおかしいんじゃないんですかね」
「いや、褒めてんの? 貶してんの?」
褒めるだけでよくね?
「そんなこと言ってる場合か。今のうちに安全なとこにいくぞ」
「え? 倒さないんですか?」
「周りの環境を把握できてないのに戦闘に移れないよ」
「リヴィ・バインド」
木の枝にツタをかける。
「よし、とりあえず枝の上なら地上で非常識なほど大きなのはこないだろ。空には気をつけなきゃいけないが、まあ下よりましだろ」
ドスン!!
そんなことをしてるうちにやつが起き上がってきた。
「あ、やべ」
ブモォォォォォ!
やっぱ怒っていらっしゃる。
「登れ!」
必死にツタを登り、何とか突進を交わす。
そのまま枝まで登って作戦会議。
「で? だいたいどのくらいが最大の大きさになるんだ?」
「さっきのが7メートルくらいでしたよね。最大になると10メートルは超えてくると思います」
ふむ、落とし穴にかけるのは現実的じゃないな。じゃあ……
「どんな種類がいるんだ?」
「猪みたいなのと鹿みたいなの、あとカピバラみたいなのですね」
カピバラ……。でかいのか、あれが。見たくないな。トラウマもんだろ。
「昆虫系はどうだ?」
「蜂、蜈蚣、蟻とかがメインになりますかね」
うわぁー。みたくねー。特に蜈蚣。
「弱点とかはないのか?」
「この森にいるのは基本的に火に弱いものが多いですけど、僕たちのレベルじゃ火をだしてもロクにダメージは入りません」
まあ、そうだろうな。だが、弱点は火が共通してあるのか……。
ここの周りは基本的に木ばっかで見通しは悪いが……。
まあ、やれるか。
「よし、レイン」
「?」
「狩りの時間だ。夕飯期待してるぞ?」
「倒した後に言ってください」
……。
厳しいな。