表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦力より戦略。  作者: ハルヒ8128
国家戦争
66/557

生理現象ってどこまで我慢できるんだろうね

「…というわけでいつもの歯に衣着せぬ物言いは控えていただきたいですわ」

「はい…」

ドルガバへ向かう馬車の中で俺はルーリアに注意事項の説明を受けていた。

「あとは基本的に自由な行動はとらないでくださりますようよろしくお願いしますわ」

「はい…」

「というか、もう目の届く範囲から動かないで頂けます?」

そこまで!?

「トイレも禁止…」

いや、待ってくれ!?

「と言いたいところですがそれは無理なので、そこだけは許可したいと思います」

あぶねぇ。生理現象を禁止されるとこだった。


「リブレさんから目離したらろくなことになりませんもんね」

いや、どういうこと!?

「見えたよ。あれが獣人帝国ドルガバだよ」

御者の代わりをしてくれていたキラが伝えてくれる。

「おぉ、あれが…」

思ってたより寂れてるな。本当にぎりぎりの生活を送っていたんだろうな。


「皇帝が住んでるところが中心街のほんとに真ん中にあるらしいから、とりあえず街の外に馬車を停めて、歩いて行こうかなと思うんだけど、どうかな?」

「キラがそう言うならそれがいいんだろ」

キラの提案により歩いていくことになった。


「目立ってね?」

「そうだねー」

こんな煌びやかな格好してたらそりゃ注目も浴びるだろ。

「レイン、霧頼む。あとちょっとの距離だからいけるだろ」

「このくらいの距離なら大丈夫ですかね。ミドル・ミスト」

王城的なとこまで霧を発生させて姿を隠す。

「まぁ、だいぶ姿見られてましたけどね」

これ以上見られるよりましだろ。


「ようこそいらっしゃいました」

今回の騒動を起こした各種族のお姫様方がドレスに身を包んでお出迎えをしてくれる。なんかプリンセだけコスプレ感強いな。リトルプリンセスって感じだ。

「おぉ、お出迎えなんてあるのか」

「こちらに非があり、わざわざ来てもらっているのだ。出迎えるくらいはやらねばな」

アミラが一応の説明をしてくれる。

そういうもんか。


「そういえばお前たちの親はどんな扱いになってるんだ?」

「我々の親は自ら謹慎している。むしろ皇帝によって捕縛されないことが僥倖というものだろう」

へー。自分は捕まってたのにそれをしてたやつらは別に罰するという考えじゃないのか。どんなやつなんだろうな。

「案内いたします。こちらへ」

みんなで案内してくれるらしい。

ギュッ。

プリンセがくっついてきた。

歩きにくいんだけど…。


プリンセを引きずりながらみんなについていくと、小さな執務室のような場所に着いた。

「我々はここまでしかいけない。あとは皇帝と話してくれ」

え?そうなの?

いきなり初対面の人と話すのは気が進まないなぁ。

「おい、虎族の。行くぞ」

アミラがプリンセに呼びかけるが、プリンセは頑として動こうとしない。

「一緒に行くか?」

呼びかけると、コクリと頷く。

「じゃあ、プリンセはこっちに来るらしいから、一緒に行くわ」

「そうか。まぁそちらが良いと言うなら止めはしない」


というわけで、プリンセが付いてくることになった。

「失礼します」

執務室に入ると、空気が和やかになる。

「ようこそ、いらっしゃったな。俺がこの国の皇帝であるカイルだ。ゆっくりしていってくれ」

柔和な笑顔を浮かべているおじいさんが座っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ