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戦力より戦略。  作者: ハルヒ8128
魔界奔走
451/557

孤児院の院長は未亡人かおばあさん

「こんちわー。雇用関係の件でお話ししに来ましたー」


ダダダダダダッ!

ガンッ!

ガラガッシャーン!!


後日、というか2日後。

早いうちにと向かったのだが、どうやら音から察するに急いで出ようとして何かに躓いて転び、大激突したようだ。


「ようこそ……いらっしゃいました……」


よろよろと涙目の女の子が出てきた。

今日は着古されたワンピースを着ているが、その膝から出血が見られる。

うむ。

大分派手にやったな。


「トロワ、絆創膏を」

「かしこまりました。少し、失礼いたしますよ」


普段から救急キットの品ぞろえは完璧である。

小さな怪我用の絆創膏や赤チンから、縫合用の針と糸や、はたまたAEDまで完備している。

どこの救急車ですかって感じの設備をしているが、メイドにかかればそんなものはどこからともかく取り出せるのだ。

足りなくなったらリオンの倉から持ってくればいいしな。


赤チンがあった時には流石にびっくりしたけど。

ちなみにこの赤チン。

本名はマーキュロクロム液というのだが、局所的な殺菌に高い効果を発揮するのだ。

同じ効果を持つヨードチンキが茶色をしているが、これが赤色であることから「赤いヨードチンキ」、略して「赤チン」となったらしい。

つまり、赤チンはヨードチンキではないのにヨードチンキから名前が来ているという中々に珍しい存在である。


「あ、ありがとうございます……」

「いいよ。とりあえず、責任者の方と話したいんだけど、いいかな?」

「ご案内します」


うーん。

しおらしい。

どうした?



「まずは、感謝を」

「いえいえ、どういたしまして」


別に普通の恰好なのだが、シスター感が凄い。

なんか悟り開いてそうな穏やかな笑みを浮かべている。

しかし、あふれ出る色気。

実際のほどはわからないが、例えるなら未亡人特有の色気というか。

特に何かしているわけでもないのに。


「最初は邪険な扱いをしてしまい、申し訳ございませんでした。今回も無理なお願いを聞いていただき……」

「あぁ。まぁ、その、最初はともかくですね? この前のは気にすることないです。こっちとしても気に食わなかったからやっただけなんで」


そのくらいの気概でないと最初から相手の行動見張るとかしないから。


「そうですか。そう言っていただけると、こちらとしても嬉しい限りです。そして、今日は?」

「この前のですね、手紙に書いていた件について、お話しできないかなと、はい」

「あぁ、それならば申し訳ありませんが、もう1度お話しいただけますでしょうか」

「? あれでは説明が足りませんでしたか?」

「いえ……」


困った顔をするシスター(?)。


「実は、私に見せることなく返事をお返ししてしまったようで……」

「あいつー!」


しおらしいと思ってたらそんなことやってた負い目か!

総意であれだったのかと思ってたよ!

そりゃあんな態度にもなるわな!

ここまで読んで頂きありがとうございます!

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