悪い奴の考え大抵一緒説
「さてと、俺はここで別れるから、手はず通りに」
「わかったー」
「「「おまかせください」」」
基本的にどこか抜けたところのあるリオンだが、戦闘面に関しての理解は人一倍早いため、フォローは必要ない。
そして、基本的に憶病というか、ビビりなため一人で行動する際は空経由な俺だが、今回は潜入せざるを得ない。
ひとたび戦闘が始まれば、メイド3人はともかくリオンがド派手にぶちかますのは避けられない。
そして、そうなると捕らわれのお姉ちゃんが人質になる可能性が高い。
もういいやと言ってしまえば楽なのだが、邪険に扱われたけれども話したこともあるし、そもそも助けに行ってるのに見捨てるという選択肢はないからな。
スルー・アイで周りの様子を確認しながらダクトの中を進む。
いやー、ミッションインポッシブってるな、これ。
人生でこんな動きをする時がこようとは。
劇中の彼らは音をたてずにするすると移動していたが、これがなんとも難しい。
金属でできており、中が空洞なため、多少の物音でもかなり響いてしまうのだ。
彼らは特殊な訓練を積んでるから大丈夫なのだろう。
「主」
「……」
「遅くないかの?」
「……聞こえるだろうが」
超スローリーな匍匐前進でしか動けないのである。
だってばれたら元も子もないし。
ずりずりとさながら気分はねずみで進んでいく。
俺日本人でよかった。
身長は170センチ前後であり、肩幅も広くない。
よってダクトの中を通るのもそれほど苦ではないのだ。
これがもう少し何かしら大きければ話は違ってきていただろう。
何が言いたいかというと、ミッションインポッシブってる人たちは神。
「おい、あの娘はどうした」
「一応、気絶させて繋いでいますが」
「俺の部屋に連れて来い。起きた時にどんな反応をするか見ものだなぁ」
下卑た感情が視えるな。
ダクトを進むこと10分ほど。
ちょうどここのボスの部屋の上に出たようだ。
まぁろくでもないことを考えちゃいるが、どちらかと言えばありがたい。
向こうから救出対象を連れ出してくれると言うんだからな。
感情にも{警戒心}は1ミリも含まれてはいない。
油断しきっている。
相手に有効打を与えるとなれば話は別だが、救出するくらいならなんでもないだろう。
「連れてきました」
「よし、そこにおいておけ」
優雅にワインっぽいものを飲んでいたところに例の女の子が運ばれてくる。
気絶しているらしく、動かない。
その為かはわからないが、拘束も手を後ろで縛るのみという杜撰なものだ。
お付きの者(?)が出ていき、飲み物を一息に飲み干すと、やせたおっさんが席を立つ。
「そうですねぇ。まずは剥いて、感触を楽しむとしましょうか。なぁに、痩せてはいるが、顔は上々。もう少し食わせてやれば肉付きのいい商品になるでしょう」
うーん。
テンプレ。
ここまで予想通りだとむしろ拍子抜けというか。
もうちょっと何かあっても良かったのではというか。
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