表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦力より戦略。  作者: ハルヒ8128
魔界奔走
435/557

バレンタイン記念幕間

遅くなりましたが、ハッピーバレンタイン!

「はい、リブレさん!」

「んぁ?」


唐突なレインからの紙袋に間抜けな声が出る。

なんだこれ。

起床直後なので許して頂きたい。


「……」


俺の反応にもニコニコしたまま何も言わないレイン。

いや、こわ。

なに?


「開けていいか?」

「どうぞどうぞ」


少しびくびくしながら小包を開ける。


「お、チョコレートだ」

「えぇ、ショコラです」


袋の中にはまた1つずつ丁寧にラッピングされたチョコレートがいっぱい入っていた。

一口大のハート形のチョコがいっぱいだ。


「なに、これ? バレンタインデーだったりする?」

「いえ、ばれんたいん? というのは知りませんでしたけど。この時期はその、スキナ人にショコラを上げるっていう慣習があるんですよ」


「好きな」のところを恥ずかしくなってカタコトになって言っちゃう俺の彼女可愛すぎんか?

無理だ。

チョコなんかそっちのけなんだが。


どうにか理性を保つために他のことを考える。

バレンタインってそうか、聖ヴァレンティヌスさんがなんか禁令に背いて兵士の結婚を祝福し続けたとか、死ぬことよりもキリスト教を捨てないことを選んだとか、そういう凄いことした人の殉教した日だから祝日になったんだっけか。

チョコレートなんか日本企業の策略の賜物で、なんの関係もないからな。


聖ヴァレンティヌスさんがいないこの世界でバレンタインデーなんて言葉が生まれるわけがないか。

それに、この世界では正確な暦もわからないからな。

そういう時期というだけなのだろう。


「これはもちろん……?」

「手作りですね」


もう、俺の彼女神!

なんだこのチョコのクオリティ!

よっぽど店のより上なんだが!


「うまい!」


声に出して言ってしまうほどには!


「折角だからサプライズにしたかったので、味のことも聞けませんでしたから、色んな甘さのものを作ってみました。一応、袋に書いてます」


そう言われて見てみると、小袋にそれぞれ「甘い」「ちょっと甘い」「ふつう」「ちょっと苦い」「苦い」と書いてある。

かわいいかよ。



俺がモグモグとチョコを楽しんでいると、頭に小さな袋を乗せたプリンセがトコトコ歩いてきた。

そのまま俺の膝に座る。


「ん……」


そしてちょっと背伸びをして俺の目の前に袋を持ってくる。


「あ、これもらっていいの?」

「ん」

「ありがとう」


頭の上からそれを受け取り、そのまま撫でる。


「プリンセちゃんも、一緒に作ったんですよ」

「ん……。でも、上手くできなかった……」


少し俯き気味なプリンセだが、話を聞くと、レインのようにきれいなハートにならなかったのが悔しいらしい。

さらに撫でながらプリンセをなだめる。


「俺は作ってくれたことが嬉しいからさ。な?」

「……ん。今度は、もっとうまくする……!」


謎の決意が生まれている。

もう、これはあれだな。

俺どうこうよりも自分の中で納得がいっていないのだろう。


本当にバレンタインってなんだろうな。

俺みたいに人に会っていなければなんも関係ないただの1日なのだが、学校とかえぐかったんだろうな。

なくて良かった。

ここでこんないい思いできてるしな。


結論としては、明治許さん。

ここまで読んで頂きありがとうございます!

よければブックマーク、評価、感想お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ