表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦力より戦略。  作者: ハルヒ8128
魔界奔走
384/557

アポなし訪問は無理がすぎる

「まぁ、それは今は置いておこう」


現行犯でならどうにかしようとも思えるが、現段階では何を言ってもどうにもならないだろう。

そんなことより今は自分たちのことだ。


「会いに行くタイミングについては先に連絡とかしなくていいのか?」


偉い人だとアポなし訪問とか印象を悪くするだけ説あるが。


「そうだねー。パパが私が行くって連絡はしてくれているらしいけどねー」

「具体的な日にちは俺たち次第だもんな。まずは守衛さんに話を通すとこからか」


で、何日後に伺いますって伝えるのがいいかな。

それでもかなり適当だけど。


「領主が住んでる街はここからどのくらい離れてる?」

「地図上ではこの辺りになりますので、最速で3日ほどでしょうか」


この世界には天気がないから悪天候で足止めを喰らうこともない。

4日後には着くか。


「目新しい情報も出なくなったから、ここの街に留まる意味はあんまりない。明日には出発しよう。その前に、トロワは俺がすっぽり隠れるフード付きのローブみたいなのを買ってきて欲しい」

「かしこまりました」

「リオンもそれでいいか?」

「そうだねー……」


「{面倒}をありありと出すなって。これから何回連続でこんなのが待ってると思ってるんだよ」

「そんなこと言っても弟君ー……。嫌なものは嫌だよ?」

「それはそうなんだけども。顔には出すなよ?」

「わかってるよー。今だけだよー」


脱力して俺にしなだれかかってくるリオン。

横に何人も座れるソファーに横向きに座っていたわけだが、今はリオンの頭が俺の肩の上にある。

うーん。

鼻腔をくすぐるくすぐるリオンの髪の匂いよ。

男性と女性が同じシャンプーとか使っても同じ匂いにはならないよな。

なんでこんないい匂いするんだろう。


「とにかくだ」


「あー」とか言ってるリオンを押しのけながらまとめる。


「次の街に行ってもまた情報収集はしてもらう。だが、向こうに近づけば近づくほど情報も得やすくなるが、向こうに届きやすくもなるから、くれぐれも無理はしなくていい」


俺たちのことをやり過ごそうとしてくれているなら、それが一番まである。

好意的じゃないのは確定してるんだからな。

だが、何か隙を見せたらそこにつけこんで何かしてくるかもしれない。


「特に3人は深入りしないこと。いざとなったら俺かリオンが出るから。無理はせずに帰ってくること」

「「「はい」」」

「リオンの顔が割れてるってことはないんだよな?」

「ないと思うけどー……」

「ただでさえ、目立つ容貌してるんだから無茶苦茶に動き回るなよ?」

「やだなー。そんな可愛すぎて目立つから気を付けろよなんてー。本当のことを言ってもご褒美なんてないよー?」


なんでこんな時だけしっかり言葉の裏まで汲み取るんだよ。



翌朝、俺は4日ぶりにしっかりと寝ることができ、起きて周りを見回してから戦慄する。

ダブルくらいのサイズのベッドの上。

オーシリアがいるのは当然として、別の部屋で寝ているはずのリオンの姿がそこにはあった。


こいつ……!

どうやって入ってきやがった……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ