表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦力より戦略。  作者: ハルヒ8128
魔界奔走
364/557

隙をさらすな、食われるぞ

「ようこそいらっしゃいました、バンフリオン様。門での様子を見ると、腕はなまっていないようで何よりです」

「そちらもおかわりないようでなによりですー」

「ところで、そちらは?」


挨拶を終えた領主様が俺に視線を向ける。


「弟君です!」

「いや、断言すな!」


俺が自己紹介しようとした出鼻を挫かれ、ツッコミから入ってしまう。


「弟……?」


ほら、領主様が混乱してる!


「リオンの言ってることは気にしないでください。俺はリブレといいます。なんというか、リオンの付き添いのようなものなので気にしないでください」

「わしはオーシリアじゃ。わしは主の所有物なのじゃからなおのこと気にせんでよいぞ」


オーシリアの発言に場の空気が固まる。

え。


「弟君、そんな小さな子を……」

「誤解だ!」


リオンの震える声で俺が置かれた状況を察し、俺を取り押さえるべくジリジリと近づいてきていたメイドさんに注意を向けながら必死に事情を説明する。


そうだった。

アンリさんはなぜかわかってたっぽいが、他の人はオーシリアの正体を知らないんだった。

端から見れば幼女に自分を主とか呼ばせている即刻逮捕(ポリスメン)案件なんだった。

久しいな、この説明するの。


そういえば。


「オーシリア、お前今は杖になれるのか?」

「む? いや、なれないのじゃ。本体はあくまでもあの杖で、それはこっちには来ておらんからの。精神部分のわしだけ来ておる状態じゃから、この姿のままじゃな」


そうだよな。

そうだと思った。

つまり。


オーシリアが本当に杖であることの証明が出来ない。


「リオン、信じてくれよ」

「弟君を信じたいのは山々なんだけどねー。これだけは聞かせてくれる?」

「なんだ?」

「弟君は幼女が好きなの?」

「幼女は慈しむ対象ではあるが、恋愛対象にはなり得ない。ちなみにだが、こいつはこう見えてたぶんリオンより長生きだ」


キッパリと断言する。

何度でも言おう。

俺は、ロリコンでは、ない。


「うーん、なんか微妙な表現だなぁー……」


リオンは一瞬思案顔になるが、すぐにパッと笑顔になる。


「まぁ、いいやー。オーシリアちゃんって何歳なの?」

「む、えっとじやな。少なくとも1000年単位では生きとるんじゃないかの。詳しいことはよくわからんのじゃが」

「そんなに長生きなんだー。凄いねー!」


すぐに切り替えが出来るのがリオンのいいとこだな。

俺からすればリオンの年齢も中々だった気がするが。


「ふむ、興味深い。君の存在に違和感があるのも関係しているのかね?」


なんだそりゃ。

領主様が俺に興味があるような視線を向けている。

{興味}が一番に視えるってことは悪意はないようだし、リオンも友好的な人って言ってたから問題はないんだろうけど。


「すみません。その辺りはお教えすることは出来ないです」


頼る人もほぼいない状況で、ただでさえ装備が欠けている俺が自分の情報を明かすことは悪手だ。

どこから誰に漏れるとも限らないからな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ