それ、どこから学んだ?
「とりあえず撃ちまくれ! 無駄撃ちとかは気にしなくていいから! どうせハンネに頼めば何とかなる!」
「What?」
ハンネがこっちにはないであろう英語を言ったことなど気にしない。
……。
いや、気になりますね!
なんでそんなこと言ってんの!?
とりあえず皆に撃ってもらい、それを観察する。
どうやら、弾はちゃんと届いているようなのだが。
とすると、あの山のトンネルはどうなってるんだ?
「エルメ!」
「うん、わたしも直接見ていたわけではないんだけどね。流石に他の相手で手一杯だったし」
「だけど?」
「感覚的な話をするなら、あれは間違いなく自分であれを掘って出てきたよ。あれがこちら側に着いた瞬間数も増えたからね。幻想級が関係しているのは間違いないだろう?」
「そうだな」
となるとやっぱり幻想級の周りに何らかの吸収する力場があるのだろう。
ただ、銃弾を吸収して、山を吸収できないというのならわかる。
銃弾は幻想級を傷つけようとするものだが、山は別にそういうものではないのだから。
しかし、実際は銃弾は吸収されずダメージを入れれている。
選択肢は2つか。
吸収するまでにある程度の時間が必要なのか。
それとも、鉄というものが吸収に適さないのか。
どちらにしろ付け入る隙であることには変わりはない。
速く、鉄で攻撃すればいいだけなのだから。
これに何が適しているか。
そう、銃である。
ここにきて俺がこれもあったらいいかなと思い付きでやっていたことがはまった。
ただ、ハンネが改造してくれた散弾銃の方は軟弾と呼ばれる柔らかい弾を使っているため、射程が遠いと効果を発揮できない。
よって俺が作った第1型(仮)が主要になるのだが。
「ハンネ。在庫は?」
「……不本意ながら、もうあまりないね」
俺もまさか近づけないとは思っていなかったのでより威力のある第2型(仮)を多く作ってくれと言ってしまったのだ。
これの責任は俺にもある。
だが……。
「俺には作れない。ハンネ、頼めるか?」
「……しょうがないよなー。あたしもそこまで考えられてなかったわけだし。その責任はちゃんと取るよ。どうせ集中したら何も聞こえなくなるから、出来たやつから持って行ってくれ」
そう言って後方へと下がっていった。
「誰かついて行ってくれ。すぐに持ってこれそうだったら、後方要員に頼んで運んでもらってくれ」
「はい!」
兵士さんも走り去っていく。
「その間はどうしますか?」
「魔法を撃っとくしかないな」
今回の騒ぎで回復役達も前線に戻ってきてくれたからな。
攻撃の手は足りてる。
「ケイン、エルメ! 2人で抑えられるよな!」
「当然よ!」
「わはは! 任せておけ!」
「オーシリア! 全部あの2人のところに!」
「任せるのじゃ!」
雑魚の相手は2人に任せて、他の人たちは回復。
俺は幻想級の観察。
「キラ!」
「なんだい?」
真横に現れたキラがにこやかに笑う。
戦場でその笑顔ヤバいな。
もはや狂気だぞ。
だが、それで踏ん切りもつく。
「もう1回突っ込んでくれるか?」




