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環境は性格に関わります

「長の息子さんが認めたそうです」

「そうか、それは良かった。思う存分仕返ししてやってくれ」

あれはエルフで自分に逆らう奴はいないと思ってるからな。

もはや人間にもいないと思ってる節はある。

この前レインという実例が生まれたが、それをどうにかしようと今回のことを企てたわけだろ？

となると他に従わないやつがいるとわかれば大人しくなるだろう。

まぁ、逆効果の可能性もあるが、長に今回のことが知れたからな。

滅多なことでは動けなくなるだろう。

「つきましては、一緒に来ていただけないかと……」

「ほぅ？」

意外な要請だ。

「いくら向こうに非があると言いましても、私たちだけでは押しきられてしまう可能性が無視できません。その時のために、立ち会っていただきたいのです」

「だけど、俺がいると更に面倒なことになると思うぞ？」

「そうでした……」

忘れてたんかい。

「リブレさん、来てくれないの？」

親について来ていた少女たちにも聞かれるが、俺は確実にいない方がいい。

そうだな……。

「レイン、行ってくれるか？」

「僕でも面倒なことになると思いますけど……」

途中から横に座っていたレインに話を振るが、乗り気ではない。

「そりゃ長の息子(あいつ)に会うのは嫌だろうけどさ。俺がいくよりはだいぶマシだろ？」

「それは否定しません」

「エルメにも頼むからさ。関わらなくていいから。強い人が後ろに控えてるだけで下手なことは出来なくなるから。まぁ、それを考えられる知性があいつにあるかは別の話だけどな」

その場合もう力ずくでいいだろう。

「……わたしも行っていい？」

「お？いいけど、どうした？」

「……なんか、戦えそうな気がするから」

「お、おぅ……」

理由が強い。

「じゃあ、俺は留守番しておくから、2人はエルメもつれて行ってきてくれ」

「なんでエルメさんなんですか？キラさんとかじゃダメなんですか？」

「エルメも女性だからな。許せない度合いが違うだろ」

女性のトラブルは女性に任せるのが一番だと思う。

共感度合いが違うからな。

「……なるほど」

「ただ、やり過ぎないようにな？エルメを抑えることも忘れるなよ」

放っておいたらぶちギレて、消し炭が生まれてしまう。

「了解です。じゃあ、行きましょうか」

「よろしくお願いいたします……！」

親御さんたちはレインとプリンセに頭を何度も下げながら立ち去る。

少女たちは去る前に一人ずつ俺にハグしてからついていった。

レインとプリンセから厳しい視線が向けられたが、俺は悪くないよ？

両手をあげて無実をアピールすると、そのまま行ってくれた。

良かった、ヤキいれられるのかと思った。

全員が家を出たのが午前9時頃。

俺はすることがないのでベッドに寝転がり、天井を見上げる。

昔なら、このまま１日を過ごすこともあったが、今は心なしか寂しく感じる。

環境が変わって、俺も人といるのが心地よいと思うようになったのだろうか。