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戦力より戦略。  作者: ハルヒ8128
王の試練
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神様に性格があるのかって面白い問いだよね

ー補助呪文の詠唱省略と呪文の多重使用ですね。可能です。それでよろしいですか?ー


「あぁ、それで頼む」


ー了承しました。ではあなたに【探索スル者(エクスプローラー)】を授けますー


ヘスティアが言うと、俺の体に変化が起こるかなって思ってたけど別に起こらなかった。

え?

これで終わり?


「な、なぁこれでほんとにできてんのか?」


ー今後も二つ名(ダブル)に恥じない活躍を期待していますー


聞けよ!

人の話を!


ーそれと、私に名をくださり、ありがとうございました。できればあなたとはまたお話をしたいものですねー


そう言うと、彼女は周りが華やぐような笑顔で笑う。


ーではまた、会えることを願って……ー


そして出てきたときの同じように虚空に消えた。

いや待って?

俺の疑問にまだ答えてもらってないんだけど?


「リブレさん……。神様にまた話したいとか言われてましたよ!? どれだけ見境がないんですか!」


いや、だからなんで怒られてんの!?


「神様でさえ手玉にとるとはね。流石に恐れ入ったよ」


いや、キラも謎の尊敬を抱かないでくれる?


「おっさん……」


王様まだそれ引きずってたのかよ!



「でも不思議だよ。元々神様は意思だけの存在というのが僕たちの定説だったし。さっきの自我の説明があっても僕らの前に現れるというのは異常だね」


スイッチが入ったのかハンネが実に分かりやすい見解を示してくれる。


「更に言うなら最初の言葉は文体もバラバラで、存在の不明瞭さを示していたのかもしれないね。最後の方はリブレに対して笑いかけてたり、感情表現が強くなっていたような気もする。リブレという自分を認知してくれた人間に対して好意的な存在になろうとしたんじゃないかな?」

「でも俺は呼び名をつけただけだぞ?」

「神様なんてのはそういう僕らにとっては当たり前にあることが当たり前にはなかったりするんだろうよ。その点、自分と対等なように扱ってくれたリブレの対応が嬉しかったんだろうね」


そんなものかなぁー。


まぁ確かにヘスティアには二つ名をもらったお礼も言えなかったし、彼女(?)に聞けば俺がなぜこの世界に来たのか聞けるかも知れないからな。



「そうじゃなぁ。神様があのような嬉しそうな表情をなさるとは。世の中わからんもんじゃ」


ようやくおっさんショックから復活してきたらしい王様が驚嘆したように言う。

あ、話は聞いてたんだ。


「折角神様がヘスティアって名前を気に入ってたんだからみんなもそう呼べばいいのに」

「おそれ多くてそんなこと易々とできませんよ……」


そんなもんかなぁ。



「まぁリブレも二つ名をいただけたことだし今回のことは一件落着といったところかのう?」


王様がまとめにかかる。

あれ?

ちょっと待って?

だーれも俺の能力について触れてこないんだけど。


弱いのがわかってるから触れないであげようってことか!?

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