表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦力より戦略。  作者: ハルヒ8128
レイン捜索作戦
190/557

眠いと気性が荒くなりがち

「幸い、エルフ方から誰かを差し出せなどといった要求はない。よって、侵入しておったのがキラとリブレだということはわかっておらんようじゃ」

「問題はそこなんだよな」


エルフの対応は迅速だった。

俺たちが離脱してからこの城に戻ってくるまでに連絡がきているほどの早さだ。

最早異常なまである。

しかし、その正体が俺たちとはわかっていない。


確かに俺の姿を知ってる奴は少ないだろうが、キラは昔から国に仕えてるし、多少なりとも知名度はあるだろう。

それを含めてもあの場にいたエルフ達はキラを知らなかったということになる。


更に、レインだ。

俺たちの姿を知ってるなんて次元ではなく、下手すればその能力すら知っている。

実際に交戦しているし、真っ先に俺たちを知らないか聞かれるだろう。

実際聞かれてたっぽいし。

それで、なにも言っていないというのが不可解だ。

戦ってる時はあんなにガチで殺しにきてたのに。


「あぁ! もう! わからん!」


レインが何を思って俺たちの名前を出さなかったのか、だと!?

圧倒的に情報がない!

「俺たちを守りたいから」みたいな俺たちに都合のいい理由しか浮かばん!

ま、いいや、今は。



「で、こっちはなんか変わったことあったか」

「特にはない。避難も順調。国に残り、戦うかの意思の確認も進めておる。これ以上ないほど順調と言って差し支えないじゃろうな」

「そうか」


まぁ、そうだろうな。

こういう時に他の大きな事態が起こるのはフィクションだからだ。

実際にはこんな時にそのような事態は起こったりしない。

そんなことよりすることがあるからだ。


「となると、今の俺たちに出来ることはないな?」

「そうなるのう。ハンネの解析を待つのが良いじゃろう」

「ってことは今日はもう帰っていいか?」

「う、うむ、やけに急ぐのはなぜじゃ?」

「しんどいからだよ!」


深夜の強行軍からロクに休憩もとらずにレインと戦ってきてるんだぞ!

やってられるか!

MPももう尽きてるんだよ!

最後に!

眠いんだよ!


「うむ、今日は帰ってもらって構わんぞ」

「よし、帰ろう! 今すぐ帰ろう!」


日中だが知ったことか!

寝たいときに寝るんだよ!



しかし、帰るにしろ人目を避けて帰らねばならない。

なんでこんな芸能人みたいな生活してんの。

どっちかと言えば犯罪者か。


「キラ、あのローブ貸してくれ。で、この鎧返すわ」

「いいけど、その鎧はまた使うことになるんじゃないかな」

「それでも預かっておいてくれ。そもそも国のだろ?」


邪魔だし。


「わかったよ。じゃあこれは戻しておくね」

「頼んだ」


帰ろう。



俺はローブに身を包み、普通にいたらまず間違いなく職務質問(じあん)になる格好で家に帰る。

ほんと、悲しくなってくるな。


「ただいまー……」


やっとの思いで家に帰り着く。

恰好が怪しかったからけっこうな視線にさらされたな……。

あれでもまだましな方ってのを考えると気が滅入るな……。


「おかえりなさい!」

「うっ!?」


ちっさい塊がお腹の辺りに突っ込んできた。


「良かった……。どこも怪我してない?」

「うん、強いて言えば今したかな……。ただいま」


プリンセの頭を撫でながらもう一度ただいまを言い直す。

1日帰りが遅くなったからな。

心配していたんだろう。

それでも突撃(かちこみ)しないあたりやっぱりエイグより優秀だな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ