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戦力より戦略。  作者: ハルヒ8128
杖の真価
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地下の空気孔はどこにあるんだろうね

「リヴィ・バインド」

相手に認識されてないのをいいことにとりあえず捕縛する。ゾンビっていうのは動きが遅いわりに体力と力の強さが特徴っていうイメージがあるからな。ただのツタでしかないリヴィ・バインドでは若干の不安はあるので、かなり多めに縛っておいた。これは初期魔法だけあってMPの減りも少ないしな。


で、ここに火をつけてみる。少しみずみずしいタイプのツタなのであまり燃えない。

ダメか…。できればここから火が向こうまでつたっていって欲しかったんだけどな。そうも言ってられないし。

恐る恐る近づいてゾンビの衣服の一部に火をつける。

このゾンビってちゃんとエネミーだよな?実は噛まれた人間がなってますとかじゃないよな?

しっかりと服を着てるのが違和感が凄い。裸で襲ってこられても違う恐怖を感じるだけなのでなんとも言えないが。


火がついたのはいいものの、油のように燃えるのを促進させるものがないので燃え広がらない。

てか今気づいたけどここの中の酸素大丈夫だよな?完璧に密閉されてたりして酸素使い切っちゃったら酸欠でお陀仏とかさすがにないよな?

そう考えるとこういうダンジョンの中の酸素供給ってどうなってるんだろう。普通こんな奥にきたら空気孔とかがない限り酸素がなくなるだろうし、ボスが管理してるようなダンジョンの場合そんな気を回す必要性がどこにもない。そりゃエネミーも酸素がなかったら死んじゃうならしょうがないだろうが、幽霊みたいなのは言わずもがな、ゾンビも呼吸を必要とはしないんじゃないか?

そう考えるとここで普通に呼吸ができているのはやはりヘスティアさんのご厚意ということになるのだろうか。


燃え広がるのを眺めてる間にそのようなことを考える。

急がないといけないのにこんなにのんびりしてていいのだろうか。

ブチブチッ。

ツタが切れる音が聞こえ、燃えながら倒れていたゾンビが起き上がる。

あ、削り切れてなかったか。


のんきに眺めていたらゾンビがこちらに向かって猛然とダッシュしだした。

「いや、はっや!!」

100メートル走14秒くらいで走ってないか!?そのボロボロの筋肉でどうやってまず走ってるんだよ!?

とりあえず俺も背をむけて一目散に逃げる。

「これ追い付かれたらやばいよなぁ!!」

実際はあの動きをするゾンビ相手に接近戦をしなきゃなわけだからやばいどころじゃないが。


ディレクト・シフト!!

逃げながら頭の中でゾンビの足に向けて魔法をかける。

しかし、後ろ向きなので当たったかどうかもわからず、とりあえずそのまま逃げる。

「はぁっ、はぁっ」

入口辺りまで戻ってきてやっと後ろを振り返るとそこにゾンビの姿はなかった。

「流石にか…。助かった…」

あんなのがゴロゴロしてるとなるとここから生きて帰れるかいよいよ怪しくなってこないか?


息を整えてから静かに逃げてきた道を進んでみる。

これでどういう状況になってるのかによってはほんとにキラとケインとの実戦の方がマシかもしれん。

「ん?」

バタバタしてる音が聞こえるので恐る恐るスルー・アイで曲がり角を曲がることなく様子を確認してみる。

そこにはこけても走ろうとしているゾンビの姿があった。

見つけたら走って追いかけろっていうアルゴリズムしかないのかな?

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