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第十三話 枯骸焚躯

「────────!!?」


 衝撃に四方から圧され、グンカは吹き飛んだ。地を数度跳ね、転がり、滑り、止まった。胴体と頭はかろうじてくっついている。眼前にぼとんと落ちてきた右腕が握りしめる大太刀を、左腕でどうにか掴み、それを地に突き立て、どうにか立ち上がった。

 草原を埋め尽くしていた白の異形たちが、一斉に爆発したのだ。千々に弾け飛んだ肉片の最中に悠然と佇むあの着物女の呪符により──

 草原に咲いていた極彩の花々は吹き飛ばされ、荒れ地のごとき様相。

 ただひとつ、小屋のみがそれまでと変わらぬ風に建っている。


「おや、全てが終わったと思いましたのに……」


 心外とばかりに、着物女は小屋を見る。


「ならば、もう一度」


 再び不可視の波動が虚空を駆け、荒れ地を埋め尽くす白の異形達が現われる。それらは皆、小屋へと張り付くように動き始めた。

 グンカの損傷は深刻だった。

 右腕は捥げ落ち、両足は割れ始めている。腹は抉れ、白く枯れたその身は終わろうとしている。確かに、終わろうとしている。

 

「ォ────」


 だが、それでも。


「────────ォァァァアアアアアア!!」


 イラを守ると決めたのだ。

 彼女の娘を守ると約束したのだ。

 この身に如何な終わりが訪れようとも。

 二つ目の約束を、全身全霊でもって果たさなければならない。

 あの少女がどんな姿を持っていようとも──彼女に罪はない。彼女たちに罪はなかった。罪を持つのは、自覚ある奴らだけだ。そいつらをこそ、殺し亡ぼしてやろう、我が怒りの続く限りに────!


 内燃し続ける怒りの炎は、そんな枯木の想いに呼応した。

 もはや古きに枯れ朽ちた骸の青年は炎を纏い、小屋を覆う白の異形たちへ突貫する。総ては、あの小さな少女を守るために──枯骸は焚躯し、その死は確定した。

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