登場人物紹介
ややこしくてすいません。
国巻高校
長年2つのフットサル同好会しかなかったが、5年前に2つの同好会を合併してサッカー部を創部する。初代監督の岡山の采配もあってそのまま県大会ベスト8に進むと「奇跡のイレブン」と県内で賞賛されるようになる。しかし、岡山監督が大剛高校に引き抜かれて以降はベスト8に食い込むことも出来なくなり、大嶺が監督となった4年目は初戦敗退を繰り返すほどに低迷してしまう。
今年度は大嶺と共に「奇跡のイレブン」のメンバーだった美津田が指揮を執り、国巻高校復活を狙う。
美津田貴文 監督
創部1年目で県大会ベストエイトまで進んだ「奇跡のイレブン」のメンバー。普段口数は少ないが、伝えたいことは相手にしっかりと伝えるのを心情としている。
前年度監督だった大嶺から直に「監督になって欲しい」と頼まれ、これを二つ返事で了承している。メンタリティとクオリティの両立を、サッカーに取り入れる手段として、選手の意見交換をモットーとしており、嘗てソクラテスが用いた【問答法】をあらゆる確認に用いよろうとする。それはボールを使わないでミニゲームをしたり、3年生全員をキャプテンにするなど、いささか奇抜である。
高校卒業後は現役で県立大学に一般入試で合格しており、「違う意味でイレブン最高の逸材」と当時はからかわれていた。
その無愛想で寡黙な姿と、自信を持っての発言や戦術論から、選手からの評判は二分されている(特に木村は美津田を嫌っている)。
シトラス系飲料の『レモリヤ』に目が無い。一応主役。
久保新太 3年生 FW
国巻の点取り屋として君臨したがっているが、シュート精度が低く、一瞬のスピードやフィジカルの高さを発揮しきれていない。
その精度の低さに後ろめたさは持っておらず、「次は!」という決め台詞を言い続けることで、他メンバーから「応援したくなる存在」とされている。
サッカーを始めたきっかけは、本校OBの滝沢への憧れから。
中林隼人 3年生 右SB
容姿に多少自信があり、若干自惚れ屋の面がある。それが性格にも反映され、本人の意思以上に「よくみられたくてやっているのでは?」と周りから思われてしまっている不憫な存在。足の速さは普通だが、右足の精度は高い。スタミナ面に課題がある。
竹下淳平 3年生 右SMF
揉め事やトラブルを嫌い、少し離れた位置から物事を考えたがる気質がある。しかし、時にはそれがチームを正しく導いていることに、本人はあまり気付いていない。練習ではいいプレーが出来てもあがり性のため、試合で力を出し切れない。
木村丈道 3年生 CB
口数は少ないほうだが、冷静な判断力があり、思ったことははっきりと言える。そのため、木村が発言すると、周りは少し身構える傾向がある。背が180センチと大きいが、短足なのをコンプレックスとしており、そのことでイジラれるとすぐにキレる。大下とは小学校の仲で、気兼ねなく喋ることが出来る。美津田をメンバー全員の中で一番嫌っている。
大下泉 3年生 左SMF
小学校3年生の時、木村と同じクラスになり、気のあった木村についていく形でサッカーを始める。
木村の考えを一番理解出来る存在ではあるが、それは副作用として木村の考えに従えばいいという気質も見え隠れしている。テクニックはメンバー全体で一番低いが、やる気は反比例してとてもある。
望月明那 3年生 DMF
前監督大嶺への不信感が募り、練習に来なくなった幽霊部員。広い視野と精度の高いパスで試合をコントロールするゲームメイカーである。兄薫が「奇跡のイレブン」時代に国巻高校サッカー部に在籍しており、現監督の美津田とは顔馴染み。美津田や中林の説得により、サッカー部復帰を果たす。
松田敏明 2年生 DMF
テクニックはチームで一番あるが、それに溺れていらないプレーをしてボールを失うこともチラホラ。
坂田裕也 2年生 GK
3年生GKが退部したため、2年生で正GKをすることになったが、反射神経が鈍くキャッチや判断のミスが多い。186センチとチームで一番の身長にかかわらず、松田や中林などからは「頼もしくない」などとよくからかわれている。兄がサッカー経験者(同じGK)で、その背中に憧れてゴールキーパーを希望した。
綾篠裕輔 2年生 左SB
SBとしていぶし銀の守備をこなすが、あまり攻撃参加をしない。
1年生の時、若宮の友人に告白しようとしたことがある。
須賀元気 2年生 MF全般
テクニックがボチボチで、スピードもフィジカルもまぁまぁある国巻高校随一の器用貧乏。本人もそのことを自覚しており、走り回ってボールを追いかけるプレーを心情としている汗かき屋。松田や中林と違い、直向にサッカーに打ち込もうとする坂田を選手として認めている。
小鳥遊正人 2年生 DMF&CB
日本珍しい苗字ランキングに入っている程の希少な苗字で、初対面の人物の多くが「コトリアソビ」と読み間違える。始めはそれを嫌がっていたが、最近は慣れだした。前監督の大嶺の振る舞いに嫌気が差し幽霊部員となっていたが、若宮の説得により復帰する。守備リスクを読み取る能力が高く、その才能を高く評価している美津田の指示でCBにコンバートされた。
片部真之介 2年生 FW
上背はそれほどだが、下半身がしっかりしており、ポストプレーを得意としている。しかし、そこからの展開力に課題が多く、チャンスを生かしきれない自分の技量に苛立ちすら感じていた。美津田の登場をフォワードとしての転機と考えていたが・・・。
柿崎早雄 2年生 CB&両SB
本職のCBに自分が出されずボランチの小鳥遊やSMFの大下らが出場し、ついには1年生の鈴木がレギュラーになったことから美津田に対して強い憤りを持っていた。しかし、とある試合をきっかけに自身のラインコントロール能力の低さを痛感してからは、レギュラー陣を尊敬するようになる。
五条光 2年生 両SMF
レギュラーの竹下や大下よりも技量は高いと認識しており、控えに甘える現状に憤りを感じていた。しかし、とある大会をきっかけにレギュラー陣の精神力を尊敬するようになる。
鈴木泰河 1年生 CB&左SB
弱小の大野中で3年間1度も勝つことなくそのまま卒業した悲運のセンターバック。自分だけの長所を手に入れることが勝利に繋がると盲信し、ひたすら左足でのロングキックを練習し続けた。しかしその結果左右のボディバランスが崩れかけている。美津田に「右も使え」と弱点を見抜かれ、目下右足の精度を上げようと奮闘中。
高井俊一 1年生 右WB&右WG
50メートルを5秒台で走る俊足の持ち主。しかし、トップスピード時のボールコントロールが全く出来ず、強豪の市井第二中では3年間補欠止まりだった。本人はこのボールスキルと150センチ中盤の身長をコンプレックスとしているが、自分のスピードを素直に評価し「足を引っ張るなどと二度と言うな」と叱責してくれた美津田を尊敬している。
園崎健 1年生 右SB&GK
サッカー未経験者であるが、勧誘してきた若宮に一目ぼれし、サッカー部に入部する。
中学時代陸上部に所属しており、スピードとスタミナには自信がある。本作では主にコミカル担当。
長井勇 1年生 DMF&CB
小学校3年から中学2年までサッカーをしていた。己の技量の低さを痛感し一度サッカーを辞めたが、勧誘してきた若宮の容姿と美津田の練習法に感銘を受けて入部する。
森野新一郎 1年生 FW&OMF
小学校の6年間サッカーをしていたが、進学先の中学校にサッカー部が無かったため、3年間のブランクがある。一つひとつの動きが大きく、相手のマークを中々外せないのが欠点だったが・・・。
若宮志保 2年生 マネージャー
交際相手が澱前高校サッカー部の香田であり、自分とろくに遊ばず「サッカーと私とどっちが大事!?」と尋ねたところ、あっさりとサッカーを選択され破局。「マネージャーになって勝って見返す!」を理由に「奇跡のイレブン」と言われたのが5年も前とも知らず、国巻高校サッカー部マネージャーを希望した。容姿は端麗で、「その残酷なまでの正直さが無ければ最高!」とメンバーによく言われている。
肌が弱いため、あなり化粧をしたがらない。ちなみに、サッカーに関してはド素人。
南部正樹 2年生 マネージャー
肥満気味の体格が示すように、サッカーの経験はゼロである。しかし、毎節欧州の試合を観戦する中で、選手のデータ収集や特徴を見抜く力を培う。進学校を受験したものの不合格となった。実は国巻高校は滑り止め。中学時代にはイジメを経験したこともある。
大嶺篤士 前監督
「奇跡のイレブン」の中心的存在であり、前任監督の突然の辞任により、急遽監督を務めた。しかし、気持ちを前面に押し出したプレースタイルや練習が試合に反映されず、選手達と大きな亀裂を作ったまま、逃げるように監督を辞職する。美津田とは現役時代あまり仲良くはなかったが、「しっかりとしたビジョンの持ち主」と認めており、彼に次期監督を頼んだ。
星飛馬 サッカー部OB DMF
国巻高校サッカー部が創部して三年目のキャプテン。尊敬していた岡山が突如監督を辞任し、不本意ながらキャプテン兼監督となった。彼が牽引した時代の国巻は暗黒期を迎え、成績は地区大会予選での敗退を繰り返すものだったが、熱いハートと面倒見の良さから後輩からの信頼は非常に厚い。嘗て敬愛していた岡山に対しては、深い憎しみを抱いている。
滝沢和義 サッカー部OB OMF&FW
国巻高校サッカー部が創部した年に県予選で得点王になる。「奇跡のイレブン」のレジェンド。
川村浩次 滝沢チーム所属 CB
小学校から高校2年までサッカーをしていたが、チームとの衝突から退部した。サッカーを捨てた身だが、高校時代雲の上のだった滝沢から声をかけられ、大学2年生にて再びスパイクを履く。
大剛高校
開校してからまだ10年経たないが、進学校の仲間入りを果たすなど教師の質は高い。文武両道をモットーにしており、サッカー部も国巻高校から岡山優飛を指導者として引き抜いて躍進を狙う。
岡山優飛
国巻高校「奇跡のイレブン」時代の監督。物腰が柔らかく、虚弱な体格からおよそスポーツ指導者には見られない。守備者が1人の「1バックシステム」を基本フォーメーションとしている。この采配が国巻時代の躍進に繋がったが、美津田は「勝ったのも負けたのもあの采配のせい」と述べており、選手達から賛否両論あったフォーメーションであったことが伺える。
ラファエル佐々岡 1年生 SW
ガーナ人の父と日本人の母を持つ混血児。日本で生まれて日本で育ってきたが、幼少期から白い目で見られることが多く、常に相手の様子を伺う性格になってしまう。母の勧めで始めたサッカーに喜びを感じ、プレーを生きがいにしている。中学時代までGKだった。スタミナ面が課題。
秦原諫都 2年生 CB&DMF
攻撃の芽を摘むことに長けたクラッシャータイプ。大剛の心臓。メンタル面が課題。
花野江大学付属高校
嘗ては女子高だったが20年前に共学になった私立高校。十数年前に創設されたサッカー部は現監督の下、8年かけて県内有数の名門校になった。
高橋秀則 1年生 FW
昨年Uー15日本代表にも選ばれた天才児。ドリブルテクニックは一般高校生にとっては別次元のレベルである。「天才」「違う世界にいる」など自酔した発言目立ち絶対に自身の技量を謙遜をしない。これは幼少期に、虚弱体質と持病の喘息が合間ってのスタミナの低さを、努力で克服した自分への賞賛であり、「今日の自分を貶すのは、昨日までの努力した自分に失礼」とよく口にしている。ドリブルパターンを全て擬音語で表現するクセと、集中すると独り言をよくいう癖がある。またレギュラーでないチームメイトの名前を覚えようとせず、自身で勝手に決めたあだ名で呼ぶことがある。中学2年生時から、自分の得点した場面を全て記憶している。
県立澱前高校
一昔前はベスト4入りまでよく行っていた古豪。サイド攻撃を軸としている。
香田真一 2年生 SB
高いフィジカルとキック力を兼ね備えた攻撃的SBで、現澱前高校の攻撃の軸。視野も広い。国巻高校の若宮と付き合っていたが、サッカーに専念しすぎて振られてしまう。先述の通り鍛え抜かれた肉体を持ち、腹筋は綺麗に6つに割れている。それは若宮をして「最高なのは体」と言わしめたほどだ。園崎曰く「顔は大した事無い」らしいが、意外と女たらし。
桜台東高校
嘗ては県内最強だったが5年前、創部したての国巻高校に敗れたことと、花野江高校の躍進によってその称号を剥奪される。国巻高校に対しては、校内に一貫した敵対心が芽生えている。
出羽幸助 1年生 CMF
共感覚という特異な能力を持っている天才ミッドフィルダー。広い視野と正確なボールコントロールを兼ね備えてもいることから、和製シャビと呼ばれている。各年代の日本代表を経験し、エリート街道を順当に進んでいたが、国巻との戦いをへて心境が大きく変化する。
木浦友和 3年生 CB
荒い守備がウリのセンターバック。その狡猾な守備は諸刃の剣にも・・・。
諸星大輔 2年生 FW
瞬足を武器にするフォワード。裏への抜け出しが上手いが、出羽からのスルーパスが中々来ないので試合中はフラストレーションが溜まることが多い。
副島源 コーチ
美津田ら『奇跡のイレブン』時代の国巻に敗れた当時、サブメンバーの3年生だった桜台東のOB。
国巻高校に対して深いライバル心を抱いている。
海浜高校
毎年ベスト8前後の成績を残す古豪。
朝比奈春男
現海浜高校サッカー部監督。大学時代に選手として名を残し、独学でドイツでコーチライセンスを取得したという当時では異端の存在。Jリーグ監督経験もある。キャリアだけなら県内トップクラスの指導者であったが、オーナー等に振り回されたこともあってJ監督時代の成績は振るわず、そのまま高校サッカー界に逃げるように赴任したため、世間からの評判は芳しくない。それでも県立大学でスポーツ科学の講師やサッカー部アドバイザーをするなど、一部からは未だ高い評価を受けている。今年度は〇〇県国体代表監督も兼任している。自分の指導法に限界を感じていた矢先、大学入学したての美津田から斬新な練習法を享受されたことで、自身の指導スタイルを一新する。バツイチで、美津田と因縁関係にある大剛高校監督の岡山優飛は実子。
Cユナイテッド
県内に2つ存在するJリーグクラブの一つ。歴史は国内屈指だが、現在トップチームはJ2におり、県内ライバルのKレイスに一歩出遅れている。
Kレイス
県内に存在するもう一つのJクラブ。近年トップチームがJリーグ制覇を成し遂げたこともあり、レベルはCユナイテッドに勝ると自負している選手がユースには多い。
その他
里崎 新聞記者
常に『当たり』の記事を探す野心家の記者。岡山監督の考えが手に取るように判る数少ない人物。
澤野内 専門誌記者
嘗て里崎のアシスタントだったが、話題性ばかりを重視する里崎に嫌気がさし、サッカー専門誌記者に転校する。里崎にとって数少ない苦手な人物である美津田を特集しようと国巻の取材をする。しかし、その奇抜な練習の真意に気づき、国巻の未来に大きな期待を寄せる。
発掘次第、更新します。