ルシファー皇帝の独り言
太陽系内惑星のテラフォーミングおよび移住に関する考察
太陽系の地球型惑星は、水星・金星・地球・火星の4つである。
水星は、太陽に近すぎるのと質量が一番小さい事で住むには不向きである。
火星は、質量が水星の倍はあるが、まだ地球と比べると小さいので、重力が小さく大気が薄い。住むなら地下都市ということになる。
本命はやはり金星である。金星は地球をホンの一回り小さくした位で重力も地球と比べると0.9Gほどで、大きさ質量共に地球の兄弟星といって良い。だが大気のほとんどを二酸化炭素がしめ、厚く覆われている事から大気中の温度は摂氏500度にも達する。鉛が溶ける温度だよ諸君。
すぐに施設などを作って基地化できるのは火星だが、テラフォーミングを行うとしたら現実的なのは矢張り金星である。
他の巨大惑星は、ガスジャイアントや水と氷の惑星であり、資源開発には使えても直接可住するのは不可能に近いと思われる。
金星をテラフォーミングするにあたって、どうして金星が現在の状態に在るのかを考えてみた。
原始太陽系で各惑星の質量や座標が決定していく段階で、地球と金星は殆ど同じ組成・質量を持つ兄弟惑星だった。だからここで起きた一つの事件がなかったら、地球も金星のように暑過ぎて生物の居ない惑星になっていたかもしれないし、また逆の立場になっていた可能性もある。
その事件とは、地球と金星への小惑星または巨大彗星の衝突である。
この時、まだ熱くドロドロに溶けていた地球は、速い回転を与えられ、衝突で弾けとんだ大地が月と成り地球の衛星と成ったとされている。
それじゃ金星はどうなったか・・・自転軸が反転し太陽系で唯一公転とは逆回転を行い、自転周期は116日もかかっている。(恒星日・逆行で換算すると243日)
各惑星はそれぞれ自転と公転を繰り返しているが、地球の自転は既にこの時から始まり、
月という錘も手伝ってジャイロスコープの様にそのエネルギーが保存された。
ここで大事なのが、ほぼ同じだった物が在る時を境に全く違う物になってしまった事である。一つは緑あふれる命の惑星。もう一つは熱すぎておよそ生物が居るとは思えない惑星である。
そう、二つの惑星で大きく違っているのはその自転軸と自転周期であり、地球のそれが産み出す地磁気に他ならない。地球と金星はともにその主成分が鉄であり、地球は自転することで巨大な電磁石となり磁場を発生させている。しかし金星は自転周期が遅く他の惑星と違って自転軸も逆転していることから地磁気が殆ど無い惑星となってしまった。
地磁気が弱いということは、惑星を取り巻く磁場が無く、地球で言う処のバンアレン帯なども造られなかった事から有害な放射線とくに太陽風などに晒され続けることになる。
太陽風に晒されている事で、大気中の水素など軽い元素は宇宙空間に吹きちらされ、二酸化炭素や窒素など重い大気のみが残ったと考察されている。
地球に生命が誕生するときの母ともなる海も、水が有るからこそ其の役割を果たす事が出来たが、金星には水の元となる水素が極端に少ない。現在の研究から原始太陽系の地球と金星は、その大気成分もほとんど同じであったとされている。
ここまでの説明で頭の良い読者の皆さんには、既に解かったと思われるが、金星のテラフォーミングとは、自転周期の地球化と水の補給に他ならない。
金星に太陽風に負けない磁場を発生させる為の自転と、惑星大気を冷やし海を発生させられる程の水か又は水素を補うことが出来れば、金星を地球のような惑星にすることは、不可能ではないということである。
我々は、重力制御技術を実用化した。<---ここ大事!
なら惑星の自転くらい変えられるだろ!?。
水は、氷の惑星から持ってくれば好いジャン!。
輸送は如何するかって?・・・・其の為のワームホール技術だろって話だよ。
あとは、実践して人が住めるようになるのに、何年かかるかだろうね。
実際のところ、10年くらいを目標にしているけど、こればっかりはやって見ないと解かんないよな~。
・・・ルシファー皇帝の独り言より・・・