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レインキス  作者: 七瀬 夏葵
第二章「加速する想い」
20/75

Act.19「告白」

※病気・医療・ドナーに関する描写は現実と異なる場合がございます。

恐れ入りますが、予めご了承の上お読み頂けますよう宜しくお願い致します。

「あ、あんた・・・・」


わなわなと身体を震わせる彼女に、俺はこれ以上ないくらいの笑顔で言った。


「こらこら。俺の事はお兄ちゃんと呼べと言ったでしょ」


「あ、兄があんな事するかーーー!?」


彼女の叫びに、俺は至極当然、というように返した。


「だって、血は繋がってないんだし。問題ないでしょ?」


「そ・・・・」


「そ?」


「そんな理屈、あってたまるかーーーー!!」


最早我慢の限界、とばかりに叫びまくる彼女に、俺はごく冷静に笑顔を浮かべた。


「だって、お前の事好きになっちゃったんだから、仕方ないだろ」


その言葉に、彼女が目を点にしてフリーズした。


「・・・・・今、なんて?」


「いや、だから、仕方ないだろ」


「その前っ!!」


「好きになっちゃったんだから」


けろっとして言う俺に、彼女は先程までの怒りが嘘のように、にっこりと笑顔を浮かべて尋ねた。


「好きになっちゃったって・・・・誰を?」


「お前を」


「誰が?」


「俺が」


すると彼女は、しばらくその固い笑顔のまま沈黙し、やがておずおずと口を開いた。


「あの・・・・笹宮さん?」


「いや、だから俺の事はお兄ちゃんと―――」


「そんな事はこの際どうでもいい!誰が誰を好きだって!?」


「いや、だから、俺がお前を」


「えぇぇぇーーーー!?」


静かな駐車場内に、彼女の叫び声が響き渡った。

雨はもう、小降りになり始めていた。


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