22頁 好き結界
『汽車は廃線の上を走っていた』
汽車は廃線の上を走っていた。
やばい状況なのは理解できた。
でもその想念が僕を離さなかった。
ギリギリまで、ふぅ。
『目が綺麗な人 上』
どうせ嫌われ者の僕が泣いたって、誰も気にしない。
僕は速足で街を歩きぬけた。
街外れで「ほらね」と囁いたのは敵?
『目が綺麗な人 下』
「あの子はお前の唯一の味方だ。必ず手に入れろ!」
目が綺麗な人にそう言われた日、僕はあの子に告白したらしい?!
『時代は運だからね』
式紙によって敵は冷凍仮死状態に置かれた。
「百年後に解凍されるのは幸せと言える?」
「時代は運だからね解らない」
『36色の色鉛筆で描いた未来』
買って貰った36色の色鉛筆で、
ありふれた幸せを描いて箱に仕舞った。
願う事を知らなかったのでじっと見つめてた。
『好き結界 上』
「好き結界を作ってるの」
少女はお気に入りのグッズを慎重に置き換えた。
僕にも好き結界が出来た瞬間を理解できた。
『好き結界 下』
「好き結界が出来るとね、嫌いなものは近づけなくなるんだよ」
少女は言った。
ん!少なくとも僕は嫌われてはいない?
『僕に似た見知らぬ子』
僕に似た見知らぬ子が美しい人を指して
「あの人が僕のママだよ、パパ」
と僕の耳元で囁いた。
そして僕らは不意に視線を交わした。
『隣の少女の家の人形で』
僕の意識は子どもの頃に隣の家の少女の家の人形で、
遊んでいた頃に戻っていた。
「ここに戻ったの?」
「進んでない」
『謎が解けて』
謎が解けてありふれた人になった僕を見て、優しく微笑んで、抱きしめたら、そりゃあ泣くよ。
そんな君の香りを忘れない。




