10頁 ここは特異点
『ここは特異点』
ここは特異点。
何の法則も通じない。
だからこそ僕は「好きだ!」と叫べた。
逆に特異点でなくては叫べなかった弱さ。
『暗いカフェ』
深海魚が気づくと人間になってて焦った。
「こっちだ!」声の方へ走り暗いカフェに入った。
そしてその闇に安堵した。
『2回転半』
2回転半回転した恋人を抱きしめた。
この位置で2回転半した時に、
僕らのラッキーイベントが出現する仕組みらしい。
『未知の世界で』
未知の世界に踏み込んでしまった不安感が、
僕の心に満ちたけど、
僕以上に僕を未知の存在として見てた君に時めいた。
『愛が重い』
「愛が重い」
我を拘束する彼女の重い愛情。
しかしこの重さこそ!
我がピアノの音に重厚さをもたらす。
ああ良い音だ。
『それを知った恋人は』
その日、恋人がド変態だと知った。
でもその愛の渦の中から、抜け出す術などなかった。
それを知った恋人は微笑んだ。
『君の隣で』
知らない異世界の知らない異人と、
気楽に話せる彼女の隣で、黙り込んでたけど
「君がいるから出来るんだよ」と、嬉。
『教科書みせて』
「あれを突破すれば!」
騎馬武者は敵の僅かな隙に突撃した!
そんな気持ちで
「教科書みせて」
と隣の想い人に聞いてみた。
『銀河帝国皇帝の少女』
古びた路地裏の住居兼店舗に、
銀河帝国皇帝はいた。
「お忍び?」
「ただの里帰りだよ」
銀河系で最も出世した少女だ。
『貴方は人?』
その人は、人ではない違和感を感じた。
それでも『貴方は人?』とは聞けない。
なのに逆に「貴方は人?」と聞かれた。




