1頁 いったいどうやって?
『いったいどうやって?』
A市に、入る道はない。
もちろん、A市から、出る道もない。
なのに・・なのにね、
ぼくらがA市にいるという不思議。
『このままでいいや』
光学迷彩で消えて「悪くはない」
と思っていたけど、そのうち
「このままでいいや」
と、思うようになってね。以降・・・
『昨日の10時半ぐらいに好きになった人』
昨日の10時半ぐらいに好きになった人と、
今日の10時半ぐらいに、
視線を交わしたのは、5秒ほど。
これは長いね。
『女子をめぐった決闘』
親友と女子を巡って決闘した。
「あれ?あいつ、わざと負けた?」
そんな思惑が、心からいつまでたっても消えない。
『愛を隠したであろう箱』
彼女が、愛を隠したであろう箱を開けると、
そこには純愛ではなく愛憎が仕舞われていた。
愛憎。わたしの心は凍った。
『遠回りと近道』
遠回りして出会った貴方と、
近道して出会った貴方が、
別人に見えるのは、
わたしが別人になったからだと、
思われる。
『赤煉瓦のトンネル内で貰った恋文』
赤煉瓦のトンネル内で貰った恋文。
開ける事なく十年。
「開けたら別れる」と告げられ。
秘密の詰まった恋文に時めく。
『愛い奴め』
その式神は「我は影、故に我は貴女の闇を知る」と。
わたしが心の闇に潜むあれを思うと、影は照れ始めた。
愛い奴め。
『蜜柑ジュースの川に』
蜜柑ジュースの川に素麺が流れて来た。
「世界が壊れた」少女は言ったが、
僕は素麺を食べその壊れた世界に順応した。
『好意と悪意』
鏡の世界に入ったのだけれども、
表面上は変わんない。
でも裏では好意が悪意に悪意が好意に、
変わってたの。いと楽し♪




