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影を纏う転生者 〜平凡な高校生の異世界人生録〜  作者: 仮想猫
影纏の術師編 〜ドラマルト〜
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59話 集大成

事件から1ヶ月がたった。

学校はまだ復興途中である。

しかし、それは始まった。


「今年は大変でしたが、始めたいと思います。これよりサークル研究発表会を開催します!」


今日は年に1度のサークル研究発表会である。

復興途中ではあるが、「サークルの活動を無駄にはしない」というジルさんの考えにより、今年も予定通り開催されることになった。

「まず初めに…光魔術研究会の皆さん。お願いします」

そして去年と同じく、発表会が始まった。

が、去年と違い、今年の影魔術研究会のメンバーは静かだった。

緊張しているようだ。

そう…

今年は俺達のサークルも発表するのである。






「では、続いてのサークルに参りましょう」

発表会が始まり3時間がたった。

次の発表が午前枠の最後となる。

「続いて、異能眼研究会の皆さん。お願いします」

ここで「異能眼研究会」の番が来た。

前回の1位だ。

「お前ら、しっかり見ておけよ。1位を取りたいなら、ここに勝たなきゃいけないんだからな」

「「「「「「はい…」」」」」」

小声だが、全員が返事をした。

「では、これから発表を始めます。まず最初に…」

こうして、「異能眼研究会」の発表が始まった。

と、始まった瞬間、彼らからの言葉に衝撃を受けた。


「今回の発見は1つ。それは…異能眼の起源についてです」


「「「「「「…!?」」」」」」


「何!?」


驚いた。

確かに、この発表会での発表はあくまで研究内容ではあるが、このサークルは過去1度も、歴史についてなど研究していない。

ほとんどが「これには〇〇の性質があることが分かりました」や「〇〇という眼は〇〇という特性があります」といったような性質と特性の発表しかしてこなかったのだ。

それを聞いた瞬間、全員の視線が釘付けになった。

「異能眼の起源…それは…」

「………」



「模倣眼です!」



「「「「「「え!?」」」」」」


「は!?」


俺はさらに驚いた。

自分の眼が異能眼の始祖と言われたことに。

「厳密に言うと、模倣眼の始祖、最初の初期段階の模倣眼が異能眼の始祖だったことが分かりました。研究によると、模倣眼が視界に捉えた様々な情報、環境、現象、イメージが模倣眼の持ち主の子孫に移り、その後に「異能眼」として現れたということです。そして…」

あまりのインパクトの強さに、その後の説明が耳に入らなかった。

だが、これでなんとなく分かった。

この研究会は…勝つことを確信してこの話題を出したということが…

さて…俺らはどうなるか…






昼を挟み、午後の発表が始まり2時間が過ぎた。

「それでは、いよいよ最後の組です」

その時が、遂にきた。

「最後の発表は、影魔術研究会です!」

俺は1期生の後ろに回り、全員の背中に腕を回した。


「お前ら、全力出してこい!」


「「「「「「はい!」」」」」」


そして俺は、全員を押し出し、会場におくった。

それに続くように、2期生も登場していった。

「では、これより発表を始めます!」

パチパチパチパチ……!

会場には拍手が溢れた。

最後の発表ということで、注目度も上がっていた。

今回の発表は、1期生が発言と実演をし、2期生がその補助をすることになった。

「まず、これまで私達がやってきた研究についてご紹介しましょう」

「私達はサークル名の通り、影魔術の研究に力を注いできました」

「その中で私達は、一つの疑問を抱きました」


「皆さん、どうして影魔術のみが、魔術以外の影に干渉できるのでしょうか?」


「「「「「「…!?」」」」」」


よし!

つかみは完璧だ。

そう。

俺達は研究している中で、それを疑問に思ったのだ。

「火、水、土、風、光。これらの六大性質は、自身の魔力が混ざっていれば操作はできます」

「しかし、何も魔力がこもっていない、自然体のままのこれらを操ることはできません」

「ですが、影魔術はどうでしょう?たしかに影魔術のほとんどは魔力を用いて操作しています。影纏先生の『影の領域』なんかは、その代表例と言えるでしょう」

「しかし皆様。影潜の原理を考えたことはありますか?」

「この魔術は、対象の影に潜るという能力ですが、これが派生した、皆さんが学校で1度は習った技について考えてみてください」

「その技は、もう皆さんおわかりでしょう?そう、『影移動シャドーワープ』です」


影移動。

自身の周囲の影に瞬間移動できる技だ。

影潜で隠れたときにのみ発動できる、上級影魔術の1つだ。

「この技の移動条件はあくまで距離であって、影の連続ではないのです」

「これは他の魔術にあった『魔力がこもっていないと干渉できない』という理から外れています」

「つまり…」

周りを見渡すと、会場全体の人たちが発表に聞き入っていた。


「影魔術のみ、操作条件が異なる、あるいは常時条件が満たされているのです」


「そしてそれの証明は、レオ先生の開発したとある魔術によって証明されました」


そう。

俺はこの説の証明のために、とある魔術を作った。


「「影槍シャドーランス!」」


その説明の後、エルとモラがその魔術を発動した。

発動後、影の槍が会場のいたるところから不規則に出てきた。

「このように、この魔術は魔力を込める込めない関係なく発動します」

「これによって分かったこと…それは…」

「「「「「「………」」」」」」



「影には常時魔力が宿っていて、我々は一つの影を通して、周辺すべての影とつながっているのです!」



その瞬間、会場がざわついた。

当然である。

これはつまり、影魔術が他の六大魔術と異なったものであるということになるからだ。

「これを利用して、私達は次のようなものを…」



と、このように発表は続いていき、そして終わった。

「これで、私達の発表を終了します。ご清聴…」

「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」


パチパチパチパチ…!


会場は多くの拍手に包まれた。

「これをもちまして、すで手の発表が終了しました。これより結果発表に参ります。その場でお待ち下さい」

そして次は、いよいよ結果発表である。






「それでは、結果発表を始めます」

長い集計を終え、ついに結果発表の時間になった。

「まずは4位までをすべて発表します。こちらです!」

すると、去年と同じく後ろの紙が燃え、文字が出てきた。

その中に俺達の名前はなかった。


「続いて、3位です」


ボッ!


紙が燃え、文字が浮かんできた。


「3位は、混合魔術研究会です」


俺達じゃなかった。

拍手が聞こえるが、心音のせいでよく聞こえない。


「そして、2位は」


ボッ!


再び字が浮かび上がった。

………!

「2位は、異能眼研究会です」


「「「「「「…!?」」」」」」


会場全体が驚きに包まれた。

なんと過去連続で1位だったサークルが2位だったのだ。

…ということは?


「そして、1位は…」


ボッ!


文字が浮かんできた。

それを見て、俺は密かに涙を流した。


「1位は、影魔術研究会です!」


「「「「「「オォーーーーー!!」」」」」」


会場は拍手と歓声につつまれた。

俺達はというと、全員泣いていた。

この2年の集大成が、認められた瞬間だったのだ。

そしてみんなで肩を組んだ。

みんなで泣き、笑いながら。

「では、1位の影魔術研究会には、グランプリフラッグをお送りします。壇上へどうぞ」

そうして俺らは旗をもらい、発表会を終えた。

その後軽く打ち上げをして解散した。

とりあえず、俺がいるうちに結果を残せたことにホッとした。

さて…

明日からは、出発の準備をしなくちゃな…


次回の更新は3/11(水)です

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