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影を纏う転生者 〜平凡な高校生の異世界人生録〜  作者: 仮想猫
影纏の術師編 〜ドラマルト〜
42/52

38話 影纏の教師

冬休み期間最終日

ドラマルトに来て1ヶ月。

季節は移り春となった。

俺は15歳になっていた。

この世界の成人まであと1年だ。

今日からいよいよ特別講師としての活動が始まる。

が、その前に…

『ナナ師匠。便利屋はしばらく3人でお願いします』

『はい。任せてください。レオも特別講師、頑張ってください』

俺は念話で壁越しに挨拶を済ませて、集会広場へ向かった。






集会場に到着し、俺は仮設置しただろう控室の中に案内された。

仮設置された控室に入ると、


「…が!?…か、か…」


誰かがこちらを見ている。

「ん?…ん!?」

そいつはすごく見覚えのあるやつだった。


「影纏じゃねぇかぁぁぁ!!!」


そいつは俺を見るなり抱きつく勢いで突進してきた。

そして俺は、


スッ…


かわした。


ズドーン!


そいつはそのまま直進し壁に激突した。

俺の行動は冷たいように見えるかもしれないが、内心かなり驚いていた。

「リュー!なんでここにいるんだよ?」

そいつは、ファジサイトで共に実力を高めあった友「逆手のリュー・ダリウス」だった。

「特別講師になってくれって手紙が来たんだ。影纏は?」

「俺も同じだ」

まさか、こいつとここで会えるなんてな。

運命のめぐり合わせって、やっぱりよくわからん。

「おや?お二人はお知り合いでしたか。」

リューと談笑していると、理事長のジル・エンターが中に入ってきた。

「理事長、今年の特別講師って俺とリューの他にいるんですか?」

「いえ。去年からの継続の方はいますが、今年からという人はお二人だけです」

…マジか。

やだな〜、目立つの。

まあ、こいつがいれば大丈夫か。

「そろそろ時間です。壇上の横へ」

「そういえば、今日の集会ってどれくらいの人が?」

「全学年ほぼ全てです。保護生徒の分身もほぼ全て来ます」

「…わかりました」

…逃げてぇな……。






「時間になりました。これから、就任の義を始めます」

数分後、代表の生徒と思わしき人物の号令とともに、広場は静まり返った。

「まず初めに、今年より着任される事務局員、並びに教員、講師の紹介をしていただきます。ジル・エンター理事長。お願いします」

そう言われると、理事長は着任者の紹介をしていった。


「…以上です」


…ん?

俺とリューの紹介がないのだが?


「続いて、特別講師の紹介です。本日着任されました事務局員、教員、講師の方はご降壇ください」


え〜〜〜〜!?

別枠〜〜!?

「では再び、理事長。お願いします」

「はい。ご紹介させていただきます。今年は新たに2名の特別講師の方が着任されます」

2名ごときに、なぜ別枠を用意したんですか。

ジルさんや…


「まずは、『逆手のリュー・ダリウス』殿です。彼はファジサイトを拠点として活動し名を馳せていた冒険者です。体術と剣術を用いた戦闘を得意としています。本日より流術指南、流剣術指南、模擬戦指導を担当してもらいます」


「3つ!?」

「一番多い人で2つじゃなかったっけ?」

「流石だ…」

ザワザワ…


会場がどよめいた。

なるほど。

3つ以上あるのは異常らしい。

ふと、リューの方を見る。

彼は笑みを浮かべている。

が、額にはとんでもない量の汗が浮かんでいた。

そうかお前…知らされてなかったんだな。

大丈夫。

俺も知らされてない。

だから結構怖い。

「続いて、『影纏のレオリオス・パルト』殿です」

あ、次は俺か。

「彼はファジサイトで名声を上げた後、ジークハルトを拠点として活動していました。元『ノーボックス』のメンバーである『ドーラ・コンドル』殿と『不可視のナナ・リーフ』殿の弟子であり、13歳で神級魔術師となりました。剣術と魔術を操ります」

手厚いな、この紹介。


「本日より高等魔術指南、剣術指南、模擬戦指導、保護生徒指導を担当してもらいます」


「「「「「…!?」」」」」


「「え!?」」


俺とリュー、そして広場の生徒全員が驚いた。


『はい!?』


念話でナナ師匠の驚いた声も聞こえた。

あ、見てたんだ。

…じゃなくて!!

俺は理事長に近づき、小声で聞いた。

「よ、4つですか!?」

「はい。そうした方が良いという申し出がありまして」

…しょうがない…か……

「…わかりました」

なんてこった。

まさか4つとは…

「では、これで紹介を終わります」

「あ、ありがとうございます。では、これをもちまして就任の儀を終わります。全員、活動を再開してください」

その後、生徒たちは散り散りに去っていった。

そして俺達は自己紹介も兼ねてそれぞれの担当場所へ向かった。






学校内での活動としては、俺は各講義1時間ずつあるらしい。

つまり俺は4時間分の講義が1日にあるらしい。

その後はサークル活動。

俺は受け持ちもなければ、立ち上げてもいないので、今は関係ないらしい。

「今は」か…

残りは研究だ。

4時間の講義がなかったり、少なかったりすれば、余った時間も研究、もしくは個人の時間に割いていいらしい。

生徒の活動としても「好きな講義に参加して、自由に研究する」というふうにしているらしい。

そして今、俺は高等魔術の講義に来ている。

生徒は…かなり多いな。

ざっと70人くらいいるな。

「では改めて自己紹介をします。レオリオス・パルトです。出身はウェストンのエイサール。得意魔術は影と光、火です。剣術はすべて特級です。よろしくお願いします」

少し補足しておこう。

ここ数年で得意魔術が変わった。

元々得意だった風は伸びず、逆に光が神級魔術までつくってしまったので、こうなった。

「影纏さんは何歳なんですか?」

「先日15になりました」


「15…だと」


ん?

なんか誰かが反応したぞ。

「あんた、ここ舐めてんの?」

そう思っていると、後方の席にいた男が言葉を発してきた。

「舐めてるつもりはありませんが?」

「15で神級?馬鹿げてるだろ」

…こういうヤンキーっていうか、番長っていうかなんていうか、こういうやつってどこにでもいるんだな…

「気に食わないんだよ。近い年のやつがデケェ面してんのが」

「そういわれましてもねぇ」

「…チッ!そこまで強いなら実力見せてみろ!」

そう言って、男は後ろから飛び出してきた。

…速い。

風と光で急加速し、土魔術の槍で攻撃か。

「影の領域」

ガシッ!

「…は?」

男は俺に攻撃をかわされ、振り向いた瞬間に俺の分身1体に羽交い締めにされ、3体に剣を向けられ、2体に火魔術を向けられた。

「技術はまずまずだが…」

「先が見えてない」

「諸刃の剣すぎだろ」

「そもそも加速のコスパが悪いね」

「俺はそうは思わんが…」

「羽交い締めの力もたんから、早く終わらせろよ本体!」

「「「「「え!?」」」」」

生徒たちは、意識が独立した分身を見て驚いていた。

そりゃそうか。

王級だし。

なんなら影の領域は神級だし。

「技奮発してみたが、これでも認めないかい?」

「…くっ!?」

悔しいらしい。

まあこうしないと、こういう奴は調子乗るからな。

「あの人、セキを止めたぞ」

「3年くらい、手が付けられないって言われてたのに…」

「マジか…」

どうやら3年間こんな感じらしい。

なるほど。

貴様を悪ガキに認定しよう。

すまんな。

外は15だが、中も合わせると年齢32超えてんだ。

煽りとか、そういう学生のアレヤコレヤは効かないんだ。

「まああれだ。何かあれば手を貸すから、みんな気軽に声をかけてくれ」

こんな感じで自己紹介は終わり、少しだけ魔術について教えて終わった。






あのあと、俺は剣術指南、模擬戦指導にも顔を出し、自己紹介をした。

特に何事もなく終わった。

さて次は…

「保護生徒指導…か…」

俺は保護生徒エリアにいた。

あちらこちらに分身がいるが、エリア内は静かだ。

そりゃそうだ。

会話が可能になるには、特級レベルの分身を扱えるようにならなければならない。

難易度は相当高い。

ほぼ使えるわけがない。


「「「「「………」」」」」


「……さて…どうするか…」


講義室に分身が集まった。

…なんか…すごい不思議な感覚だな。

「えっと…まず、自己紹介をします。俺は…」

というふうに一連の流れをする。


…終始無言。


「…では、皆さん各々研究を進めてください。何か聞きたいことがあれば、俺を部屋の前に呼んでください。こちらに近づいて何かアピールしてくれたら行きます」

そう言って俺は講義室をあとにし、見回りを開始した。

………。

………。

………。


…なんだ?


分身一体がついてきている。

のだが…アピールしてこない。

ただついてくるだけだ。

……どうしようか。

いや、1回聞いてみるか。

俺は振り向いて声をかけた。


「あの…どうされました?」


…ん?

この分身…混合魔術?

水と…結界?

俺は模倣眼を開いて見てみる。

…なるほど。

水だけじゃ形を保てないから結界で覆っているのか。


〜解析完了〜


…違う。

別に解析しなくていい。

と考えながら見ていると、分身は恥ずかしがるような仕草をしたあと、消えてしまった。

(…?)

なにがしたかったんだろう?


カーーン!カーーン!


そう考えていると、学校の鐘がなった。

…時間か。

俺は自身の研究内容を決めるために、今日は自室に戻った。

…あの分身の人。

一体何がしたかったんだろうか?


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