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影を纏う転生者 〜平凡な高校生の異世界人生録〜  作者: 仮想猫
影纏の術師編 〜ジークバルト〜
30/51

26話 ジークバルト

「失礼。国に入る前に検査をさせていただきます」

ジークバルトに到着した俺達は、入国のために国門まで来ていた。

前回のファジサイトの入国と違い、今回は検問があった。

俺達は検問員3名ほどに手荷物検査等を受けた。

そして、ちょっとしたアクシデントが起きた。


「…ッ!?こいつ…三眼族!?」


あれ?あっけなくバレた。

「貴様!なぜ三眼族を連れている!」

「…言い訳してもいいですか?」

多分聞いてくれないだろうな。

そういうのはお約束だし…

と思っていたが、予想外な反応が返ってきた。

「…いいだろう。言い分を述べよ」

検問員の3人は少し話し合ってからそう応えた。

あれ?結構話わかってくれている?

「一応言っておくが、嘘は我々の魔術で見破れるからな」

あ、なるほど。

だから説明のチャンスをくれてやると。

まあ、嘘つく気ないけど。

俺は旅でルカを拾った経緯を1から説明した。

そして最後に、

「彼女は俺達と1ヶ月以上旅を共にして、特に危険はないと判断しました。ですが、もしなにかしようとしたら、全力で止めます」

「ほう。貴様にはそれができると?」

「わかりません。ですが、これでも私は神級魔術を使えます。一応実力はあると思っています」

「神級?貴様、二つ名込みの名前はなんと申す?」

「影纏のレオリオス・パルトと申します」

「「「影纏!?」」」

名を名乗ると検問員に驚かれた。

「影纏って、ファジサイトで活動してたっていう、あの?」

「はい、一応そうです」

そうすると検問員は話し合い、その末、

「すまない、止めてしまって。貴殿の滞在を許可する」

「え?あぁ、ありがとうございます」

「ただし条件をつける。非常時以外でその三眼族の幻術を解かないようにしろ」

「そういえば、どうして幻術が効かなかったんですか?」

「我々は悪党の侵入を防ぐために幻覚破りのような術解除用の魔法陣を体に刻んでいる。だから見えた」

なるほど。

さすが魔族世界最大の国家。

抜かりないな。

「中にいる仲間にはこちらから伝達しておく。だが、もしそいつが貴殿らの誰とも行動を共にしていないときは即座に斬る」

「心得ておきます」

こうして俺達はようやく入国できた。






まずは貸家を探しに行こうということになった。

宿でもいいのだが、それだと便利屋の活動がしにくくなる。

よって1軒家を借りることにした。

俺達は国のギルドや役所に行き、貸家を探していると、


「あれ!?お前ら…ナナに、ドーラの弟子じゃねーか」


聞き覚えのある男の声が聞こえた。

結構昔。

ウェストンに言ったときだ。

俺はその人の宿に泊まった。

「え!?お久しぶりです!サンダさん」


サンダ。

俺が昔、心の中でサン◯クロースと言い間違えた、ウェストンで宿を経営していた竜人の男だ。

「なぜここへ?」

「6年前くらいにドーラから村人捜索を頼まれてな、それを機にここに拠点を移したのさ」

なるほど、ドーラ師匠の根回しか。

ん?てことは…

「誰か見つかりました?」

「ああ、何人かは。ただ、この国が広いのと、周りに村が多くてな。全部は回れてない。すまんな」

「経営もあるだろうししょうがないですよ」

となると…

「あの、ニナっていう女の子とかいませんでした?」

「ニナ?そんな奴は見てねーな。探してるのか?」

「はい。家族で見つかってないのがあとニナだけでして…」

「そうか…。この国にいる可能性もあるが、いるとしたらドラマルトの可能性が高いな」

「やはりそうですか…」

「そういえばお前、なぜ役所に?」

「実は…」

俺は役所に来た理由を話した。

「なるほど…なら、俺の宿の1階使うか?」

「え!?いいんですか!?」

それまで黙っていたナナ師匠が驚いた。

「ちょうど1階が物置部屋になっててな、事務所プラス寝床も用意できるスペースがあるんだが、使い方に悩んでたところだ。よかったら使ってくれ」

「「ありがとうございます」」

俺達は事務所を手に入れた。






「「「広っ!?」」」

サンダさんの宿についた。

そして噂の物置部屋を見せてもらった。

めちゃくちゃ広かった。

リビングとキッチンまであり、その先には3つの小部屋があった。

事務所にはぴったりすぎるが、

「なぜ使ってないんですか?」

「奥の部屋は宿にしては狭いのと、ここがカウンターの裏だからな。使いづらいんだ」

「なるほど…では、使わせていただきます」

「おう。存分に使え」

「ちなみに…家賃の方は」

「ああ、いらんいらん。その仕事でうちの客を増やしてくれれば十分だ」

無償でいいらしい

「ありがとうございます」

サンダさんが去ったあと、俺達は早速事務所を作り始めた。

ものを寄せ、収納魔術でしまっていた事務所のものを取り出し、配置し、部屋割りを決め…



作業は2時間ほどで完了した。

結構早く終わった。

キッチンとリビングは壁で仕切り、リビングを客間に改造した。

客間は来訪者がいないときは俺達の生活スペースとすることにした。

部屋は俺とナナ師匠が一人部屋、カオルとルナを二人部屋にした。

「活動は明後日からにしましょう」

ということで、今日は休むことにした。

俺は集音石で曲を聴きながら本を読み、しばらくして寝た。



そして翌日。

俺は街の散策に行った。

この国はファジサイトでも見られなかった文化や特徴がたくさんある。

何か日常で役立つことがあるかもしれない。

そう考えながら商店街を歩いていると、

「……ん?」

視界の端に映った何かに目が止まった。

そして、驚愕した。

「こ、これは…」

それには『イートボール』という商品名が書いてあった。

色は茶色。

形は丸く、大きさはビー玉よりも小さいくらいだ。

大きさは多少違うが、似ている。

「ん?あんちゃん。どうした立ち止まって?」

「すみません。これ味見とかってできます?」

「味見?構わねーが、なんか買ってってくれよ」

俺はそれを数粒もらい、食べた。

……間違えない。

これは…大豆だ。

大豆がある、これは大発見だ!

つまり調味料の代表、味噌と醤油が作れる!

味っ気があまりないこの世界の料理についに味を…

「おっちゃん…これ買う」

「え!?お、おう。毎度あり」

俺は大豆をありったけ買って、早速味噌と醤油を作ろうと決意するのであった。






大豆を買ってウキウキだった俺は、その後も様々な物を見て回った。

そして、俺は服屋に入っていた。

「なるほど…こういう布が使われてるのか」

そんなことをつぶやきながら、俺はローブを見ていた。

少し古くなってきたのと、季節で使い分ける関係で欲しくなっていたのだ。

ただ…別に今のローブがだめになったわけではない。

単純に欲しいから見に来たのである。

「まあ…今日はいいか…」

そう言って俺は店から出た。

その時、


ドンッ!


「あ…」

俺は人にぶつかってしまった。

男の人と女の人のペアの男の方だ


{痛ッ}


「す、すみませ…」


……は?

こいつ、今なんて言った?

{痛い}だと?

こいつ今…

…日本語話したぞ。

……。


{なんで…日本語を…?}


「「…!?」」


二人組は驚いた。

そして、


{あなたも…日本人ですか?}


この日、俺は初めて「日本人」と遭遇した。

※今回のお話で出てきた{ }の中の言葉は日本語を表しています

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