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影を纏う転生者 〜平凡な高校生の異世界人生録〜  作者: 仮想猫
影纏の術師編 〜ファジサイト〜
22/51

19話 大嫌いなタイミング

バンバンバン!

バンバンバン!


「……?」


祭りが始まり、10日がたった。

今日は最終日だ。

闘技大会が終わった後、俺達はいろんなイベントに参加したり、屋台を巡ったりした。

今日もいろんな場所に行き、夜にある花火を見に行く予定だったのだが…

朝からなんだか騒がしい。


バンバンバン!

バンバンバン!


「ごめんくださ〜い」


ん?人?

朝から客人?

今祭り中なのに?

なぜ?

「はい。どうされましたか?」

俺は扉を開けて対応した。

「すみません。私は王宮騎士のものなのですが、影纏のレオリオス殿、ならびに、不可視のナナ・リーフ殿に王宮へ集まっていただきたい。緊急の案件があります」

不可視の…

ナナ師匠の二つ名…初めて聞いた。

てか、緊急の案件だと?

嫌な予感しかない。

「わかりました。準備ができ次第向かいます」






数分後。

起きてきたナナ師匠にあった出来事を説明し、カオルも一緒に王宮へ向かった。

流石にカオルを1人には出来ないからな。

そして出てきたのは、なんと国王ファスト・ドーズと騎士団だった。

「国王様。本日はどのようなご要件で」

「すまぬな。祭り中に呼び出して」

「いえ、問題ありません」

「早速で申し訳ないが、依頼だ」

さて、何の依頼なんだか…

「今朝、この国に竜獣の集団が向かっていることが確認された。総勢10体の中規模集団だ。そなたらと他数名の神級術使いに、そやつらの撃退を依頼したい」

「竜獣…ですか」


竜獣。

二足歩行だが、体は竜そのもの。

全身が鱗に覆われ、背中には翼を生やし、口からは魔術を吐く。

竜人とは別の種で、世界と敵対し続けているやつらだ。

そんな集団がこの国に向かっている。

非常事態だ。

「わかりました。その依頼、謹んでお引き受けします」

俺の前にナナ師匠がそういった。

「やつらの到着時間は夕暮れ時だと予測されている。それまで備えておいてくれ」






その後、俺達は準備のために家に戻った。

「ごめんなカオル。今日は一緒に回れそうにないや」

「気にしないでお兄ちゃん。2人ともお仕事頑張って」

準備中、俺は1つ疑問が湧いた。

「ナナ師匠。どうして竜獣は侵略を続けているのに、三眼族は侵略をしないんですかね?」

「私にもわかりません。彼らは差別される前から行動パターンが読めない種族だったそうなので」


三眼族。

世界で恐れられている2種の1つ。

額に第三の目を持ち、その額の目には異能眼と膨大な魔力が宿っている。

そんな彼らは昔、竜獣と共に魔神カスラの戦争に加担したとして警戒されている。

同じ事をした種族で、こんなに行動が違うと、なんだか不思議な気持ちになる。

…おっといかん。

まずは竜獣の事を考えよう。






夕暮れ時。

俺とナナ師匠はファジサイトの国門の前にいた。

国王に召集された他のメンバーは前線に向かっている。

俺とナナ師匠はいざとなった時に備えて、最終防衛ラインにいることにした。

が…

『『……!?』』

竜獣8体がこちらに向かってきた。

どうやら前線はやられたらしい。

2体は削ったが、全員は無理だったようだ。

「ほう…まだ人がいたか」

「だが2人。我らの敵ではない」

「この国ごと焼き払ってやろう」

『行きます。ナナ師匠』

『はい。援護します』

念話で合図を出し、俺は相手に向かっていった。

「は!正面から来るか!」

「月光斬!」

「ッ!?」

俺は最高スピードで敵1体に突っ込んだ。

相手はカウンターができないと悟り、慌てて身をそらした。

外透結界アウトインパクトウォール

ナナ師匠は結界を展開した。

「わざわざ援護を遮断するとは、バカもいたもんだ」

甘いな、そこのトカゲ君。

ナナ師匠が「遮断した」なんて言ったかな?

水の槍(ウォーターランス)!」

ドドドドド!

水の槍は結界を通り抜け、竜獣2体の心臓に命中した。

「何!?」

「外から攻撃入ってくんのかよ」

「構うな。まずは術者を殺せ!」

竜獣5体が一斉に俺に突っ込んできた。


「影の領域」


キン!


その攻撃を、俺は影の分身に1体ずつ、残りを俺が受け止めた。


「「「「「!?」」」」」


「悪いけど、今俺は妹と師匠との楽しい時間を取られて腹が立ってんだ」

俺は一呼吸すって、


「一瞬で、終わらせる」


(光襲の矢・雨!)


ドドドドド!


身動きが取れないまま、竜獣5体は光の矢に貫かれた。


岩塊の龍(ボルダードラゴン)


最後の1体が岩の龍を飛ばしてきた。

これはまさか…竜族秘伝の技!?

なら…模倣眼を開いておこう。

これは覚えておきたい。

それと同時並行で、


「炎戒の龍!」


俺は竜族秘伝の技で対抗した。

完成度は俺のほうが上だった。

よって、

バラバラバラ…!

岩の龍は粉々になり、破壊した炎の龍が相手に迫る。

「…!?なぜ…お前がそれを…」


ドーーーン!


炎戒の龍は見事命中した。

相手は丸焦げになり、身動き一つ取れなくなった。

まだ生きてるのがすごいな。

まあ、あいつは投獄だな。

その頃、日は完全に落ちた。

「まもなく、花火を開催します」

ファジサイト内からアナウンスが聞こえてきた。

「レオ。今から行けば間に合います。後は王宮の人たちに任せて行きましょう」

そうナナ師匠が言ったのと同時に、門から救護班と騎士団が出てきた。

うん…もう大丈夫そうだな。

「そうですね、行きますか」






ドーーーン!

ドーン!

ドーーン!

「わあ~綺麗…」

カオルを連れて、広場まで花火を見に行った。

俺とナナ師匠は花火にぎりぎり間に合った。

家に帰るとカオルは満面の笑みを浮かべて迎えてくれた。

「カオル。私たちは来年からはレオと一緒に旅に出ることになります。祭りは見納めです。しっかり、目に焼き付けておきましょう。」

「はい、ナナさん!」

この街にいるのもあと僅か。

冬が明ければ、俺達はジークバルトに向かって旅に出る。

だからこそ今は、この休息を大事にしていこう。

そう、俺は思った。

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