お嬢様 追放される。
「ちょっと!!あの女の飲み物に毒を入れろと命じたでしょ!!あの女まだ生きてるじゃない!!あんた何を入れたのよ!!」
「え?ニガリです。」
「ニ…え?なにそれ…?」
「苦い水です。体にいいんすよ」
「体にいいもの仕込んでどうすんのよバカ!!」
「ほらあれですよ『お前なんか孫に囲まれて老衰で死ね』ってやつですよ」
「誰が天寿まっとうさせろなんて言ったのよ!
私は今すぐ殺せって言ってんのよ!!」
「でもあの子毒で死んだらお嬢真っ先に疑われるでしょ?お嬢素行悪いから」
「お黙りなさい!あんたなんかお父様に言ってクビにしてやるわよ!!」
「俺クビにしたら家事全般、資金調達からお嬢のお世話まで全部自分でやることになりますよ?」
「ああんもう!!なんでこんなことになるのよ!!」
「そりゃお嬢が自分の婚約者と仲良くしてた平民の女の子に身の程を弁えさせるために嫌がらせをしまくってそれがバレて婚約破棄されて家を追い出されたのが原因じゃないっすか?」
「蒸し返さないでよ!!あの女がいなければ
私は今頃屋敷で穏やかに暮らせていたのにぃ!」
「いやお嬢のことだからどうせ『ちょっと⁉︎この紅茶ぬるいわよ!入れたのは誰⁉︎あなたクビよ!』ってイライラピリピリしてたでしょ」
「お黙りなさい!!……というかなんであなたは私についてきたのよ…」
「え?あのお嬢が弱っていく様を見れるとか金払っても見たいでしょ普通」
「悪趣味⁉︎」
「恋敵に毒盛れっていうお嬢に言われたかないですね」
「お黙りなさい!!…あぁ…これから辺境の土地で生きていかないといけないだなんて……
きっとすぐに耐えきれずに死んでしまうわ…」
「ゴブリン倒して最初の一言が『これ食べれるかしら?』だったお嬢なら平気ですよ。死んでも地獄でも野宿できますって」
「サラッと私を地獄行きにするのをやめなさい」
「もし先に俺が死ぬことがあれば…
お嬢が惨めったらしく死ぬところを天国でワイン片手に見守ります。」
「呑んでんじゃないわよ。あと自分だけ天国に行くんじゃない。あなた本当に私の執事?」
「もちろん!ごみみたいな性根とドブカスみたいな心と顔と体以外に褒めるところのないお嬢こそが俺の仕える主人です!」
「言い方」