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メカ妻、押しかける。

  私たちは、浩介さんが落ち着くまではホテル暮らしを続けていい。経費は申請、認可済だが、浩介さんは落ち着かないし、気が引けるようだ。


 しっかりと休息をとった私たちは、夫婦最初の仕事として、マイホームを探すことにした。


 いいですねぇ、夫婦最初の仕事。欲を言えばケーキの一つでも切りたかったところですけど、先ずは外堀を埋めきってしまわないと。家を作ってしまって、そこに転がり込むというのは高ポイント間違いなしです。

 うふふふふふ。若干、先走りすぎたかと懸念しましたが、私は抜かりないですよ?


 「やはり浩介さんはあの場所に住みたいですよね?わかります。住み慣れた場所から離れたくないですよね?そこでですね、勝手ながら新居を建て直させていただきました。今日出来上がってるので早速見に行きましょう!」


              ・・・・・・・・・


 どうですか!すごいでしょう!!この豪華絢爛な私たちの愛の巣!!え?ご近所さんの家はどうした、ですか?


「ああ、ご近所さんでしたら、見舞金含みで相場の三割増しで土地を買い取ると申し出ましたら、とても喜んで・・・」


なんか浩介さん、力が抜けた感じになってますけどどうしたんでしょう?


 気を取り直して、家の内覧を始めましょう。ああ、寝室を見ときに、幾つか浩介さんの私物がある事に気付いたようですね。無事だったものを集めておいたんです。嬉しそうにしてるのが伝わって、こちらもほっこりします。・・・うふふ、ベッドに気付かれましたか?そう、あのホテルの物ですよ!


「マットレスとかの交換だけでいいって話だったんですけど、私の思い出の品ですので、引き取ろうと・・・」


 他にも愛の巣には必要不可欠な広いバスルームやら、応接間やら数々の部屋を一緒に見て回り・・・部屋が多い事にも気付かれたようです。


「ついでなので説明しますが、ここは弊社の社員寮として建設しました。浩介さんは、此処の管理人として採用されました。・・・戦闘経験のない軍用サイボーグをどうするか、という問題の落し処として、関係各所との議論の結果、軍用サイボーグの相手ができる管理人が良いという答えが出まして。」


「実は、弊社の軍用サイボーグ社員たちの住処に結構困ってまして。気持ちは分かるのですけど必要以上に怖がられてしまって。」


「社長である私の旦那様が管理人でしたら、社員も変な気を使わずに済みますし、元々地元民の浩介さんが、彼女らを抑えることのできる軍用サイボーグってことで周りから安心されますし。何よりこの技術を地球で軍事転用したくありませんし・・・色々ひっくるめて解決しようとした結果、こういう事になりまして・・・」


「・・・ねえ、かぺら社長なの?」


「ああ、言ってませんでしたっけ?まあ、子会社に出向してる雇われ社長なんで、そんなに権力とかないんですけど(笑)」


ああ、情報の後出しになっちゃっいましたか。てへっ♡・・・先に言うと浩介さん、ドン引きして逃げ出そうとするでしょ?たぶん。


                 ・・・・・・・・


「さあ!面倒くさい手続きはすべて終わってます。今すぐここで新婚生活を始めましょう!!」


うへへへへ。新婚!!マイホーム!!素晴らしい!!ああ、すごい、すごいぞ私。こんなスパダリと今から新婚生活だぞ!!もんのすごく苦労して地球にたどり着いたけど、今ここに報われたんだ!!


                 ・・・・・・・・


「夕食が用意できましたよ!広くて使いやすい良いキッチンですね!!」


んふー、胃袋で男を捕まえるっていうから、料理を死に物狂いで覚えたんですよ?どうです?女子力っていうんですか、これ?今の私、女子力53万ぐらいないですか?


「お風呂も用意できましたよ。・・・一気にやりたいこと全部やってしまっては味気ないので、一緒に入るのは次の機会で♡」

 

何でもかんでも一気にやってしまうというのは良くないですね。なんでしたっけ?慎ましい妻というやつですか?ほら浩介さんも心なしか好意的な笑顔で微笑みかけてくれましたし、これは正解の選択肢を選んだんでしょう。こういうのは夜のベッドで。うへへへへへ・・・


「さあ!!特製マットレスに換装して、色々大丈夫になったベッドの性能が火を噴く時が来ました! とうっ!!」


浩介さんが横になってるベッドに、一瞬で素っ裸になって飛び込みました。私が得た資料によると、こういう時にはこうするのが礼儀のはずです。

 さぞかし浩介さんもお喜びに・・・あら?どうしてそんなかわいそうな生き物を見るような目で私を見るんですか?


「さあ、今日は浩介さんは、動かなくていいですからね?」


さあ気を取り直してがんばるぞぉ。

 浩介さんは私にとって超絶スパダリなわけですが、逆に私が浩介さんに魅力を見せつけないと、簡単に捨てられてしまうかもしれません。

 経済力においては実力を示すことが出来ましたが、性的なことについては、前回の事を踏まえるといかがなものかと思わざるを得ません。


 ここは私からがっつり責めることが出来る女だと浩介さんに知らしめねば!!・・・


                    ・・・・・・・・


・・・はっ!!

あああああああ!また途中から記憶がないぃ・・・いいとこまでいってたはずなのに、お礼だとか言って攻守逆転して・・・なんでこの人に女の影がなかったんでしょう?


え?風呂に入りなおしてこい?・・・はい・・・





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