メカ美女、妻になる。2
鼻息荒く浩介さんを部屋に連れ込むことに成功したので、がっつりと部屋のロックを固め、いそいそと服を脱ぎ始めた。
浩介さんを見ると、何やら固まっていたので、
「さあ、浩介さんも服を脱いで。あっこれは私が脱がす流れ?」
と、促すと自分で脱いだ。
ああ、顔もしっかり整ってるし男の色気にあふれてるし充分イケメンの部類よね♡何よりこの厚い胸板、筋肉質な太い腕、がっしりとした足。絶対にバランスいいわね♡私が飛びついても平気で抱き留めてくれるでしょうね。ああ、もちろんお姫様抱っこで♡
そのうえ性格も良くて勤勉とか・・・何これ私の煩悩の具現化なの?それが目の前にいて結婚とか今まで苦労してきたけど、きっと神様って実在して私のことを見ていてくれたのね・・・
私は思わず、にへらっと微笑みながら、何なら少しよだれも垂らしながら、
「さあ、浩介さん。結婚するんですから、がっつりヤりましょう!さあ!」
と、ゆっくり距離を詰めた。後ずさる浩介さん。ああなるほど。
「ああ,浩介さん。軍用サイボーグになったから、力加減とかそういうの気にしてるんですね?大丈夫、無意識化で自動制御していますし、何なら私も軍用サイボーグですので、気にせずガンガンいきましょ。」
と言いつつ、肩を展開して三対の明らかに武装した細長いアームを出した。
ああ、やっぱり私の身体を気遣ってくれてたんだ♡その後、浩介さんが私を抱きしめベッドへ・・・
うへへへへへへへへへへへへ♡♡♡
・・・・・・・・
・・・ううーん、私はとてつもない快楽にまみれた、めくるめく夜を過ごしているはず・・・あ、浩介さん、コーヒー飲んでる。なぜ私はソファーで寝ているの?・・・!!!
「おはよう、かぺら。取り敢えず、身体は拭いたけど、風呂にでも入る?」
「あああああAAAAAAAaaaaあああ・・・私はなんて醜態を旦那さまに」
私は浩介さんと結ばれた。浩介さんは凄かった。それはもう、色々と物凄く。思い出しただけで私の身体がえらいことになりそうだ。私はおそらく快楽に耐え切れず、どこかのタイミングで気を失っていたんだ。こんな姿を旦那さまとなる、浩介さんにみせてしまうとは。・・・でも、途中でお願いした通り、かぺらって呼んでくれてる♡うへへ
ああ、うれしいのと恥ずかしいので浩介さんの顔がまともに見れない♡♡♡
「いやその、今更なんだけど、結婚するの本当に俺でいいの?かぺらなら選り取り見取りじゃない?」
「いやですね浩介さん。選り取り見取りだなんて。私は仕事柄、武装解除ができないので・・・流石にこんな内蔵武装満載な女を好きになる人なんているわけないじゃないですか・・・」
「いや、俺もそうだけど、日本には相当数OKな人がいるんじゃぁないかなぁ・・・」
「え???」
私、そういうのに疎いけど、日本人は私のような機械交じりの女でも平気なのでしょうか?となると半信半疑なあの資料にも若干の信憑性が・・・
「もしや、すべての日本人は一目で相手を魅了して、少し触れるだけで快楽で相手を支配できる異能を持ち合わせているので?」
「ないよ、そんなもん。・・・どこでその知識仕入れたか知らんが、捨ててしまえ。」
あ、さすがにそれは違うか。でもそうなるとやはり、うふふ
「なら浩介さんは、やっぱり私の運命の人だってことです。・・・浩介さんは、私ではご不満ですか?」
「いや不満点なんて何もないよ。・・・寧ろ俺が本当に君に釣り合っているとは思えないんだけど。」
「私の見た目も受け入れて、容姿も人格も良好、日々の勤務態度と生活態度も良好、加えて私を快楽で虜にする能力、他になにか必要で?」
別の資料で見たけど、浩介さんみたいなの、スパダリっていうのよね?本人にあまり自覚がないようだけど。
「かぺらがそこまで言うなら、俺は結婚に異存はないよ?・・・かぺら、俺と結婚しようか?」
「まあ!プロポーズですね!もちろんお受けします♡・・・まずこの紙のここに記名と印鑑と・・・」
いやったあぁぁぁぁ!!!!!結婚したわよぉ!!!さあ早く書けぇ!!!
婚姻届の空白部分を埋めたのを確認したので、ひったくるように用紙を俺から奪い、ドアを少し開けて外に出した。ホテルには役所の人が臨時で駐在しているので、電話一本で書類が提出できて、認可されるのだ。件の戦闘艇の事で少し政府とお話したら、快く協力してくれるとのお返事をいただいた。ありがたい話だ。
「ただいまをもちまして私たちは夫婦になりました。浩介さん、これからもどうぞよろしくお願いします♡・・・ねっ♡あ・な・た♡」
何かに浩介さんはドン引きしていたが、まあいいか。
「・・・ところでベッドとかをひどく汚してしまったんだけど、どうしようか・・・」
ちょっと待ってくださいね、浩介さん。電話しますんで。この程度なら経費で落とせるでしょ。
・・・・・・・・
それはそれとして、浩介さんは私を気遣ってちゃんと休めていないんじゃないでしょうか?
「浩介さん、この部屋はこのありさまなので、一度自室に戻って、お休みになられては?」
「そうだね。そうさせてもらおうか。」
浩介さんが、服装やら荷物を整えて自分の部屋に移動する準備ができたようなので、私もしっかり準備を整えて付いていった。だって私たちはもう夫婦だから。
「もう夫婦なんですから、ベッドは一つで十分じゃないですかぁ。・・・あ、ベッドの経費もう一床分申請しておきます?」
「・・・迷惑だから、もうゆっくり寝ようよ・・・」
「むぅーー」
浩介さんが自分の部屋に着いて、ベッドに潜り込んだ。当然私も一緒に潜り込んできて抱きついた。あ、でもこれはちゃんと説明しておかないと。
「浩介さん。先程も仮眠は取られてた様なので分かると思いますが、今まで通りに睡眠ができると思います。あなたはサイボーグになったとはいえ、休みなく動き続けることなんて出来ません。もちろん今までより遥かに無理は効きますが、脳やら一部器官は生身のままなので、どうしても休息は必要ですので覚えておいてくださいね。」
そして、これが一番重要。
「・・・これものすごくやってみたかったのでやりますね・・・おやすみなさいあなた♡」
と言って笑顔に戻ってキスをした。