記憶とステータスとスキル
ステータスオープン
定番の【鑑定】スキル、念じると自分のステータスが視界に浮かび上がる。
アイテムボックスも閉じると念じるととじることが可能。
それも記憶にはっきりと思い出した。
アイテムボックスは商人にとっては憧れのスキルなのでスキルある無し関わらず周知されている。
もちろん鑑定もだ。
【鑑定】が発動した。
前世の名前と今の名前が表記されている。
アール [転生者 雨宮恋治]
年齢 15歳
人 新米冒険者
平民のため名前しかない。
冒険者をしていた父が幼い頃に亡くなったため、母とともに祖父の行商を手伝い各地を転々として育つ。
母はその後祖父の縁から再婚も病死、祖父はつい最近身体を壊し、歳のせいか風邪をこじらせて他界。
つまり身よりも故郷もない状態である。
頭を撫でる祖父、お酒の酔いで愉快に笑う祖父、祖父との思い出が流れ込んできたら悲しみが沸き起こる。
鈴のような声が耳元に流れる。
『記憶の統合が終わりました』
スキルによる説明らしい。
『前世の家族も今世の家族も皆他界してるのか』
悲しんでいても始まらない。
記憶とともにステータスを確認していく。
記憶の統合でステータスが大幅に上昇、および変化が見受けられた。
アールのステータスは
年相応のものだっただが雨宮恋治としての過去がスキルに反映された。
例えば
行商の手伝いで取得していたスキル【計算】【交渉】が
【即算】【上級交渉】と上位変換されている。
【短剣術1】【剣術1】と見習いが覚えたてのスキルの他に
雨宮時代に幼い頃に習った剣道が【刀術5】高校で授業で習った空手や柔道こ影響か【体術2】など色々増えている。
何せ雨宮恋治として30代半ばまで生きた。学生時代、サラリーマン時代、独身多趣味男だったことが転じて
そこそこ人生経験を得てきたためスキルが発生しているようだ。
『チート能力きた!!』
と小さくガッツポーズするほど期待はしていた。
ざっとまとめると
先ほどの鈴のような声のスキルは
【固有スキル 天使の調べ】
異世界転生の説明不備を補うべく設けられた特殊スキル
ただし雑な設定のためまだスキルとしては説明、説明の補足 サポート機能程度が時折発動する程度
らしい。鑑定してみると少しガッカリではある。
定番かつ欲しかったスキル
【鑑定】自身のステータス、他人のステータス、動植物、鉱物などの鑑定が可能 鑑定レベルで詳細内容が変わる。
チート特典 正式名 万物の魔眼
【アイテムボックス】アイテムの異空間収納 スキルの他に時空魔法で収納魔法として習得することも可能。その場合魔力保有量で収納量が変わる。スキルの場合、スキルレベルで収納量が変わる。
チート特典 正式名無限収納
【看破】隠れた者、隠されたもの、弱点など看破レベルによって対応力が変わる。
チート特典 正式名看破の魔眼
魔眼と言っても実際はスキル名であり、アールの目は祖父譲りの濃いめの茶色でありふれた色合いである。
商い系
【即算】【上級交渉】【商機】【商売上手】など
戦闘系
【短剣術1】【剣術1】【体術2】【刀術5】【身体強化】【急所狙い】など
補佐系
【スキル習得補佐】スキル習得を補佐スキル
【スキル上達補佐】スキル上達を補佐するスキル
あれば絶対ゲームで課金してでも欲しがるこのスキルに笑みが止まらない。
あいにくまだ魔法は習得していない。
職業は
新米冒険者、こちらもまだ冒険者特有のスキルも得れていない。
若すぎることとあり祖父の行商先を継ぐことが出来ずについた職業なことを思い出したがさっきまでの悲壮感は散りさっている。
(冒険者最高じゃないか)
立ち上がり、ズボンについた枯れ草を払い
『よっしゃー、頑張るぞー』
ストレス発散も兼ねて大きな声を草原に鳴り響かせた。