起きたら草原でした
俺、草原にて復活。
白い空間から遠のいた意識を取り戻したのは温かい日の光を感じたからだ。
草原に倒れた状態
意識がはっきりしてきたところで
『くそ』
と吐き捨て状況を確認した。
近くに危険は無さそうだ。
むしろ微かに円状に光を浴びた地面に寝ていた。
多分だが安全地帯のようなものだろう。
そして自分の手で胸や腰を確かめる。
まず着ているものが異なる。帰宅前のスーツ姿ではなく、アニメやゲームでよく見る中世時代のような服、触り心地は馴染みの薄い生地、多分麻に近い、ただ肌に触れる部分はさらりとした肌触りでこっちの世界の植物素材だと思う。
真新しい肌着に茶色く染められたベスト、少しダボっとしたズボンに編み込みブーツ。
周りには荷物も何もない。
慌てて、チート能力とか色々言われてたものを確認する。
『アイテムボックス』
反応がない。
『アイテムボックスオープン』
視界に文字の一覧が浮かび上がった。
『よ、よかった。』
と息を吐き、安心したこともあってちからなく座りこんだ。
異世界転生、手持ち何もなしとか詰み以外の何者でもない。
ここが異世界であるというのは一目で理解している。
最初に感じた太陽の光が2箇所あったこと、太陽の横に小さな太陽がある。眩しくて見えにくいが複数の太陽は地球ではありえない。
そして草原には日本とは思えない草木が動いている、遠目に木が並んで歩いているこの光景は異世界である。
もちろん距離はあるし安全地帯にいるから受け止められた現実である。
衣類は着ている物だけ。
武器はあった。
水筒ある、食べ物は保存食だけ、お金もあるし細々としたものが入っている。
少し頭に何かが流れてきた。
記憶?
転生、どうやら今までの記憶が流れ込んできた。