表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/109

3 入学式と気配

 とは言ったものの。

 今年の春から王立学院に通うことになっていて、明日はその入学式。


「落ち込んでいても何もできなくなるだけだわ……」


 やはり令嬢らしからぬ立ち直りで、ミルクティーをゆっくりと飲み干すと明日の準備に取り掛かるのだった。



 王立ココロリア学院。

 令息令嬢が通うこの学院は、十五〜十七歳の成人前の三年間成年貴族としての基礎となるマナーや、一般的な学問、教養や武術その他諸々を学べるよう設立されたという。

 門戸は開かれていて、平民でもある程度の資金があれば自分の学びたい分野だけ選択して修めることも可能という事で、敷地には多種多様な人々があふれていた。


「……聞きしに勝る、ね……!」


 想像もつかなかったその規模に、感嘆を込めて呟きながら思わず門で立ち止まる。

 すると何故だか周りのそこかしこで、こっそりこちらを見る気配がした。


 今日のわたくしの出立ちは、普通に着こなした学院の制服のはずだけれど……。

 慌ててワンピースタイプのチョコレート色をした制服を見回すけれど、赤い胸元のリボンが曲がっていた以外には特におかしなところはない。

 とりあえずリボンはきちんとしてしまわなくては、といそいそと手直しする。


「……もしかして、噂は学院内にまで広がっているの……?」


 ぽつりとこぼしたと同時に「きゃっ」「あれってもしかして…!」と、女生徒の声があちこちから上がり、それは特に背後からガヤガヤとした音となって聞こえてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ