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28 その手

 フッと意識が浮上する。


 体が熱い。


 喉が、引き攣るように痛い。

 瞼が重く、周りを見ようとして失敗した。

 誰かが、右手を握ってくれている――。


 その手が、最近知ったその人の手に似ていて、ひどく切なくなった。


 ――――そうか、わたくしは――――。


「……んか、…………すき……」


 なの、だわ。


 気づいてしまえはとても愛おしくて、体も動かしづらかったけれど気力を振り絞って手に力を入れ、自身の顔の辺りまで持ってくるとその温もりに浸りたくて、握った手にほっぺをあててすりすりした。


 ――あったかいわ。


 わたくしは満足したのと力を使い果たしたので、また微睡みから深い眠りへと、落ちていった――。

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