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26 切り株と男の子

「かくとうごっこが、どうしたって?」


 不意に背後から声がしてびっくりして切り株から落ちる。


「だ、だだだだ大丈夫か?」


 声のした方を振り返ると、慌ててかけってくる男の子がいた。

 手を差し出されたので、握り返して助け起こしてもらう。


「ええと、ありがとう」

「いや、オレがびっくりさせちまったし」


 ぽりぽりと人差し指で頬を掻きながらその子は言った。

 歳は私と同じくらいだろうか。

 日焼けした体躯は年齢よりもいくらかしっかりして見えたけれど、にっこり笑ったその顔には、あどけなさがあった。


「この辺の子?」

「ん? あっ、ああ、あっちの方に住んでんだオレ」


 彼はそう言うと小高い丘の方を指差した。

 そして切り株をポンポンと叩くと、すわろーぜ!とにっかし笑う。

 その言葉に一緒に切り株に座ることにすると、腰掛けたあたりでその子が話しかけてきた。


「お、お前は? こ、こっここらじゃ見ない顔だけど」

「私の家は王都の方よ。こっちへは、家族と、遊びに……来たの……」


 言っている間に後悔が押し寄せてきて、涙声になってしまう。

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