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19 お父様とため息

 その日の事はお父様に帰宅後すぐ報告した。


 手の甲へのキス……の辺りでお父様は、奮発し購入していた万年筆を一本折った。


「…………そうか、そういうつもりだったか。メルティ、報告をありがとう。お父さん頑張ってくるから気にせず気張らず、何なら殿下なんて大っ嫌いとでも言っておいていいからな」

「お父様、流石にそれは不敬すぎて、わたくしにはとても……」

「うう、天使なのが仇になった……。兎に角、メルティは心配するんじゃないよ?」


 そう言うや否や、お父様は風のように執務室を後にした。


 何しに、お出かけしたのかしら?


 何はともあれ。

 衆人の中で了承の返事をしたのだ。

 この婚約は人の知れるところとなり、取り敢えずはまとまるだろう。

 解消とセットだけれど。

 この大仕事が済めば……。


「そろそろ、政略結婚で良いからお相手をお父様にお願いしなくては、ね……」


 領地とこの家の歴史を見守ってきた執務室で一人、わたくしは少しばかり夢見た未来とは違う将来を思い、ため息をつくのだった。

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