表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現実主義者の俺が青春ラブコメに巻き込まれる  作者: 小西 悠人
アスリート氷織鈴華編
89/91

【79話】鈴華の試合 後半戦②


 インターバルのあと第四クォーターが始まった。


 なんとか第三クォーター終了間際15点差まで追い上げたもののまだ点差は大きい。


 開始早々、葉山にボールが渡る。


 「周りから崩そうかなって思ったけど、いいや。真正面から潰すよ」


 葉山が仕掛けてきた。


 これ以上点差を広げるわけにはいかない。


 スリーポイントを最警戒して間合いを詰めると、素早いドリブルで抜かれる。


 さすがの速さ。


 だけど、負けるわけには行かないんだよ。


 私は抜かれた後、後ろからボールを取りに行く。


 しかし、あっさりと躱されシュートモーションに入いられる。


 「まだまだあなたじゃ、私を止められないよ」


 「私だけじゃね」


 「オラーッ!」


 死角からマイがボールを弾き、シュートブロックに成功した。


 「なに!?」

 

、「よっしゃー!」

 「ナイス、マイ!」


 今度は私たちの攻撃。


 私はボールをもらうと、ドリブルを仕掛けて一人を躱す。


 そのままゴールに迫るが、葉山に進路を塞げられてしまう。


 急停止して、すぐさまジャンプシュートに入るが反応されてブロックに跳ばれ、放ったボールは葉山の指先に触れ、リングに当たってゴールから外れる。


 「だから、あなたじゃ無理だって言ってんでしょ」


 私は一人じゃない。


 リングに当たって跳ねたボールをルミが相手を押しのけてリバウンドを拾う。


 「よし!」


 「ルミ!こっち!」


 マークを外してフリーになったアヤナがパスをもらってジャンプシュートを決める。


 「ナイシュー!」

 「あと4ゴール差」

 「絶対に勝つぞ!」


 ミナミ、マイ、アヤナ、ルミ、ベンチにいるチームメイトの士気が上がっていく。


 笹原は私に教えてくれた。


 私にしかできないリーダーを、


 私はプレーでチームを引っ張っていく!

 

 私の熱意あるプレー、捨て身の姿に感化されチームメイトも士気を取り戻し、動きが良くなっていくチームメイト。


 もう負けてもいいなんて思っている奴はいない。


 絶対に勝つ!


 「いいね、面白い」


 それに当てられてか、葉山のギアがもう一段階上がった。


 

 残り5分。


 チームメイトの士気も上がり、点差も9点差と一桁差まで詰め寄るがあと一歩足りない。


 チームメイトは奮闘してくれている。


 これはエースの私と葉山の差だ。


 こいつを超えない限り、私たちに勝ちはない。


 「いいチームだね。確かに中学の時とは違うみたいだね」


 「まだ減らず口叩く余裕があるんだ」


 「まあね、」


 ボールを持った葉山に対して先程と同じように間合いを詰める。


 「だから、通用しないって」


 間合いを詰めた瞬間にドリブルで抜かれるが、想定内。


 そのままレイアップシュートを放つ葉山と同時に跳んでシュートブロックに入る。


 葉山が強いのはここからの空中戦。


 長い滞空時間で上手くブロックを躱してシュートを決める。


 「止めてみなよ」


 「止めるよ。こざかしいやり方でね」


 私は葉山が放つボールをブロックするのではなく、伸ばした手は葉山の顔面の方に伸ばした。


 「なに?」


 ボールをブロックしようとしても躱される。


 だから、葉山の顔面に掌を障害物として、葉山の視線を遮り、ゴールを見えないようにした。


 どんなに上手い選手でもゴールを見ないでシュートを決めることはできない。


 もちろん、ゴールを見ずとも感覚で決めることもできるが、成功率はがくんと下がる。


 案の定、葉山の放ったシュートはリングに当たって入らず、リバウンドをルミが拾い、ミナミが速攻でカウンターを決める。


 「やってくれたね」


 笹原を見習った相手を分析して、いやらしくこざかしいディフェンス。


 完全に止めることはできないが、ある程度抑え込むことができる。



 次はオフェンスだ。


 特訓の成果を見せる時。


 私は味方からパスをもらうとすぐに葉山がマークに付く。


 チームメイトは上手く私と葉山との一対一を仕掛けるスペースを作り出し、アイソレーションを行う。


 「頼んだぞスズ!」

 「決めろよ」

 

 私を信頼してくれて、託してくれたチームメイト。


 「随分と信頼されているみたいだけど、簡単には抜かせないよ」


 隙のない良いディフェンス。


 それでも私はここまでついてきてくれたチームメイトに応えないといけない。


 「今までの私とは違うよ」


 私はドリブルで切り抜くフェイントをしてスリーポイントラインの外側からシュート態勢に入る。


 「スリーか、打たせないよ」


 私のシュートモーションにすぐに反応して、ブロックに跳ぶ。


 だけど、


 「遅いよ」

 

 私は葉山のブロックが届く前に、シュートを放ちそのボールは見事リング掠ることなくゴールに吸い込まれる。


 「よしっ!」


 「「「オーー!!!」」」


 「あの葉山から綺麗にゴール決めたぞ!」

 「あの子凄い!」

 「氷織すげー!」


 葉山から華麗にシュートを決めた鈴華に歓声が上がる。


 「くそ、やられた。まさかクイックリリースとはね」


 そう、私が打ったシュートはクイックリリース。


 通常、ジャンプシュートは跳躍し、最高到達点でシュートを打つのものだが、クイックリリースはジャンプすると同時に放つシュート。


 私の弱点は、アウトサイドからのシュート率の低さ。


 それはシュートを打つための長い溜めと打点の低さが原因。


 ジャンプシュートより打点は低いが、ジャンプと同時に打つ分飛距離は伸び、さらに溜めからシュートを放つまでの時間が短くブロックしずらいという利点がある。


 このシュートは中学の頃から練習していた武器だ。


 中学時代に伸び止んでいた私に笹原がアドバイスしてくれたもの。


 私は観客席にいた笹原の方に目線を送ると、それに笹原がピースサインを返す。


 それに少し照れながら私も小さく右手でピースを返す。


 また、なんとか葉山の攻撃を止めて、私にボールが渡って一対一。


 「さっきみたいなクイックリリースはもう通用しないよ」


 先ほどより間合いを詰めて、私のクイックリリースを止めに来た。


 だけど、それも想定通り。


 私はまたドリブルで切り込むフェイクを入れてクイックリリースを打とうとする。


 先ほどよりも素早い反応で葉山がブロックに入る。


 私はそのシュートもフェイクで態勢を低く、素早いドリブルで抜き去る。


 「ダックインか!?」


 そのままトップスピードのままゴールに迫り、ゴール下の相手を躱してゴールを決める。


 「「おーー!」」

 「また決めた!」

 「あの葉山と対等にやり合ってる!」


 私が見せたのは、ダックインと言い、ショットフェイクなどでディフェンスを飛ばせる、もしくは上体を上げさせた後に、その横をくぐるようにステップインしてゴールを決めるドリブル業だ。


 これも中学の時からの特訓の成果である。


 「アウトサイドはクイックリリース、インサイドはダックインでゴールを決める。この二つの武器がきみの秘策なんだね」


 この二つの武器で私は葉山を超えて、日本一になる。


 それにはまず、こいつらを倒す。


 「みんな、絶対勝つぞ!」


 「「「「おーーー!」」」


 この試合に勝つ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ