【78話】鈴華の試合 後半戦①
後半戦が始まった。
前半戦よりも押し込まれる展開になった。
第三クォーターも半分ほどに経過して、スコアは42対60で点差が開いてきた。
その要因は間違いなく葉山の躍動。
前半よりもギアを上げてきた葉山が得点を重ね始める。
今も私がマークしているが、先ほどよりも集中力が上がっているのが分かる。
葉山が味方からパスをもらってドリブルで仕掛ける態勢になる。
「フゥー」
私は警戒度を一気に上げるも、素早い加速力で一瞬で置いてかれる。
「はや!」
「「させないよ!」」
チームメイトの二人が私のカバーに入って、止めに入る。
上手くドリブルコースに入って、進路妨害するもそれを気にも留めずに二人の間をぶち抜いた。
「な、速すぎでしょ!」
「いや、二人ともナイス!」
二人のカバーのおかげで、私が戻る時間ができた。
そのままトップスピードのままレイアップシュートの態勢に入る。
私はそのシュートを視覚からブロックする。
「さっきの仕返しだ」
しかし、葉山はレイアップシュートを放つことなく、ボールを持ち換えて私のブロックのタイミングを外してシュートを決める。
ダブルクラッチを決められる。
「まだまだ甘いね」
また、葉山にボールが渡る。
先ほどのドリブルを警戒して、私は葉山から距離をとる。
「いいの?そんなに離れて」
スリーポイントラインの外側から放たれるシュート。
シュートフォームに気づいて、ブロックに跳ぶも高い身長とジャンプ力のシュートのためボールに触れることはできず、そのままゴールを決められる。
高い打点から放たれる正確無比のシュート力とトップスピードの高速ドライブ、滞空時間の長さで行われる空中戦すべてが全国クラス。
さすが日本代表に呼べれるエース。
だけど、私は負けるわけにはいかない!
また、葉山にボールが渡る。
とことんエースに攻めさせる気か。
私は先ほどよりもさらに葉山を止めるために集中力を上げる。
絶対抜かせない!
「うーん、何度ぶち抜いてもあなたからの攻略は難しいか。なら、他から崩すとしようか」
横にドリブルを仕掛ける。
それについて行こうとするが、相手のディフェンスに遮られて置いてかれる。
「ミナミ!スイッチ!」
私の進路妨害をしていた相手をマークしていたミナミとマークチェンジする。
「止めてやる」
「あなたじゃ、役不足だよ」
葉山は簡単にミナミをスピードぶっちぎる。
「くそ、」
そのままゴール下の味方も躱して、シュートを決める。
それからも葉山は私との一対一を避け、他のチームメイトにわざわざ勝負を仕掛け、ぶち抜く。
なんとかこちらも得点を返すが、次第と点差は開いていく。
「正々堂々と勝負しろよ」
「前半、私との勝負を避けていただろ。その仕返しだ」
めんどくさい性格だな。
また、私はマークを外され、他のチームメイトに勝負を仕掛けていく。
チームメイトのミナミ、マイ、アヤナ、ルミも食らいつこうとするも地力の差で為す術がなくゴールを決められる。
「くそ、」
「やっぱ私達じゃ」
葉山にゴールを決められるたびに、動きがどんどん悪くなる。
あまりの実力差に心が折れかけている。
過去の私みたいに、
こちらの攻撃のターン。
だが、動きが悪く。
ミナミが出したパスをルミが弾く。
パスミスしたボールはコートの外に出て相手のボールになるが、私は走る。
「え」
ボールがコートに出る前に、何とかボールをルミに渡した。
ガチャンッ
勢いでベンチに突っ込んだが、関係ない。
心配するチームメイトだが、すぐに立ちあがってボールを要求する。
「こっち!」
驚きながらもルミは私にパスをだし、私はトップスピードのままゴール下まで侵入してゴールを決める。
「よしっ!切り替えて、ディフェンスだ」
また、葉山にボールが渡る。
「やっぱり、あなたはしぶといね。でも、他のチームメイトはどうかな?」
また、マークを剝がされ今度はアヤナが抜かれる。
そのままジャンプシュートを放とうとするが、私がブロックに入る。
なんとか放たれたボールが指先に触れ、リングに当たって外れる。
そのリバウンドをルミが獲る。
「ルミ、速攻!」
ルミから素早くパスをもらいそのまま誰も寄せ付けずに、速攻でゴールを決める。
「あと、15点差。勝つよ!」
私はチームをまとめるリーダーシップはない。
そんな私にできることは、プレーで引っ張っていくこと。
チームを導いて勝利する。
笹原が魅せてくれたように。




