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現実主義者の俺が青春ラブコメに巻き込まれる  作者: 小西 悠人
アスリート氷織鈴華編
84/91

【74話】試合後、


 試合終了、


 スコアは1-0、終了間際の俺のジャンピングボレーシュートが決まり、ゴールと同時に試合終了。


 作戦通りとはいかなかったが、何と勝つことができた。

 

 「一真ー!」「笹原ー!」「先輩ー!」


 倒れている俺に、チームメイトが群がってきて、興奮のあまり俺はその集団にもみくちゃにされる。


 ちょっと、足痛いし、暑苦しい。


 「一真、よく決めた!やっぱりお前ならやってくれると思ったよ」


 耳元で大声で伝えてくる三宅。


 「先輩、見直しましたよ。最後のシュートかっこよかったす」


 いつの間にか敬語になっている林田。

 

 他の後輩も羨望の眼差しを向けてくる。


 おいおい、やめてくれよ、照れるじゃないか。


 「まぁまぁ、落ち着きな。笹原だって困っているじゃないか」


 ひとり、静観していた晴人部長がチームメイトに声をかけてなんとか俺は救出される。


 俺に手を差し伸べて、引っ張って立たせてくれると、


 「笹原、俺はお前に本当に感謝している。引退する前に勝利させてくれて、」


 いきなり男泣きし始めた。


 部長が泣くなんて、


 「部長こそ、今までサボってきた俺のことをいつも気にかけてくれてありがとうございました。それにまだ、大会は続いてますからね」


 「ああ、そうだな」


 そんなチームメイトとと感動を分かち合っていると、相手の鬼丸が寄ってきた。


 「笹原負けたよ。足の方は大丈夫か?」


 「ああ、少し痛むけど大事ではないよ」


 「そうか、なら良かった。正直、負けるとは思わなかったよ。決めきれなかった俺の責任だな、してやられたよ」


 さっぱりとした態度で接してくる。鬼丸はストライカーでは珍しいタイプで熱くなっても、すぐに冷静になる冷静さを持ち合わしている。


 今回はなんとか無失点で止めることができたが、次回はわからない。


 「お前のことは中学から知ってるからな。分析済みだ」


 「おー、怖い怖い。でも、次やったら負けないからな」


 そのまま、泣き崩れている他のチームメイトを慰めていく。


 あいつはいい選手になるな。


 

 「おー、おー大活躍だったな」


 観客席にいたはずの圭人がすぐ横にいた。


 「びっくりした、なんでここにいる?」


 「足痛めてるんだろ。肩貸してやるよ」


 「うん?なんか今日は優しいな」


 「俺はいつでも優しい好青年なんだよ。まぁ、今日のヒーローにちょっと親切にしても罰は当たらないだろ」


 「そうかよ」


 俺はお言葉に甘えて、肩を借りることにした。


 ひざの痛みはあるけど、歩けないほどではないから大事にはなっていないだろう。


 「ちゃんと戦えたか?」


 すべてを見通した顔で聞いてくる。


 こいつにはすべてお見通しらしい、


 「ああ、戦いきれたよ」


 「そっか」


 観客席まで連れてこられると、吉田、黒瀬、花菜がグラウンド付近まで暖かく迎えに来てくれた。


 「みんな、応援ありがとな」


 「笹原君、めっちゃ凄かった!アニメ見たいだったよ」


 興奮冷めやらず前のめりで話してくる吉田。


 「お前はなんでもアニメで例えすぎ、途中笑いそうになったわ」


 「笹原、勝利おめでとう。珍しくかっこよく見えたよ」


 照れながら、視線は明後日の方を見ている黒瀬。


 「ありがとう。お前に褒められるなんて、明日は嵐か?」


 「一言多いのよ!」


 「カズ!やったね!最後のシュートかっこよすぎだよ」


 相変わらずのべた褒めしてくる花菜。


 「だろ、これが本当の俺の力だ、なんてね」


 三人からの賞賛の言葉と軽口のやり取りをしていると、その後ろから泣き止んだのだろうか、目元に涙の跡が残って、まだ鼻もすすっている鈴華が近づいてきた。


 「勝利おめでとう、笹原。それと今までごめん。私、笹原の怪我のことも知らないでたくさん酷いことをしてきた」


 頭を深く下げて謝罪する鈴華。


 「頭を上げてれ。怪我のことを話さなかった俺の責任でもある。それにお前は俺にもう一度サッカーと向き合う機会を与えてくれた。本当に感謝してるよ」


 俺も鈴華と同じように頭を深く下げた。


 「笹原、」


 俺は頭を上げ、鈴華をまっすぐ見つめる。


 「鈴華、試合を見て俺の伝えたいことは伝わったか?」


 俺の問いかけに、満面の笑みで答える。


 「うん、伝わったよ。笹原の姿を見て。明日の試合見に来て!勝って見せるから」


 

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