【70話】諦めるな!
「諦めるな!!!」
諦めかけた俺にコートに響いた声が届く。
その声の発信源は今も俺の抜けたディフェンスをカバーして必死に相手にくらいついている三宅だった。
「まだ、試合は終わってない!必ず前線のお前までにボールを運んでやるから、決めろ!」
「そうだ、まだ終わってない」
「笹原につなげれば決めてくれる!」
「絶対守るぞ!」
三宅に引っ張られて、チームメイトが声を張りチームを鼓舞する。
献身的な守備で何とか持ちこたえている。
「これで決めて終わりだ!」
ボールを持った鬼丸は俺の代わりにマークについていた三宅を上手く躱して、強烈なミドルシュートを放つ。
そのボールはゴールに迫るが途中で割り込んだ部長の顔面ブロックに阻まれる。
「ぐはっ!」
「部長!」
あの鬼丸の強烈なシュートだ、痛いはずに決まっている。
「なんとしてでも笹原にボールを繋げるぞ!」
そんなことを気にせずに、ブロックしたボールが相手に渡る前にクリアする。
どうして、そこまでできるんだ。
作戦は失敗したのに、
俺はもう動けないのに、
「笹原!この数週間お前の本気の行動に俺たちは突き動かされた!」
「なら、最後まで責任もって勝つぞ!」
こんな何もできなかった俺に期待してくれるチームメイト。
そうだよ、鈴華。
俺が見せたかったのは、これだ。
例え、リーダーシップが無くても、技術が無くても、全力でプレーする姿に仲間はついてきてくれるんだ。
「そうだぜ!一真。まだやれるだろ」
観客席から圭人の声が届く。
あいつ、クールぶってるから大きな声の声援とか恥ずかしいくせに、
「そ、そうだよ!アニメならここから逆転できるよ」
声援にもアニメを持ち出す吉田。
現実はアニメと同じように上手くいくとは限らないけどな。
「がんばれー!笹原!」
コートに響き渡るような大声で声援をおくる黒瀬。
顔を真っ赤にして、一所懸命俺のために声を出してくれる。
みんな俺のために頑張ってくれている。
なら、その期待に応えないとな、
肺一杯に空気を取り込んで、
「お前ら、俺にパスをくれ!絶対決めてやる!」
大声で叫んだ。
人生で一番大きな声ではないだろうか、
「「「おー!」」」
頑張ってくれ、みんな。
必ず決めるから。
諦めるな チームメイトからの鼓舞 献身的なディフェンス、部長の顔面ブロック
黒瀬や圭人、吉田からの声援。
諦めるのは早い、
俺にパスをくれ決めてやる
足を痛めている
パスが来る、相手に当たってずれたけど関係ない
ワントラップでシャペウでかわし、シュート
軸足が踏ん張れない
花菜と鈴華の声援




