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現実主義者の俺が青春ラブコメに巻き込まれる  作者: 小西 悠人
アスリート氷織鈴華編
79/91

【69話】反撃失敗!?


 左サイドからのセンタリングをもらった俺は、トラップしてディフェンスの一人を躱して、残りのディフェンダーは古澤のみ。


 コイツを抜けば、あとはキーパーのみ。


 一年生ながらレギュラー入りをしている古澤、身長180cmの屈強なフィジカルとどんなフェイントにも対応しうる瞬発力。


 今まで見てきた試合ではほとんど抜かれることはなかった。


 ドリブル突破は難しい相手だが、味方の上りを待っている時間はない。


 俺はそのままドリブルで古澤に突っ込んでいく。


 ボディフェイントや足でボールを跨ぐシザースを繰り出して、相手を左右に揺さぶる。


 抜かれまいと、左右どっちにも対応できるように構える相手。


 俺は左足の外側、アウトサイド左に行くと見せかけて長い脚の弱点である股の間にボールを通して、抜き去る。


 「「「おおー!」」」


 観衆がどよめく。


 綺麗な股抜き。


 すぐ反転して追いかけようとするが上手く手を相手に押し付けてブロックした。


 残りはキーパーの佐久間のみ、


 ドリブルで進む俺のシュートコースを無くすために前に飛び出してきた。


 確かにシュートコースは絞られた。


 しかも、佐久間は素晴らしい反射神経を持つキーパーなので生半可なコースでは反応されてしまう。


 だが、反応されても届かないところに打てばいい。


 俺は前に出てきたキーパーの肩口にシュートコースを定める。


 肩口に打たれたシュートは例え、シュートに反応できても触れないコース。


 俺は冷静にシュートコースを狙い定めて左足を振り上げて、シュートモーションに入る。


 これを決めて、俺たちの勝ちだ。


 この試合勝って俺は鈴華に証明しないといけないんだ。


 「させるかよ!」


 さっきドリブルで抜いた古澤が後ろからスライディングタックルを仕掛けてきた。


 悪い記憶がフラッシュバックした。


 それは俺のサッカーの未来を失うきっかけになった、あの中学の試合。


 後ろからの悪質なタックルで靭帯を断裂した、あのときの痛みが


 体が一瞬こわばりながらもシュートを放った。

 

 そのままスライディングを仕掛けてきた古澤と接触して、バランスを崩して倒れた。


 右膝に痛みが蘇る。


 「っつ!」


 いや、それよりボールはどうなった。


 かーーん


 それは放ったシュートがゴールポストに当たった音だ。


 そのボールをキーパーがキャッチした。


 「ファール!」


 後ろからのタックルがファールだと主張するも審判は首を横に振りファールではないと判定。


 「今がチャンスだ。一点取るぞ!」


 キーパーがボールを大きく蹴り上げ、黒岩高校の攻撃が始まる。


 俺たちの作戦は失敗した。


 味方はもう疲労困憊で相手の攻撃を耐えきる力はもう残っていない。


 すぐに立って戻ろうとするが、右膝に力が入らない。


 「クソっ!」


 歩けないほどではないが、これじゃあまともにプレーできないだろう。


 結局、俺はまた何もできないまま終わるのか、


 戦って勝つと誓ったのに、


 ごめん、晴人部長、三宅、チームのみんな


 俺はチームを勝利に導くことはできなかった。




 ごめん、鈴華。


 力になれなくて。



 


 「諦めるな!!!」


 諦めかけた俺に、コートその言葉が届いた。


 

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