【62話】鈴華と一真の過去 後編②
過去編終了!
もうラストスパート頑張ります
決勝から一週間、私はまだ立ち直れずにいた。
県大会決勝戦で白海中学に大差で敗れ、葉山にも手も足も出なかった。
心が折れかけたチームメイトを私は勝利に導くことができなかった。
この大会が終わって私達三年生は引退となった。
決勝の翌日、部員のみんなは私達三年生を暖かい拍手で送ってくれた、
「氷織先輩のおかげで楽しい部活を送ることができました」
「これからもバスケ頑張ってください」
「私達も先輩たちの恥にならないように頑張ります」
そんな暖かい言葉で見送られた。
それでも、私はあの敗北が忘れられず、一真との練習していた公園でバスケの練習をしている。
まだ、本調子とはいかず、ボールの感覚を忘れないようにする程度の練習だ。
私の悩みの種はもう一つある。
それは決勝戦以来、一真からメールの返信が無いことだ。
負けたことを報告するメールを送ってから、何度かメールを送ったが返信が来ない。
今まではこんなことなかったのに、
私も決勝戦で勝つことを約束してたのに、負けたことが気まずくて病院に行けてない。
だけど、このまま会わわないのも嫌だから、病院に行くことを決めた。
次の日、お見舞いの品を持って一真の病室を訪ねた。
いつもはリハビリルームにいるのに今日は病室で寝ていると看護師の人から聞いた。
病室を訪ねると、珍しく学校のテキストを開いて勉強していた。
そしてなんか元気が無いように見えるのは気のせいか、
ドアの前の私に気づいて、一真はテキストから目を離し私に視線を向ける。
「おう、久しぶりだな鈴華」
「うん、久しぶり」
やっぱりどこか覇気の無いように見える。
「試合負けちゃったらしいな」
「うん、惨敗だった」
「そういえばスマホ壊れちゃって返信できなくてごめん」
「あ、そうだったんだ。返信なかったから何かあったか心配しちゃったよ」
「悪いな」
「試合には負けちゃったけど、高校生になったら今度は絶対勝つつもり。葉山にコテンパンにされて黙ってられるかってんだ」
一真に会えて少し元気が出た。
なんて単純なんだろうな、私。
「そうか、」
「うん、一真とも約束したしね。競技は違うけど一緒にサッカー、バスケそれぞれの舞台で楽しんで上を目指そうねって」
そう、私はこの約束があるから頑張れる。
一真と一緒だから私は折れずに前を向ける。
これからも二人で一緒に、
「ごめん、鈴華。俺はサッカーを中学でやめることにした」
「え?」
今なんて言った?
サッカーをやめる、あの一真が、
「どうして?!」
「怪我が悪化するのが怖くなったんだよ。何度もリハビリしているけど、痛みは引かないし、前と同じようにプレーできる気がしない」
そんなことをあなたが言わないで、
私の憧れはそんなこと言わない、
「サッカーするのが怖くなったんだよ。ごめんな、お前との約束は守れない」
告げられた終わりの言葉。
その時、私の何かがはじけた。
決勝戦、チームを鼓舞するも誰もついてきてくれない。
憧れだった一真も一緒に夢を追いかけてくれない。
私の隣には誰もいない。
私に味方なんていなかったんだ。
それなら、私は
「もういいよ、分かった。もうそんな腰抜けには興味ない。じゃあね、笹原。もうあなたと話すことはないわ」
一人で二人の約束を果たして見せる。
たとえ孤独になろうと、




