【61話】鈴華と一真の過去 後編①
あともう少しで過去編終わります。
これからも応援よろしくお願いします。
試合展開は一方的だった。
第四クオーターに入ってスコアは42対78。
倍近くの点差がついてしまっている。
白海の選手一人ひとりがバスケ技術、フィジカルのレベルが私達よりも高く、そしてチーム内の統率された動きに、戦術。
そして、葉山翼という絶対的エースの存在。
私がポジション的に、実力的に葉山をマークしていたが、何度もドリブル突破されてゴールを許してしまう。
攻撃の時も葉山にマークされていると動きが制限されて、波に乗れない。
うまく、スクリーンなどでマークを外してゴールを決めるが、やっぱり地力の差でどんどんスコアが離されてしまう。
会場の雰囲気は白海優勝で一色。
私たちがここから逆転するのはほとんど不可能に違いない。
それでも、私は諦めるわけにはいかない。
また、葉山にゴール下まで突破されてゴールを決める。
時間がほとんどないため、すぐにボールを取ってリスタートしようとするが、走っているチームメイトはいなかった。
「まだ負けてないよ!最後まで全力を尽くそう!」
私がチームを鼓舞するも、チームの足取りは重い。
もう敗北が近づき、心が折れているかもしれない。
それでもキャプテンである私ができることはチームを勝利に導くこと。
私は一度チームメイトにボールを預け、そのまま相手陣地に侵入しパスをもらう。
そのままスピードに乗って、一人、二人と相手を置き去りにする。
残りは葉山のみ
「君いいね、他のチームメイトは諦めてるのに、君だけはまだ勝つ気でいる」
「当たり前でしょ!私はあなたに勝って全国に行く」
私は一度静止し、左右にボールを付いて相手を揺さぶり、ずれたところを前への加速で置き去りにする。
これが私の必勝パターン。
あとはゴールを決めるだけ
「まだまだだね」
葉山は一度、抜かれた私に一瞬で追いついて、ボールを叩いて奪った。
そんな、私の得意のドライブが止めれるなんて、
そのまま葉山はドリブルでチームメイトをごぼう抜きする。
なんとかゴール前で追いつき、葉山の前に立ちふさがる。
「絶対にやらせない」
「すごい気迫だね。その気迫は賞賛するよ」
葉山はさっきの私のように一気に加速して抜きにかかる。
スピードでは負けない!
必ず止める。
すると、葉山は加速した週間、完全に停止してバックステップを踏んでシュートモーションに入る。
フェイダウェイか、
私もすぐに止まって、シュートブロックを試みるが、足がもつれてバランスを崩した。
尻もちをつき、私は黙って彼女がシュートをするのを黙って見ることしかできなかった。
綺麗で整ったフォーム、放物線を描いてボールはリングに吸い込まれた。
「でもね、気迫だけじゃどうにもならないこともあるんだよ」
そのまま私たちは白海中学に大差で負けて、結果は県大会準優勝で終わった。
「相手が悪かったね」
「ほんと強すぎ、今までの相手とレベルが違った」
「よく戦ったほうだよね」
「県大会準優勝でも十分すごいよ」
ロッカールームで話すチームメイト、負けたのにそこまで悔しがっているのはほとんどいない。
実力差の現実から目を背け、自分たちを正当化しようとしている。
心が折れたチームメイトを私は鼓舞することが、まとめることができなかった。
そのまま私も心が折れかけた。
そのことが私は許せない。
私は一真との約束を破ろうとしたのだから、
解散後、
私は一真に会う勇気は出なかったから、メールで結果だけ送った。
しかし、一真からの返信はなかった。




