【49話】球技大会 女子バスケ
投稿遅れてすいません!
急いでバイト行ってました笑
明日も投稿するのでぜひ、読んでください。
ぜひ、ブックマーク、評価、感想お待ちしております
体育館に着くと会場は大盛り上がり!
体育館は半分に仕切られていて、半分ではバスケ、もう半分ではバレーボールが行われている。
バスケの方を見ると、ちょうどうちのクラスが試合をしている。
スコアは18対8で圧勝している。
この球技大会のバスケは7分、3分休憩、7分の試合時間となっている。
一日で全試合を終わらせるために試合時間は短くなっている。
やはりうちのクラスは運動神経の良い圭人と大久保主体に攻めまくっている。
今も圭人は大久保からパスをもらい、華麗にジャンプシュートを決める。
「キャー!!」
「工藤先輩!」
「カッコいい!」
体育館のスロープ上から黄色い声援が飛び交う。
この球技大会では、基本どの種目でも観戦が自由で、女子にモテたい男子にとっては絶好のアピールイベントだ。
圭人がモテるのは分かるが、一切付き合うとかしないんだよなー
意外、モテるのに
そのまま、うちのクラスは三年生の相手チームを圧勝し、決勝進出を決めた。
「お疲れ様」
俺は戻ってきた戦友に声をかける。
「お、なんだいたのか?」
「連れてこられたんだよ」
「連れてきました!」
花菜が後ろからぴょこんと現れた。
「なるほど良い仕事したな、花菜」
「でしょ」
「てか、やっぱり俺いなくても楽勝だな」
「今のところはね、決勝の相手2年生でバスケ部2人いるらしいからちょっときついかも」
「だよな」
圭人と大久保が言うには、現役のバスケ部が2人いて、今までの2試合とも大差で圧勝したらしい。
「決勝には一真にも出てもらうぞ」
「ま、勉強の息抜きにちょっと運動するか」
少し思考が曇ってきたから、ちょっと運動してスッキリさせよう、
男子の前に、先に女子バスケの決勝が行われる。
女子のバスケの決勝カードは鈴華率いるうちのクラスと元バスケ部が3人もいる三年生のクラスだ。
正直、いくら鈴華がいるからと言って引退したバスケ部先輩3人を相手には厳しいだろう。
結局、あの後の練習も鈴華だけが1人で個人練習していたが、大丈夫なのか、
2チームがコートに並び、試合が始まる。
「よ、鈴ちゃん。まさか鈴ちゃんと対決するなんて」
「そうそう、後輩だからって手加減しないからね」
「そもそも先輩が私に手加減したことありましたっけ?」
「もうこの可愛くない後輩め」
「今日こそは負かしてやるからな」
「私も負けませんよ」
鈴華は3人の先輩と仲睦まじく?談笑している。
鈴華の部活姿は高校に入ってから見たことがなかったが、結構馴染んでるみたいだな。
ちょっとストイックな性格で少し浮いてしまうときもあるけど、
間もなく試合が始まった。
試合が始まると、即座に元バスケ部の先輩2人が鈴華をマークしてダブルチームをかける。
「くっ!」
「鈴ちゃんにはパスを通させないよー」
「この試合は大人しくしてもらう」
うちのクラスはあくまでも鈴華の1人頼り。
他の選手もある程度のパスやドリブルはできるが、初心者にとって、あの狭い頭上にあるリングにゴールを決めるのは至難の業である。
なんとかクラスメイトは鈴華にパスを出そうするが、2人のマークが徹底しているため出せない。
自分達でドリブルやパス、攻撃をするが、相手にはもう1人元バスケがいる。
その1人が他の2人をうまく統率して、ボールをカットしてゴールを決める。
例え守備に入っても鈴華には1人マークが必ず付いている。
徹底して、鈴華にボールを触らせない気だ。
結局、前半はゴールを決められた鈴華の速攻が2本だけ決まるも4対12で大きく点差を開かれてしまっている。
休憩時間になり、それぞれドリンクを飲みながら話し合う、クラスメイト達、
「あそこまで氷織さんにマークが付いてたらパスできないよ」
「でも、私たちじゃあゴール決められないよ」
「もう無理なんじゃない?相手3年生だし、元バスケ部3人もいるし」
「そうだよね、よく初心者でここまで勝てたもんね」
プレイヤーはもう勝利することを諦めている。
色々な言い訳を並べて、逃げるように、俺と同じように、
だが、そんな選択をあいつはしない。
「ねぇ、みんな話がある」
鈴華のその言葉にクラスメイトは耳を傾ける。
「私はどんなことがあっても勝つ!決して諦めない!」
そんな強い思いを宣言した。
「もし、あなた達にもう勝つ気がないなら私だけでやる」
突き放すように鈴華は言う。
「あなた達はそれぞれバスケ部の2人に2人ずつついてパスを出させないようにして。後は私がどうにかする」
そのまま休憩が終わり、コートに戻る。
鈴華以外のクラスメイトは不満を言いつつもコートに戻る。
「いいのか?あんな突き放すような言い方して」
「戦う気もない人間には何を言っても無駄。なら、私1人で戦うしかない」
コートに戻る鈴華の背中は燃えるように熱く感じたと同時にどこか寂しそうにも見えた。
後半が始まり、作戦通りクラスメイトの4人は鈴華のマークしていた先輩2人に2人ずつマークをする。
いくら元バスケ部の先輩でも2人がかりのマークを簡単に外すことはできないり
その計6人は試合から除外されると考え、事実上、元バスケ部の先輩1人を含む3人対鈴華1人の構図ができる。
ドリブルする先輩にプレスをかける鈴華。
「まさか鈴ちゃん、1人で3人を止める気?」
「そうですけど」
「さすがにそれは傲慢なんじゃない?」
「だとしても、やるしかないんで」
「じゃあ、やってみなさい」
先輩は鈴華のプレスから逃げるためにゴール下フリーの選手にパスをする。
その選手はパスを受け取り、シュートを打とうとする。
だが、ものすごい速さでゴール下まで戻って来た鈴華がシュートブロックした。
「すごーい!」
「氷織さん速すぎる!」
「さすがうちの学校のエース!」
そんな声援が体育館を飛び交う。
鈴華も花菜や黒瀬に次いで、この学校では有名人である。
その容姿とストイックさ、バスケのエースであることや抜群の運動神経から特に女子からの人気がアツイ。
鈴華の作戦は、元バスケ部である2人の先輩を攻撃の時、他のクラスメイトにマークさせて除外し、もう1人の元バスケ部の先輩にプレスをかけることで、残った未経験者2人に攻撃をさせてボールをカットすると言う作戦だ。
確かに理にかなっているが、それでも1対3で勝とうなんて普通できない。
鈴華の身体能力あってこそだ。
「さて、攻撃行くよ」
だが、攻撃の時は違う。
攻撃の時は前半と同じように2人のマークが付く。
これをどうする?
すると、鈴華は2人のマークを連れたまま、ボールを持っているクラスメイトの元へ走る。
「へい!ボール!」
「あ、はい」
半ば無理やりボールを味方から奪うようにしてパスをもらった鈴華。
パスをもらうことができないなら、味方から奪う。
ぶっ飛んだ考え方だな。
しかし、それでもやっとボールを持つことができただけ、マークが2人いることには変わりない。
「味方から奪うなんて、すごいじゃない?」
「でも、そう簡単に抜かせないよ」
2人の守備はとても統率されていて、1人がアタックして、もう1人がカバーと連携している。
これをこじ開けるのは難しいだろう。
「もう、先輩の知っている私じゃありませんよ」
「「え」」
鈴華はアッタクして来た1人をボディフェイントで交わす。
ボールが少し鈴華から離れたことを見逃せず、カバーの1人がボールを取りに行くが、それを華麗に片足を支点にして身体を入れ替えてロールで2人を一瞬で抜き去る。
そのままトップスピードでゴールに迫る。
未経験者の先輩2人を置き去りにして、残るは元バスケ部の1人。
「行かせないよ、鈴ちゃん」
ゴール下に行かせないように守備をする。
鈴華はトップスピードからいきなりブレーキをかけて止まり、シュートモーションに入る。
ジャンプシュートを警戒した先輩はシュートブロックのために飛ぶが、それはフェイク。
鈴華はシュートモーションを解除して、そのままゴール下に侵入してレイアップシュートを決める。
体育館は一旦静まって、大きな歓声が鳴り響いた。
「おおーすげーー!!5人抜きだー!」
「すごすぎる氷織!」
「キャー!カッコいい!」
「ちょっと鈴ちゃん、見ないうちにすごくなりすぎじゃない?」
見事に抜かれた先輩は鈴華にそう言う。
「先輩が引退してからもう4ヶ月経ちました。それくらいの成長はしますよ」
その後も守備は1対3、攻撃は1対5を繰り返すも鈴華無双を誰も止められず、どんどん点差が縮まっていく。
そしてついに、
ピッピピー!
試合終了のホイッスルが鳴った。
スコアは22対21でうちのクラスの勝利。
「おおー!逆転したぞ!」
「氷織無双!」
「一人で勝っちまった」
「あんなの誰も止められないわ」
鈴華のゴールで逆転し、そこで試合が終わり、俺たちのクラスの優勝。
「お疲れ様、みんな!」
花菜や圭人、大久保その他クラスメイトがプレイしていた選手たちの周りに集まって労いの言葉をかける。
しかし、そこに鈴華の姿はない。
あいつのことだから、俺は体育館を出て外にある水道の場所に行く。
案の定、頭から水浴びをしている鈴華がいた。
「お疲れ様」
俺はベンチにあった鈴華のタオルを放り投げる。
「あんた勝手に私のタオル持ってこないでよ」
「お前のことだからクラスメイト達とあまりワイワイしたくないから、タオル取れなかったと思って気を遣ったて持って来たんだよ」
「余計なお世話よ」
濡れた髪をタオルで拭きながら、悪態をつく。
「やっぱ、お前のドライブは凄いな。あの緩急、止められる奴いないだろう」
鈴華の武器は緩急。
ゼロからいきなりの100%の加速、トップスピードからのいきなりの停止。
この緩急に誰もがついていけず、抜かれてしまう。
「いや、全国に行けばこれくらい普通だよ」
「そうなのか?」
「そうだよ、それに私は今あんたが思っているよりずっと成長してる」
確かに先輩達も鈴華のプレーに驚いていたな。
自分の成長が感じられることは、スポーツや勉強に関わらず、嬉しいことだ。
だけど、それなのに
どうして、お前の顔はそんなに悲しそうなのか、
聞こうとするけど、疲れている鈴華に聞くのはちょっと野暮だな。
「次は男子の試合でしょ。まぁ、あんたは出ないと思うけど」
「いや、出るよ。勉強の息抜きね」
「そう、」
俺と鈴華の会話はそこで終わり、俺は体育館へと戻る。




