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現実主義者の俺が青春ラブコメに巻き込まれる  作者: 小西 悠人
アスリート氷織鈴華編
53/91

【43話】サッカー部

こんばんは!


今日から鈴華編が始まります。


自分はこの章を書くのを一番楽しみにしていたので、是非読んでください。


あと、面白かったと感じたら友達にも紹介してください!

たくさんの人に読んでほしいです。


ぜひ、ブックマーク、感想、評価お待ちしてます

 やっとジメジメした梅雨が明けて、少し鬱陶しいくらい暑い夏がやってくる。


 黒瀬の件も解決して、ようやく俺は通常の学校生活を送ることができる。


 黒瀬はあの一件を経てから、少し変化が見られた。


 今までは勉強一筋だったが、たまには放課後友達と遊んだり、休み時間も誰かと話したりと少しフレンドリーになった。


 まぁ、生真面目な性格はそのままだが、父親からのプレッシャーがなくなり、少し楽になったのだろう。


 自分の生き方に自信を持つことができたのだろう。


 それに、何よりも驚いたのは俺への対応だ。


 今までは声をかけても冷たくあしらわれるのが関の山だったが、最近は自分から声をかけてくれたりもする。


 それに加えて、放課後一緒に勉強しないかまでとも言われた。


 まぁ、たまにはいいかと思って誘いに乗ってるが、そのせいで咲空先輩に会えないのは寂しいな。


 そんなわけで全て問題が解決したから、俺は通常通り、現実主義考えに基づいた、生産的な学校生活を送るか、



 と思っていた矢先、


 「おい、一真。この前のこと忘れてないよな」


 「この前?」


 「部活のことで話あるから、来週来いって言っただろ」


 すっかり忘れてた。


 同じサッカー部の三宅から、部活の件で話があるからと言われていたが、黒瀬の件があって後回しにしてたんだ。


 「やっぱり、忘れてたか」


 「すまん、すまん」


 「とりあえず、今日部活に顔出せよ」


 「え、今日?」


 今日は久しぶりに先輩と優雅な放課後の時間を過ごす予定なんだけど、


 「約束忘れてたやつにそんなこと言えると思ってんのか?」


 「はい、分かりました」


 仕方ない、先輩との時間は先送りだな。



 放課後になり、部活に顔を出す。


 こうやって部活に出るのは一ヶ月ぶり。


 てか、二年生に進級してから3回ほどしか参加してないな。


 新一年生の顔なんて誰も覚えていない。


 あっちも俺のこと認知してないと思うし、


 グラウンドに出ると一年と2年には奇怪な視線で見られる。


 そんな俺を発見した人が1人俺の元に来る。


 「久しぶりに来たな。笹原」


 「お久しぶりですね、晴人部長」


 この人は3年生の坂上晴人先輩。

 

 サッカー部の部長である。


 そこまで、サッカーが上手いというわけではないが、持ち前の性格の明るさとムードメーカーで部長になった。


 こうして幽霊部員である俺に対しても優しく接してくれる良い人だ。


 「今日はどうしたんだ?」


 「三宅に顔を出せって頼まれて」


 「そうなのか、まぁ、大会も近い気合いが入ってるんだろう」


 そうか、もう夏だから運動部は大会があるのか。


 「そう言えば、他の三年生はどうしたんですか?」


 「みんなもうやめたよ。受験勉強に専念するって」


 うちの高校は自称進学校のため、多くの三年生が最後の大会を前に止めることが多い。


 ちなみに俺は三年生になったら即刻やめるつもりだ。


 「部長はいいんですか?」


 「まぁ、俺は成績も良い方で行きたい大学にも余裕あるからね。それにサッカーが好きだし」


 そんなことを笑いながら言う先輩。


 例え、友達である同級生がやめても一人で続ける程、サッカーが好きなんだろう。


 俺もそう言う時期があったな。


 すると、三宅が遅れてやってきた。


 「おう、しっかり来たんだな」


 「お前が来いって言ったんだろ」


 「いやあ、お前のことだからバックレるかと」


 どんだけ俺は信用ないんだよ。


 仕方ないけど


 「よし、それじゃあ部活やりますか」


 「そうだね、サッカー部集合」


 サッカー部の顧問はサッカー未経験の素人で最近先生になった新人教師のため、あまり部活に出られない。


 だから、指揮をしているのは基本部長で2年生のまとめ役である三宅がサポートしている形だ。


 最初は準備運動と軽いランニング、その後は基礎練。


 部活をサボってた俺がついていけないと思うだろう。


 俺はメニューを簡単にこなす。


 俺は健康維持のため、ランニングや運動は日常的にしているし、たまに圭人に付き合ってテニスをしている時もある。


 ボールタッチに関しては今まで、10年間の積み重ね。


 1年ぐらいサッカーをしてなくても、忘れるような感覚ではない。


 基礎練が終わり、次は一対一。


 激しい当たりは嫌なので、適当に流すか。


 「ちょっといいですか?笹原先輩」


 話しかけてきたのは1年の確か、林田だっけか、


 「うん?なんだ、」


 「笹原先輩はずっと部活をサボってたのに大会の前だからって何のお咎めもなく練習に参加するのは納得いきません」


 他の一年も同様に頷く。


 そうか、こいつらは俺が大会に出るために部活にきたと思ってるんだな。


 練習を見ている限り、こいつは一年の中でも上手な方だ。


 だから、レギュラーを俺に取られるのか気が気で仕方ないのだろう。


 「何か勘違いしてるみたいだが、俺は別に大会に出るつもりは」


 「いくら中学時代すごくても、それはないんじゃないんですか?」


 「だから、俺は三宅に頼まれただけで、」


 「もう、1年もサッカーしてないんでしょ。俺よりも下手になってるんじゃないんですか?」


 本当は適当に流すつもりだが、ちょっとカチンときた。


 仕方ない、これからも部活をサボるために教えてあげないとな。


 「わかった。なら、こうしよう。次の練習の一対一で君が勝ったら俺は退部しよう」


 「おいおい、ちょっと待って。それはやめろって」


 遠くから見守ってた三宅が俺の提案を止めて来る。


 俺に辞められると困るのだろう。


 「ただし、俺が勝ったら、今まで通りにさせてもらうぞ」


 「分かりました。それでいいでしょう」


 ということで、俺の部活存続を賭けた一対一が始まる。


 本当なら理由もなく部活を辞められるからわざと負けた方がいいのだが、舐められるのは腹が立つ。


 教えてやるよ、誰が一番かを


 一対一のルールは簡単。


 ゴールエリアほどの大きさのコートにミニゴールが二つ置いてある。


 開始の合図と共にコート真ん中に投げられるボールを、対戦相手はお互い自分のゴールから奪い合い、相手のゴールに決めた方が勝ち。


 俺と生意気な一年の林田は位置に着く。


 見守る観衆。


 1年達は林田が勝つことを疑わず、盛り上がっている。


 それに対して2年生は少し呆れているような顔をしている。


 それもそうだ。


 なぜなら去年と構図が一緒なのだから、


 「それじゃあ、始めるぞ。

   始め!」


 始めの合図と共にボールにダッシュする林田。


 それに対して俺はゆっくりと散歩するようにボールに向かう。


 当然、先にボールを取ったのは林田。


 あとは俺を抜いてゴールを決めるだけだ。


 「おい、先輩俺をおちょくってるのか?」


 「これくらいのハンデは必要だろ。先輩なんだから」


 「後悔させてやるよ」


 林田はドリブルを仕掛けた。


 上半身を動かすボディフェイントにシザースやダブルタッチを繰り出す。


 このドリブルを見るにこいつのポジションは攻撃ミッドフィルダー。


 ドリブルで相手をサイドから抜くスタイルのだろう。


 キレのあるフェイントだが、


 俺は抜きにかかってタッチが大きく、林田とボールが離れた瞬間、身体入れて、ボールを奪う。


 「なに?」


 「お前、さっきから利き足の右足で抜く癖がついてるから簡単に止められるよ」


 俺はボールを奪い、そのまま相手のゴールに向かう。


 「させないよ!」


 林田がなんとか先回りして、ゴールの前に立ちふさがる。


 俺は素早くボールをまたぐシザースを繰り出す。


 スピードとキレのある俺のフェイントに揺さぶられる林田。


 左右どちらに抜くのか、そう考えさせることが狙いだ。


 どちらにも対応できるように構えて、できた股の間にボールを通して抜く。


 「ちゃりん」


 しかし、まだ食い下がろうとする林田が俺にショルダータックルをかましてくる。


 俺は冷静にそれを交わし、ボールを優しくゴールに流し込む。


 林田はタックルの勢いでそのままグラウンドに倒れる。


 「さて、俺の勝ちだな」


 俺はグラウンドに倒れている林田を見下ろす。


 これでわかっただろ、俺とお前の差を


 「さて、他に俺に文句あるやつはいるか?」


 さっきまで「打倒、笹原」を唱えていた一年も俺のプレーを見て沈黙している。


 部長と二年生はやれやれとした感じで見守っている。


 去年も俺の部活のサボり癖にキレた先輩が俺に突っかかってきた。


 だから、今のように実力でねじ伏せてやった。


 それで俺はこうやって部活のサボりが容認されている。


 元々、俺は部活に入りたくなかったし、学校の校則だから仕方なく入ってるだけだし、たまに顔を出すだけでも感謝してほしいな。


 「それじゃあ、練習再開するよ」


 そのあとつつがなく練習をして、部活が終わった。


 あの対決の後、俺に恐怖したのか?あまり一年がつっかることはなくなったし、ゲームでは俺が近づくだけで慌ててしまうほどになってしまった。


 少しやりすぎたな。


 「一真、ちょっと部活終わりに残ってくれ」


 「おう。わかった」



 部活が終わった後、部室には俺と三宅の二人だけになった。


 「で、話ってんだ?」

 

 「それは一真に頼みごとがあるんだ」


 なんか面倒くさそうな予感がする。


 大きく息を吸い込み、三宅は俺に言い放った。


 「次の大会に出てほしんだ!」



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