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現実主義者の俺が青春ラブコメに巻き込まれる  作者: 小西 悠人
正義の女子黒瀬沙羅
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【40話】作戦決行!

お久しぶりです!


今日は祝日なのに授業があって疲れました。


もうすぐで黒瀬編もラストです!


ぜひ、ブックマーク、評価、感想お願いします!



 私、黒瀬沙羅は今日生まれ変わる。


 

 私は、中学二年生になってから市議会議員に当選した父に、母と一緒に言葉や暴力で家庭内暴力をされるようになった。


 何度も殴られたし、暴言を吐かれた。


 背中、足にはあざや傷が残ることもあって、みんな前で着替えもできなくて、好きだった水泳もすることができない時もあった。


 母親は体調がすぐれない時は、家事もするようになって結構大変だった。


 

 それでも、私が警察に通報や誰かに助けを求めなかったのは理由がある。


 それは母を守るため。


 もし、警察に訴えたり、弁護士に相談して、父親と離れることができたとしても、


 病弱な母とまだ学生の私。


 やっていく自信がなかったのだ。


 それに、私は何よりもあの父に逆らうのが何よりも恐ろしかったんだ。


 だから、私は逆らうことができず、常に勉強で学年一位を獲り続ければ、大学に進学を許可してもらうよう約束し、その間は母に暴力をふるわせないように頼んだ。


 実際は、最近父を怒らせることがなくなったこともあり、暴力を振るうのは少なくなって私にだけに集中した。


 不機嫌なときは暴言を吐かれたり、殴られたりもしたけど、まだ耐えられる。


 私が母を守らなくてはいけないから。



 

 そうして守ってきたけど、もうそれはできない。


 今回のテストで一位を獲ることができなかったから。


 悪いのは笹原じゃない。


 体調の管理ができなかった私のせいだ。



 とにかくもう、今まで通りにはいかない。


 もう決める必要がある。




 父と決別するために、


 母を助けるために、


 私が自由になるために、



 笹原の助けもあって、私は決心することができた。


 今日、父と決着をつける。





 金曜日になって、決行の日を迎えた。


 いつも真面目に授業を受けている私だが、正直、今日の授業はずっと上の空だった。


 私にとってまだ、父は恐ろしい存在だ。


 それでも自分の道を切り開くためには、あの父を倒さなければならない。


 何度も心が折れそうになったが、そんな自分を何度も奮い立たせる。


 私は正義の女だ。


 あの悪魔の父親になんか負けない。


 


 

 あっという間に今日の授業が終わって、放課後になる。


 今日の夕方にも父は出張から帰ってくる。


 作戦決行のが刻々と迫っていく。


 

 緊張、恐怖、焦りで、鼓動が速くなるのを感じる。

 

 心臓の音が頭まで響いてきそうだ。


 この調子で私はあの父に立ち向かえるのか?


 時間が迫るにつれて、不安が募っていく。


 

 「ねぇ、沙羅ちゃん。今日このあと駅前にできた美味しいクレープ屋さんに一緒に行かない?」


 話しかけてきたのは同じクラスの朝比奈さんだ。


 一年生の頃から同じクラスだったから比較的に仲が良かった方だ。


 最近は休んでいた私のことを気にかけてくれてるのか、一緒に帰ったり、寄り道したりしてくれている。


 朝比奈さんの持ち前の性格の明るさと気を使えるやさしさ。


 私を励まそうとしてくれる気持ちが伝わってくる。


 なんていい人なんだろう。


 おかげで私の心は幾分か楽になっている。


 「ごめんね、行きたいんだけど今日は用事あるから」


 今日は父と決裂しなければならない。


 「そうなんだあ、わかった。じゃあ、来週にでも一緒に行こう!」


 「うん、来週必ず一緒に行こう」


 そう、祝勝会は父に勝ってからだ。




 

 私は、一人決意を固めて家へと向かう。


 母は、今日は健康診断で病院に向かっている。


 帰って来るのは夕方過ぎになる。


 それまでに決着をつける。


 母に負担は負わせない。


 ただでさえ、最近は体調が悪いと言って、病院に行く回数も多くなったんだ。


 これ以上母を傷つけさせるわけにはいかない。


 

 そして、決心をしっかりと固めた同時に家にたどり着いた。


 しかし、家の鍵が見つからない。


 いつもは家を出たら、カバンの右ポケットに入れているはずなんだけど、


 学校で落としたかもしれない。


 明日、学校で探しにいかなくちゃね


 仕方ないから植木鉢の下にある合鍵を使って家に入る。


 「ただいま」


 返事は帰ってこない。


 玄関に靴もないから、まだ2人は帰ってきていないだろう。


 今のうちに、証拠を抑えるためのカメラをつける。


 自分の部屋、父の部屋、リビング、見つからないようにかつ、父の家庭内暴力の瞬間がしっかり撮影できるように配置する。


 今日で、決着をつける!



 

 時刻が18時になるころ、


 ガチャ!


 家の鍵が開く音がした。


 「ただいま」


 この重厚感がある、太い声。


 父が帰ってきた。


 私は自分の部屋から出て、階段を下りてリビングに向かう。


 「おかえりなさい、父さん」


 「ああ、おまえか、母さんは?」


 自分の娘をお前呼びとかふつう逆だろうに


 「母さんは病院に行ってるよ。また、体調崩したらしくて」


 父は機嫌を悪くしたのか、めんどくさそうに顔をしかめる。


 「またか、ったく。あいつは本当に役に立たないやつだな。家事も仕事もできないのに家に住み着く寄生虫が!」


 母に対する暴言を吐くクソおやじ!


 誰のせいで体調を崩すようになったと思ってるんだ!


 このクズめ!


 「こんなにも役に立たないなら、結婚なんかしなければよかった。お前もそう思うよな」


 私に賛同を求めるこのクズ


 今までの私だったら、こいつを恐れて、暴力に恐怖して同調していただろう。


 だけど、今は違う。


 私は笹原に背中を押してもらって、色んな人に支えられて闘うことを決めた。


 私には大切な母親も、支えてくれる友達もいる。


 負けるものか!


 「そんなこと思うわけないでしょ!」


 「あ?!」


 父の恐怖が蘇る。


 だけど、ここで引くわけにはいかない!


 「母さんが体調を崩すようになったのはあんたのせいでしょ!いきなり仕事辞めて、市議会議員に出馬するとか言って、母さんを働かせて、無理をさせたでしょ!しかも、議員になったら態度もでかくなって私や母さんに暴力振るうとか、悪いのは全部アンタでしょ!」


 言ってやった。


 今まで溜まっていた全部言ってやった!


 もう私は弱くない。強いんだ!


 あとはこれにキレた父が私に暴力を振るうところを隠しカメラで撮影するだけ。


 これで私は自由になれる。


 

 私は父の顔色をうかがう。


 きっと、今までおとなしくしていた私が反攻したから、激高しているに違いない。



 しかし、父を見ると涼しげな顔をしていた、


 いつもならキレて暴力を振っていてもおかしくないのに

 

 「それで気はすんだか?」


 「え?」


 「どうせ大方、お前が俺に暴力を振るわせて、それを証拠に弁護士にでも泣きついて接見禁止にでもさせようとしたんだろ?」


 「え、ど、どうして?」


 なんで全部バレてる?


 この計画は私と笹原しか知らないはずなのに、


 「お前、この前のテスト2位だったらしいな」


 「どうして、まだ言ってないんはずなのに」


 「俺はお前がこの提案を持ち出した時から逐一、学校の先生に聞いてたんだよ」


 父がそこまで私のことを監視していたなんて、


 「それで先週のテストで2位に落ちたって聞いて、お前は大学に行くためにもどうにかして俺から離れようとなにか行動に移すだろうって思ってたんだよ」


 「そんな。でも、例え今ビデオの証拠なくても、私の身体の傷や母親の体調のことを弁護士にいえばあんたとは離れことができる!」


 そうだ、確かな証拠はなくても、私と母の身体、それに証言があればこの男に制裁を下すことができる。


 「今までもそうできたのに、行動できなかったのは怖かったからだろ。だから、俺と約束したのに、守れなかったら俺を追い出そうとするとか、約束も守れない。これだから女は嫌なんだよ」


 「DV男が何言ってんだ!何を言われようとも私はあんたから離れて、母さんと自由になってやる!」


 もうここまで来たら引けない。いや、引かない!


 今日、私はこの男の呪縛を断ち切って自由になってやる。


 「そうしたいなら、そうすればいい。だけど、その代わりにお前の秘密を学校や近所のやつらに広めてやるからな」


 「私の秘密?そんなのない!」

  

 「それがあるんだな。さっきも言ったが、俺はお前が何か問題を起こさないようにいつも監視してたんだよ。人を使ってな。お前はあのバカ嫁と違って素直に俺に従わなかったからな」


 そんなこと知らなかった。

 

 まさか、ずっと監視されてたなんて


 「だからなんなの!」


 不敵な笑みを浮かべながら近づいてくる父。


 そのまま私の肩に両手を力強く置いてきた。


 すぐに払いのけようとした次の瞬間、


 「お前、中学の時万引きしたろ」


 私の耳元で父はそう呟いた。


 

 私の頭に衝撃が走った。


 雷に打たれたような強い衝撃が全身を伝わってきた。


 「わ、私は万引きなんかしていない!」

 

 「してただろ、中学二年の時。ちょうどあのバカ女が倒れて、しばらくしてからだよな。家事と勉強でストレスでもたまってたのか?俺の優秀な下部がしっかり目撃してたよ。こうして証拠もな」


 父はそう言って自分のスマホの画像を私に見せる。


 その画像には、まだ中学生の頃の私の姿が写っていた。


 当時の勉強で一位を獲らなければならない重圧、家事や母親の世話からくる疲労、寝る時間もなく様々なプレッシャーを抱えていたた時の私。


 そんな当時の私が一度だけ犯した過ち。


 学校帰りに寄ったコンビニ。


 消しゴムとシャープペンの芯がなくなって買いに来たが、その時財布を持っていなかった。


 たかが、数百円。


 万引きしたって誰も気づかないだろう。


 疲れ果てていて、判断能力がなかった私はそんな軽い気持ちで万引きをしてしまった。



 次の日、私は万引きしたことをとても後悔した。


 何度もそのコンビニに謝りに行こうと思った。


 でも、行けなかった。


 万引きをしたことを知られるのが怖かったからだ。


 

 だから、私は贖罪の気持ちで善いことをし始めた。


 家では家事と母親の面倒を見て、学校ではクラス委員や風紀委員となって学校に貢献して、積極的に地域のボランティア活動に参加した。


 すべては贖罪のために。


 この罪悪感から逃れるために。


 「まさか優等生のお前が万引きとはなぁ、だが、まぁ、こうしてお前の弱みを握れたから俺はこうやって好き放題できたわけだ。お前には感謝しているよ」


 私は全身から力が抜けて、ひざから崩れ落ちる。


 まさか、私のせいで母は傷ついていたのか。


 私のせいで父は好き勝手やっていたのか


 私が悪いのか


 「お前は所詮、上っ面だけの善人なんだよ。悪人が善人の振りするなんて見苦しいぜ」


 そうか、私は善人なんじゃない。


 万引きをして、母親を傷つけた悪人なんだ。


 私が、大学に行けないのも、暴力を振るわれるのも私のせいなんだ。


 「そういえば、お前。暴力振って欲しかったんだよな。お望み通り、殴ってやるよ」


 大きく拳を振りかぶる父。


 私にはもう抵抗する気力もない。


 私は結局、自由になれなかった。


 さようなら、わたし。











 「ハーイ!カット!」












 そこには私に希望を与えてくれた笹原の姿があった。




 

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