【38話】作戦会議
こんにちわ!
最近肌寒くなってきましたね
大学に行くのも一苦労です。
黒瀬編もそろそろラストスパートです!
ぜひ、ブックマーク、評価、感想お待ちしてます
中間テストが終わってから一週間が経ち、また新しい一週間が始まろうとしている。
黒瀬と二人で金曜日に話してから二日。
土日は特に行動せず、勉強に明け暮れていた。
中間テストが終わったからといって、勉強に手を抜いていいというわけではない。
勉強は日々の積み重ねが大事なのだ。
それに、学校でのテストの成績は内申点のためであって、模試の勉強も並行して行わなければならない。
もちろん、土日の部活はサボった。
まぁ、雨だし、室内練習のために学校行くのも効率が悪いからな。
人の噂も七十五日。
俺が中間テストで一位を獲ったことなんて、もうとっくに忘れられている。
今、話題になっているのは、もちろん、一種間ぶりに登校してきた黒瀬のことだ。
黒瀬の席には、クラスメイトのほか、仲良くしている生徒や同じ委員会の人であふれている。
さすがの人望だな。
黒瀬の欠席の原因は体調不良ってことになっている。
無断欠席になったのは、家に両親がいなかったからということにした。
それで一応、黒瀬の無断欠席の件は落ち着いた。
今日もあっという間に授業が終わった。
俺は授業にはほとんど参加せず、自分で参考書を持ってきて、問題を解いている。
ぶっちゃけ、授業なんて先生が教科書の内容を話しているだけだし、関係のない余談をすることも多い。
それなら、家で授業の範囲の予習をして、授業中は自習した方が効率が良い。
たまにペアワークやグループ活動を行う先生もいて、先生としては俺たち生徒が楽しく授業をしてほしいと思ってのことだろうが、正直、俺みたいな陰キャ勉強厨には迷惑だ。
「さて、それじゃあ、行くか」
俺は荷物をまとめて、生徒会室へ向かう。
今日の目的は勉強ではない。
黒瀬のことについて、咲空先輩に相談をするためだ。
「おい、ちょっと待て笹原ー!」
後ろから声をかけてきたのは、同じサッカー部の同級生の三宅。
同じと言っても、俺はほとんど部活に顔を出してないけどな。
三宅の恰好からして、これから部活なのだろう。
「どうした三宅?」
「今日も部活来ないのか?」
いつもの勧誘みたいだ。
三宅は唯一サッカー部で俺を気にかけてくれるいいやつだ。
こうして、一週間に一回ぐらいは部活に来ないかと誘ってくる。
「悪い、今日はこの後用事あって」
「そうか、ちょっと部活でたのみたいことがあるからいつなら来れる?」
「今週はやらなければならないことあるから、来週ならいけるぞ」
今週は黒瀬の問題を解決するから無理だとして、本当は行くの面倒だけど、三宅には世話になってるし、たまにはサッカーで息抜きするのも大事だもんだ。
「了解。じゃあ来週から来いよ」
「分かったよ」
素早く走らないように、それでもダッシュで廊下を駆けて行った。
それほど早く部活がしたいのだろう。
三宅はうちのサッカー部の中でも実力はトップで人柄も良く、次期部長と言われている。
部活のことはいったん置いといて、咲空先輩のところに行くか。
生徒会室に入ると、咲空先輩はすでにいて静かに読書をしていた。
彼女に読書する様はほんとに絵になるな。
ドアを閉める音で気づいたのか、目が合った。
「なんだ、いたのか笹原君」
「今来たところですよ、咲空先輩」
「で、私に相談とは」
「はい、黒瀬のことなんですが、」
「うん?黒瀬さんがどうかしたのかな?」
「実は……」
俺は彼女に黒瀬の件を掻い摘んで話した。
「なるほど、そんなことが。黒瀬さんが学校を休んでいたことは聞いてたが、そういう事情があったとは」
「それで、先輩ならどうします?」
俺にはもうこの件をどう解決するかは決めてある。
それでも、俺にとって憧れであり、人格者である咲空先輩に助言を求めた。
先輩はしばらく頬杖をつきながら、熟考する。
「私だったら、公的機関に任せるのが正解だと思う。いくら、黒瀬さんのお父さんが権力を持ってるとしても所詮、市議会議員程度、しかるべきところに相談するればもみ消されることはないだろう」
先輩は冷静にこの件を分析して、正しい答えを導き出した。
「それに家庭内暴力は立派な犯罪案件だ。警察に言って、しかるべき処分を下してもらうべきだ」
そう、これが正解。
黒瀬は父親が恐ろしく、母親を守りたいという一心で誰かに頼ることなく、自分が盾となろうとした。
それは間違っている。
どうして正しい人間が蔑ろにされ、悪人が良い思いをしているのだろうか
その不条理がこの世ではたくさん罷り通ている。
多くの人間はその不条理を解決せず、耐えることを選択する。
なぜなら、それが苦痛であったとしても、一歩踏み出す勇気がないからだ。
俺は、そんな勇気の一歩を黒瀬に踏み出してほしい。
お前なら、できるはずだ。
「まぁ、笹原君はこんな選択しないんだろうけどね」
「え、どうして?」
「だって、君。黒瀬さんの話しているときからずっと拳を強く握りしめているからだよ」
気づかなかった。
握っていた拳を開くと、強く握りしめてたせいなのか、少し流血している。
「大丈夫?ほら、救急箱あるから使いな」
先輩は棚から救急箱を取りだして、絆創膏を渡してきた。
「そんなに傷つけるほど、怒ってるんでしょ。黒瀬さんの境遇に。そんな君がこんな人任せな解決しないなんてわかっているよ」
「全く、先輩には敵わないな」
やっぱり、先輩は俺の憧れの存在だな。
「君ほどではないよ」
「先輩と相談して、決心できました。ありがとうございました」
「うん、役に立てたなら嬉しいよ」
「この埋め合わせは今度しますので」
「分かったよ、じゃあ黒瀬さんのことよろしくね」
「はい!」
俺は生徒会室を出て、協力者に連絡する。
黒瀬の父親に痛い目を見せるために。
黒瀬に自由になってもらうために
そして何より、
俺のために




