【35話】黒瀬沙羅の訪問
一週間ぶりにお久しぶりです。
後期が始まって、大学にも慣れ始めたので執筆を開始していきます。
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俺は、雨に濡れた制服を脱ぎ、軽く髪の毛と体を拭き、部屋着を着る。
リビングにある電気ポットに水を入れて、お湯を準備する。
キッチンの棚から二人分のティーカップを取り出す。
まだ、シャワーの音が聞こえる。
随分と長いな、
あれだけ体を冷やしたなら、それも仕方ないか、
俺は黒瀬に踏み切りで再会した後、家まで送ろうとしたが、帰りたくないという。
このまま、雨に打たれるのも無理だし、濡れたままどこかの店に入るわけにもいかなかったため、俺の家に案内した。
俺の家はいつも通り、俺一人だ。
両親は自由人で基本的に家にいない。
仕事で海外に行ったり、いきなりバカンスに行ってくるとか言って一ヵ月ぐらい帰ってこないこともザラにある。
まぁ、それでも一応俺には気を遣ってるらしく、連絡や電話はしょっちゅう来る。
カチッ、
ポットのお湯が沸いた。
俺はコーヒーを飲むが、彼女の好みがわからない。
仕方なく黒瀬に聞きに行く。
シャワーの音もしないし、もう上がるとこなのだろう。
「なぁ、黒瀬」
「!」
ガタガタと物が落ちる音がした。
「ごめんなさい、なに?」
驚いて、洗面用具を落としたのだろう。
突然声をかけたのが悪かったな。
「お湯沸いたけど何飲む?コーヒーと紅茶、ココアはあるけど」
「じゃあ、ココアをお願いできるかしら」
「オッケー、しっかり髪の毛とか乾かしてから上がってこいよ」
「あのー、この着替えは?」
「あー、それ花菜の」
黒瀬の服は雨でびしょ濡れになってるから、着せるわけにいかないし、俺の服を着せるのも論外。
なら、同じ女子同士の花菜のなら抵抗がないだろう。
「朝比奈さんの?!なんであなたが朝比奈さんの衣服を持ってるの!?」
「だって、あいつの家俺の家の隣だし、俺一人暮らしみたいなもんだからしょっちゅう花菜、家に来るから」
花菜の母親から料理のお裾分けをもらったり、回覧板を回したりしてもらってる。
まぁ、俺の方が料理を花菜に振る舞うことが多いけど、
あいつはただ遊びにきてるようなもんだし、
「ということで、花菜のやつが泊まりに来ることもあるから、俺の家に服があるの」
「いや、どう考えても変でしょ。いくら幼馴染でも」
「そうか?」
「そうだよ、あなた朝比奈さんの服で変なことしてないわよね」
「するわけないだろ」
「ならいいけど」
「馬鹿なこと言ってないで、さっさと上がれよ」
「わかったわよ」
俺は自分用のコーヒーと黒瀬用のココアを淹れる。
てか、意外だな。
黒瀬のイメージだと砂糖ミルクなしのブラックコーヒーのイメージだけど、
甘いものが好きかもしれないな。
それとも、ただ甘いものを飲みたい、そういう気分なだけかもな。
黒瀬がシャワーを終えて、リビングのテーブルでコーヒーとココアで身体を温める。
雨で冷え切った身体に、熱いコーヒーは沁みるなぁ
5分くらい沈黙のまま、冷えた身体を温めた。
「それでどうして、あんなことしようとしたんだ」
早速、本題に入る。
俺は回り道は嫌いなのだ。常に効率を優先する。
「それだけじゃない、なんで学校も来ないんだよ」
「もう意味がないから」
小さく口を開いて、消えてしまいそうな声で答える。
「意味がないって」
「もう学校に行く意味も生きる意味も、私にはないんだよ」
黒瀬は俺の知らなかった自分の過去を語り始めた。




