【33話】中間テスト結果
今日も投稿しました。
明日は一日バイトで投稿が厳しいですが、頑張ります!
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テストが終わって、次の週の月曜日。
今日は中間テストの結果が掲示板に張り出される。
テスト明けの金曜日、黒瀬は体調不良で休んでいた。
なんでも、テスト最終日に少し無理をしたらしく、次の日に体調を崩したらしい。
それでも、テストはテストだ。
今回は良い手ごたえがあったから、黒瀬に勝ってる可能性がある。
「テスト、今回こそ黒瀬さんに勝てそう?」
テストから解放された花菜は伸び伸びしていた。赤点取らないように必死に一夜漬けしてて、死にそうだったからな。
「いい手ごたえだったから、行けると思うけど」
「さすがだなあ、カズは」
「そういうお前はどうなんだよ」
「私はもちろん赤点は回避したつもり」
「もっと勉強しないとやばいぞ」
「まだ、本気出してないだけだもん」
とか言って、もう二年。ほんとによくうちの高校に入れたもんだよな。
「いつになったら、その本気が見れるのかな」
「もう、そんな意地悪言わないの」
ポカポカと俺の胸板を両手でたたいてくる。全然痛くないが。
これは決していちゃいちゃしているわけではない。
コイツとの一種のコミュニケーションだ。
周りの殺意の視線が痛々しいほど刺さっているが。
コイツのこういうスキンシップは花菜にとっては普通らしいが、俺ら男子にとってはそうはいかない。
実際、花菜のこういう行為で勘違いして、告白して振られた犠牲者が大勢いる。
俺はそうはならないけど、
「ほら、行くぞ。もう校門に着くぞ」
「はいはーい」
校門に着くと掲示板の前は生徒でごった返していた。
テスト結果が張り出されるから、少し早めに登校してもこの生徒の数。
一応進学校ということもあるので、誰もが自分の順位を気にしているんだろう。一部例外を除いて
いつも通り、生徒でいっぱいの掲示板だったが、いつもと違って少しのざわめきがある。
これはもしかして、
「俺ちょっと、見てくるわ」
「いってらっしゃい、ついでに私のも探してきて。多分ないけど」
「オッケー」
俺は花菜をおいて、テスト結果を確認する。
三年生のテスト結果が張り出される掲示板に着いた。
いつもだと、俺の名前は上から二番目、絶対に一番上にはなかった。
そこには不動の黒瀬の名前があった。
今回の結果、俺の名前は掲示板の一番上にあった。
つまり、俺が今回のテスト黒瀬を負かして一位を取った。
「ヨシッ!」
俺は短くガッツポーズをする。
ようやく念願の一位を取ることができた。
だが、これがゴールではない。
これからも黒瀬に勝ち続けて一位をキープし続けることが目標だ。
ドサッ!
何かが倒れる音がした。
隣を見ると、黒瀬が青い顔をして口元を抑えながら、ひざから崩れ落ちていた。
もちろん、俺が今回一位を取ったから二位に落ちたのは残念だったが、それにしてもこの落ち込み様、いや絶望のような様子は何だ?
そして、そのまま気を失ったように倒れた。
「おい、黒瀬!大丈夫か!?」
返事がない、顔色も悪い。
すぐに保健室に連れて行くべきだ。
「だれか、黒瀬を運ぶの手伝ってくれ!」
その場にいた数人で黒瀬を保健室に運んだ。




