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現実主義者の俺が青春ラブコメに巻き込まれる  作者: 小西 悠人
正義の女子黒瀬沙羅
35/91

【27話】体育祭(3)

またまた、久しぶりの投稿ですいません。


頑張って書こうとするんですが、なかなか気力がわかないときが多いんですよね


それでも頑張っていきます。


ブックマーク、評価、感想、お待ちしております。


 借り物競争を終えて、くたくたになりながら、クラスの座席に戻る。


 戻る途中に、多くの生徒から様々な視線を向けられた。


 花菜のいたずらによる嫉妬、鈴華のひどい仕打ちへの同情、生徒会長の咲空先輩と仲がいいという疑念。


 三人とも校内屈指の有名人だ。


 そんな三人と接点のある、謎の陰キャの俺。


 視線が集まるのも仕方ない。


 

 俺はそんな視線にさらされながら、クラスの応援スペースに着き、自分の席に腰を下ろす。


 やっと休める。


 俺だけ、三回走ったからな。


 そんなくたくたな俺に応援席にいた圭人が寄ってきた。


 「おう、お疲れ。大変だったな」


 「ほんとだよ。てか、なんで借り物競争のお題、人ばっかなんだよ!」


 「確かにな、でも、花菜に公開告白されるなんてな。羨ましいぜ」


 「あいつのはいたずらだよ。ただ俺を困らせたいだけの」

 

 「だとしても羨ましいよ。あんな可愛い子に告白されるなんて」


 「だーかーら。嘘だっての。てか、告白なんてお前にとっては日常茶飯事だろ」


 去年だって、圭人がなんでも告白されているのを目撃した。


 そりゃ、イケメンで頭がよく、テニスの全国経験者とかモテるに決まっている。


 俺にとってはどうでもいいけど、恋愛にうつつを抜かしている奴なんか知ったこっちゃない。


 時間の浪費だ。勝手にいちゃくりあってろ。俺の邪魔にならないように


 「まぁ、なにはともあれ午前中の競技は終わったから、あとはゆっくり休むとするよ」


 「おい、昼休みの前にペアダンスがあるだろ」


 「あ、そうだった。完全に忘れてたわ」


 「しっかりしろよ、次の次だぞ」


 「了解。それまで休んでるわ。時間になったら呼んで」


 「オッケー」


 俺はタオルを頭に被り、しばし休憩。


 




 「おーい、一真、起きろ。時間だぞ」


 「もう時間か?もう少しだけ休んでるから先に行ってて」


 「おい、ったく」 


 「笹原!ほら行くぞ!」


 大きな声と共におでこに強い衝撃を感じた。


 「痛ってーな、なにすんだよ鈴華」


 「デコピンだよ。あんたが起きないのが悪いんでしょ。早く行くよ」


 「デコピンの威力じゃねーよ。さすがゴリラだな」


 「誰がゴリラだ!」


 今度は背中を思いっきりひっぱたかれた。


 「痛ってー!」


 「もし、次同じようなことを言ったらこんなんじゃすまないからね」


 これ以上があるのか


 これからは怒らせないようにしようっと


 「ほら、カズつべこべ言ってないで早く行くよ」


 いつのまにか鈴華だけじゃなくて、花菜もいた。


 「花菜、借り物競争のこと忘れてないからな」

 

 「あれ?私なんかしたっけ?」


 可愛い顔をしながら首を傾げる。


 とぼけやがって、お前のせいでどれだけ俺が被害を被ったことか、


 「ごめんって、反省してるから許して♪」


 「じゃあ、お詫びとしてこんだ飯奢れよ」


 「グッ!仕方ない、今度ね」


 よし、なら許そう。


 ちなみに、みんな制服に着替えている。


 ペアダンスでは服装は自由。ある年には私服で、ある年ではコスプレをしてダンスをしていた。


 今年は、制服に決まったらしい。制服は夏服で、男子はYシャツ、女子はブレザーかベストだ。


 さっさと用意していたYシャツに着替え、準備をする。


 その間に鈴華とペアダンスする大久保も合流した。


 みんなで待機場所に移動すると、そこにはすでに多くの三年生が待機していた。


 待機というより盛り上がったり、わいわい騒がしい。


 正直やかましいことこの上ないが、三年生にとっては高校最後の体育祭浮かれるのも仕方ないだろう。


 俺には理解できないが、


 俺たちも種目時間まで雑談したり、応援しながら待機していた。


 俺たち白組は、赤組の後にペアダンスを行う予定で、今は赤組がペアダンスをしている。


 俺たち白組は優雅をテーマにして社交ダンスなどのダンスを取り入れたが、それに対して赤組は情熱をテーマにした、熱いダンスだ。


 その熱気に当てられて会場も大盛り上がりだ。


 そして、赤組が終わり、俺たち白組の番だ。


 なのに、


 「黒瀬のやつ、どこ行ったんだ?もう始まるのに」


 三年生、ペアダンスに参加する二年生は全員揃っている。黒瀬を除いて。


 心配そうにする花菜。


 「どうしよう、私、団長に相談してこよっか?」


 「いや、もう少し待ってみよう。あと5分ほど時間あるし」


 「そうだね」


 そして、五分後、


 「ごめんなさい、時間ぎりぎりになって」


 肩で息をしながら、ようやく黒瀬が待機場所に来た。


 「ほんとだよ、どこに行ってたんだよ黒瀬」


 「ちょっと、委員会の仕事が長引いてしまって」


 「大丈夫か?」


 「ええ、大丈夫よ。ちょっと走って疲れただけだから」


 黒瀬の身体能力は可も不可もない。


 体力の消耗しながら、ダンスを踊れるかが心配だが、本人が大丈夫というのだから大丈夫だろう。


 「オッケー、なら早く行くぞ。それと今日は触れても大丈夫なんだろうな」


 「も、もちろんよ」


 俺たち白組のペアダンスが始まる。


 「それでは、午前の部最後の競技、白組のペアダンスです。それでは、白組の皆さんお願いします」


 放送部のアナウンスと共に、白組のダンスにテーマ曲が流れ始める。


 その曲が流れ始めると同時に、白組の選手が待機場所から校庭の中心に駆ける。


 そのまま練習した通りのフォーメーションを作り、ダンスを踊り始める。


 初めのパートは緩いスピードの音楽に合わせてのボックスダンス。


 次のパートはお互いのペアと手をつなぎながらのダンスだ。


 俺と黒瀬は練習を繰り返していたが、手をつないでのダンスは初めてだ。


 別に気恥ずかしさとかはないが、少し緊張はする。


 黒瀬と軽いアイコンタクトをして、練習では頑なに触れることのなかった黒瀬の手を取り、ダンスを続ける。


 黒瀬の柔らかい手の感触を感じながら、緩やかなスピードで踊り続ける。


 優雅のテーマにふさわしい、軽やかなステップに滑らかな踊り。


 そして、最後のサビパート。


 お互いの手に腰を回し、手をつなぎながら踊る社交ダンス。


 練習ではお互い触れることなく練習したため、ぶっちゃけ本番で少し不安だったが、しっかりと音楽に合わせて踊れている。


 にしても、社交ダンスってこんなにも密着するものなんだな。


 練習ではわからなかったが、お互いの顔の距離も近い。


 緊張で自分の顔が赤くなっているのが少し気になる。


 チラッと、黒瀬の顔を見てみると、少し顔を赤くしていた。


 よく見ると、息遣いも先ほどよりも荒くなっているのに気づいた。


 「おい、黒瀬大丈夫か?」


 ダンスの邪魔にならないよう小声で尋ねた。


 「だ、大丈夫よ」


 消え入りそうな声で返事をすると、黒瀬の全身から力が抜けていくのを感じる。


 まさか、こいつ熱中症で気失ってるのか!?


 途中で抜けようと思ったが、ダンスも終盤。俺たちのせいで三年生の最後の体育祭に傷をつけるわけにはいかない。


 黒瀬もそれを望んでいるはずだ。


 俺はダンスが終わるまで、黒瀬を抱えながら何事もないように踊った。


 幸いにも、社交ダンスのため抱えて踊っていても、不自然に見られないで済んだ。


 そして、曲が終わり、最後に全員でポーズをとり、フィニッシュをする。


 それと同時に、歓声と拍手が校庭に響き渡る。


 白組のペアダンスは無事に成功できた。


 そのまま俺たちは退場する。


 「圭人、大久保、手伝ってくれ!」


 「どうした?一真」


 「黒瀬が倒れた。おそらく熱中症だ。保健室まで運ぶの手伝ってくれ」


 「マジか!わかった。大久保手伝ってくれ」


 「お、おう。わかった」


 「私も運ぶの手伝うよ」


 「助かる。鈴華」


 「じゃあ、私は先生に伝えてくるね」


 「頼んだ。花菜」


 俺たちは倒れた黒瀬をやさしく運び、駆け付けた先生と一緒に保健室へと連れて行った。

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